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江戸中期から伝わる「皮なめし」をイノシシでやってみた ⑪弾力が変わった!?

このシリーズは、ある狩猟雑誌の取材をかねてチャレンジしています。プロのアドバイスも交えて手順をまとめた記事は、誌面で公開されます。(3月には告知ができると思いますので、お楽しみに!)

塩漬けをやり直して、1週間後の2月26日。白さをキープしていい感じだ。

柔らかさも、ゴムタイヤのような芯のある感じから、低反発枕のようなもちっとした弾力に変わってきた。

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写真を見ておくれ、握ったら指の跡も少しつくように。でもまだもうちょっと硬いかな。

ちなみに、最初は獣臭かった皮だが、いまは鉄がちょっと錆びたような匂いになっている。師匠曰く、「それは小麦やミョウバンが反応してPHが下がったんや。酸の匂いになったんやな」とのこと。いよいよ気分が上がる。こういった触感や匂いが、すべてなめしのバロメーターになってるんや(←師匠風に言ってみた)

15日後の3月5日。いっそのこと揉みこんだら軟化が早くなるかと、袋から出してみることに。

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なんだか「革」って感じになってきたぞ。

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シカの皮は薄いので、「洗濯板で衣類を洗うように」揉みしごくらしい。しかし、イノシシは厚すぎて皮が動いてくれない。仕方がないので、お餅つきでお餅をこねる要領で、皮を折りたたむようにして上からギュッとつぶすのことを繰り返した。

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なんとなくこなれて、餃子の皮みたいになった皮太郎。実際弾力もそれに似ている。

こんなに大きい皮なら、神楽坂飯店のジャンボ餃子が余裕でつくれることだろう。豚肉の代わりに入れるのは、もちろんイノシシだ。気になる方はググってみてください。

これで軟化も飛躍的に進むはず!とドヤ顔で師匠に報告するが

「もんだからって、なめしが進むわけやないけどね」

と一笑。やっぱり科学的なあーたらこーたらがあって、じっくり反応していくものらしい。今はさっぱりわからんが、落ち着いたらこういう部分も勉強してみたい。

さぁ、皮太郎よ。そろそろ次の工程に行きたくなっただろ?

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