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木の家に住む、ということ

ログハウスに住んでる。

2014年に建てたので、もう6年経過した。6年程度で偉そうなことをどうこう言えるほどわかってるとは思わないけど、少なくとも「やめときゃよかった・・・」とは思ったことは一度もない。一般的に言われるログハウスのヤなところ、面倒なところ(メンテがたいへん、とか)は特に気にならないので、たぶん、性に合ってるんだと思う。

それまで5年くらい住んでいた築40年の古民家?もかなり気に入っていた。平屋でこじんまりしてるところもよかった。前のオーナーが大工さんだったこともあり、もともとずいぶん改造してあった。天井裏に小部屋があったり、壁が一部カウンターになっていたり。さらに僕らは薪ストーブをつけるために屋根に穴を開けたし、部屋の壁をやぶって2部屋を1部屋にした。かなり自分好みの家だった。

が、いかんせん古かった。

子どもが壁に軽くぶつかったら穴が開いた。・・・ドリフのコントかと思った。子どももそんなに痛くなさそうできょとんとしていた。

水道配管が割れて水浸しになった。・・・周辺の道路が水浸しになって、犬の散歩をしている人に教えてもらった。昔の規格だと、水道管は結構浅いところに埋めてあることを知った。だから寒い日に凍って割れたりする。業者が来るまで水がでない。水を買いに走ったりした。

冬の朝はアルミサッシの内側が凍ってしまった。・・・外と中が同じ温度だった。隙間が多かった。

屋根瓦が落っこちてきた・・・これは屋根の上にサルが乗ったからだけど。

建て直すことにした。条件は、「今住んでる家を超えるもの」。住宅展示場も行ったけど、全然ピンとこなかった。本もかなり読んだ。自然素材を売りにしている住宅会社を見つけ、これならいいかと通い、かなり詰めた話をしたけど・・・

「まず自分の理想の家で見積もりをする。そこから予算を考えていろいろ削っていく」という営業の人の話を聞いて、なんだか変だと思った。

それって結局、妥協した家にしか住めないんだよね。「みんなそうやって建てる」と言われた。

そうなのかな?「自然素材は高いからすべてそれでいくわけにはいきませんよ」あれ?自然素材が売りなんじゃないの?遂には、「木は維持がたいへんだから、コストも掛からない木目調の外壁がいいよ」・・・もはやなんのために建てるのかわからなくなってきた。出てきた設計図は、形だけはかっこいいけど、何がいいのかわからない代物。

話は平行線。向こうがふとつぶやいた一言。「まさかログハウスってわけにもいきませんしね」

あ!その手があった!気がつかなかった!急に視界が開けた感じ。

完全に自然素材。断熱材も使わない。今まで使ってた薪ストーブもそのまま移植できる。むしろなんで今まで気づかなかった?

そこからはトントン拍子。ログハウスといえばBESS かな?と最寄りのBESS の展示場に入って即決だった。「これでいいじゃん!」

本当に僕らにとってログハウスは大正解だった。もう一軒建てていいと言われたら、たぶんまたログハウスを建てる。

良いところ。

木の香り。うちは国産杉のログだから、杉の香りがする。最初だけかと思ったけど、そんなことない。いつまででも香りがする。

好きなところに穴やネジが付けられる。正真正銘の木の壁だから、釘が打てないところなんてない。子どもが絵を描いて来たら、適当なところビスで打ち付けて展示。棚がほしくなったら思い付きで打ち付けられる。そういえばハンモックもある。木の柱に大きなボルトで取り付けてある。絶対取れない。自転車の固定フックも好きなところに付けたい放題だ。

壁のペンキ塗り。これを「面白い」と思えるか「めんどう」と思うかが決め手なのかもしれない。ありがたいことに自分は今のところすごく楽しんでいる。毎年一面ずつ、四年で一周ペースで塗っている。毎年自分の中の流行り?の色が違うから、四面とも少しずつ色が違う。その時の気分で調合具合を変えて塗るのだ。ムラになろうが気にしない。

床。裸足が気持ちいい。夏は冷たい。冬は薪ストーブのおかげで裸足でも寒くない。あと、モノを落としたりして凹んだりするけど、これも味なので気にならない。傷みも味になる。

部屋があんまりない。大雑把にいえば部屋を仕切る壁がほとんどない。プライバシーの維持が難しいから、これは賛否分かれるところかも。子どもが小さいうちはいいと思う。常にだれがどこにいるか気配でわかる。一階の隅と二階の隅で話ができる。子どもが大きくなって部屋をほしがったら、早々に出てもらおう。

壁。断熱材が入ってないけど、ほんとに夏は涼しく冬は暖かい。丸太(うちのは角材だけど)ってすごいと思う。

あ、一つ気になるところがあった。横なぶりの雨が降ると、ログの隙間から雨がしみ込むことがある。ログって、ボルトで止めてあるけど基本は載せてあるだけだもんね。小さいアリが部屋の中いて、行列をたどるとログの隙間から入っていたこともあった。でも、外の気配が感じられる悪くないところだと思ってる。

昨夜は、どこから入ったかアマガエルが台所にちょこんといた。かわいいなあ。これは田舎だからだけど。あ、でもどこかにカエルが通れるくらいの隙間があるってことかな?まあ、気にならない。

一番の良さは、細かいことが気にならないおおらかな気持ちになることかもしれないね。










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