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ポール・マッカートニー新譜レビューMcCartneyⅢ 全曲楽曲紹介します(連載その4)。

 ポールのNEWアルバム「McCartneyⅢ」レビュー! 第4回は、M3「Pretty Boys」のパート2です。 ここでは、「ポール・マッカートニー作曲術」作者として、曲作りを中心に楽曲解説をしていきたいと思います。
 作詞や作曲、プロデュースにフォーカスした、レビューです。

<「Pretty Boys」のパート1はこちら>

M3. Pretty Boysのパート2

■ポールらしさから生まれた名曲

 M1、M2、M3と、ポールは自分らしさの作曲法を楽曲のそこかしこに忍ばせて曲作りをしています。これは、ワンパターンという意味ではなく、芸術家としての落款(らっかん=作家が作品に残す署名や印)のようなモノではないでしょうか?

 万華鏡の楽曲バラエティーを誇るポールですが、ボクを含め、多くのファンたちは、どれを聴いても、ああポールだぁ! と、好きになるのです。それは、無意識に彼の楽曲の中から、彼らしさを感じ取っているからなのではないでしょうか?
 「このコード進行の感じがいいんだよね!」という方は、理論が分かっても分からなくても関係なく、その部分にマッカートニー・コードが使われていたりするのです。マッカートニー・コードとは、ポールが大好きなコードの使い方で、弊著「ポール・マッカートニー作曲術」で名付けたコード進行法です。
 カッコ良いサウンドには、必ず、意味があるのです。ポール自身も、自分の音楽はすべて説明が付くと語っているのです。
 この曲にも、そんなポールらしさのテクニックや技を、忍ばせているのですね。

■5度(ドミナント)から始まるポール節

 ポールの作曲のクセの特徴! つまりポールらしさ! はいろいろありますが、「5度(ドミナント)から始まるポール節」もその一つです!
 ♪ドレミファソラシドの5番目の音=ソ音を根音(ルート)とする和音をドミナントと呼びます。ポールは、ドミナントから始まるメロディーをいくつも書いています。ハ長調でいえば、Gメジャーから始まるコード進行ですね。これについても、弊著「ポール・マッカートニー作曲術」で説明しています。

 具体例で言えば、ポールが14歳の時に初めて作った「I Lost My Little Girl」は、ハ長調でドミナントのGメジャーから始まっています。ソロ作品の「Some People Never Know」は、イ長調でドミナントのEから始まっています。「Yesterday」のサビは、DマイナーでドミナントのA7(sus4)から始まっていますね。

■「Pretty Boys」の場合

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 少々見づらいですが、フォトはアルバムのプロモーションに為に、ポールが立てた大きな看板に描かれた「Pretty Boys」のスコアです。1小節目が、Dから始まっていますね。
 ト長調(Gメジャー)のドミナントであるDから始まっているのです。まさにポール節です。

 ドミナント始まりが、なぜ個性と言えるか? それはドミナント自体が曲を終止させるのに使う場合が多いからで、ドミナントから始めるメロディーというのは、本当に少ないのです。
 ボク自身も、未発表を合わせれば何千曲かを書いてきましたが、ドミナント始まりの曲は数えるほどもありません。

 ドミナント始まりの面白さというか、そのギミック効果というのは、ドミナントが主和音(トニック)に聞こえてしまうというポイントです。
 この曲の場合、Dメジャーコードで始まりますから、ニ長調のつもりで聴いていると、実は、ト長調であったと分かるというギミックがあるのです。
  "明朗会計"“ポッキリ3000円”……とか書かれた飲み屋に入ってみたら、ビール1本1万円、座っただけで5万円のお店だった……みたいな感じ? 
 いや、例が悪すぎました。
 転調をするわけではないので、スッ~と印象が変わっていく面白さがあるのです。この微妙な色彩変化が、ポールのお気に入りなのでしょうね。

 そして、この色彩変化が、上記したように、我々ファンのお気に入りでもあるんですね!

■「ポール・マッカートニー作曲術」

 こんな感じで、ポールの作曲ノウハウをまとめた弊著が、「ポール・マッカートニー作曲術」(ヤマハ刊)です。
 ご興味のある方は、ぜひ、お手にとってご覧くださいね!
 なんと、Amazonでは、レビューが100を越えました。ビートルズ本では、ダントツのレビュー数を頂きました。ありがとうございました。
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次回は M4「Women And Wives」を解説します。
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