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プロゲーマーと偉人が共通に持つ「ミスを引きずらない方法」

 みなさんは結果に一喜一憂して心理的なエネルギーを浪費していると感じることはありませんか?

 私はそうでした。結果にとらわれるのではなく、自分がやれることをやるべきだということを理解しつつも気にしてしまうのです。

 一喜一憂してしまうのはなぜでしょうか。それは、上手くいったか否かによって良かった悪かったと判断するからです。結果に対して良い悪いの判断をすれば、上手くいかなかったときに悪かったと烙印を押さざる終えません。

 そこで、一喜一憂しなくても済む考え方についてご紹介したいと思います。本記事で紹介する考えを知ることで、全ての経験を学びに変えられるので、努力の過程を楽しむことができます。結果として一喜一憂することを減らすことができます。

人間万事塞翁が馬

 いくつかの角度からお話したいと思います。1つ目は、ips細胞の発見をしたノーベル賞受賞科学者である山中伸弥先生の好きな言葉として知られる人間(じんかん)万事塞翁が馬です。

 中国の故事成語で、「人生や世の中の幸不幸は予測ができないものである」という意です。

 お城(塞)に住むおじいさん(翁)が飼っている馬が逃げ出してしまったときに村人は災難だったねと声を掛けましたが、おじいさんは「このことが幸運を呼ぶかもよ」と話していたり、馬が他の名馬を連れて戻ってきたら「このことが不幸を呼ぶかもよ」と話すなど、短期的な幸不幸の視点に囚われないおじいさんのお話です。

 一見、良いと思われることも長期的には悪いことかもしれないし、その逆もしかりということです。

プロゲーマー梅原大吾と新渡戸稲造の共通点

 次にご紹介するのがプロゲーマー梅原大吾さんと平成19年まで5,000円札に印字されていた新渡戸稲造さんの共通する考え方です。

 梅原大吾さんはプロゲーマー界のレジェンドで、将棋界で言う羽生善治さんのような方です。

 彼は、自身の著書で「弱い人ほど目先の損を我慢できない」と話しています。持てる力は使うものの、決戦は最終的に勝てば良いし、勝てなかったとしても次に繋がる学びを持ち帰ることができれば強くなれます。一局一局全てに勝とうとする必要はないということです。
 勝てなくても良いということではなく、学びを持ち帰られない試合のほうが危険であるということですね。

 弱い人は全ての局戦で勝ちたいと思うため、大局的な視点から繰り出される技に勝つことができないそうです。

 一喜一憂しないことで、大逆転すらも戦略として選択することができます。大抵の場合、キャラクターのHP(体力)が削られ続けることはプレッシャーになりますが、大局的な視点を持つ彼の場合はそれすらも戦略とすることができるのです。

そのことをよく表した試合がこちらです。
梅原さんは、追い込まれている男性のキャラクターを使用しています。

 観客は大逆転に興奮しっぱなしですが、目先の損に囚われない梅原さんにとっては戦略の一部なので、追い込まれているようにみえる状況からの大逆転でも至って冷静だったのではないでしょうか。
(というか、キャラクターの無駄な動きが無くて美しい。。攻撃モーションも防御モーションも無駄に取らない勇気がすごいですね。)

 また、彼は失敗から学ぶことができる人は多くいるが、成功から学べる人は実に少ないと話しています。

 教育者・思想家で『武士道』や『修養』などの本を出されている新渡戸稲造さんも逆境だけでなく、順境(上手くいっているとき)もまた気を引き締めなければならないと言葉を残しています。
 そして、逆境も向き合い方次第で順境に転じるとも言っています。油断大敵という教えは、その逆もしかりということを示しています。

2つの話から学べる共通する思想

 これらの話から、目の前に起こった事象が良い悪いかは判断する人によって全くの逆になるということに気づきます。

 一喜一憂する人は目先の良し悪しに囚われますが、塞翁や梅原さん、新渡戸さんのような大局的な視点を持つ人は目の前の事象に心乱されることがありません。

 過去を振り返ってみると、現在持つ大事な価値観は失敗から生まれているということがあります。私の場合、無気力状態になり半ば引きこもりになっていた最中、友人の誕生日にプレゼントを渡しに行ってみたら、これまでの無気力感が嘘のように元気いっぱいになれたことで、自分の幸せは他人を喜ばせることでできていると知りました。
 当時は大失敗だと思ったことも長期的にみれば、成功への布石なのかもしれません。

 これらのことから、ミスを引きずらないようにするためには、目の前に見えている視点だけで良し悪しを判断しないことが大事だということが学べます。

 単に良し悪しを決めるな!と言われてもどうしたって判断したくなると思いますが、今回ご紹介した話を踏まえて受け止めると実践できるのではないでしょうか。

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 忘れてはいけないのは、目の前のことは良いか悪いか判断はつきにくいので一喜一憂してはいけないものの、起こっている状況をただ呆然と眺めるのではなく、逆境を順境にする努力、順境を逆境にしない努力が大事だということです。

 私は、2週間に1回周期で仕事の振り返りをしています。上司の力をお借りして2週間で学んだことや得られたこと、失敗や成功について一緒に振り返り、それぞれの経験から次にどう活かすかを話し合うのです。
 
 上司を巻き込むことで、自分の視点だけでは気づかなかった視座から振り返ることができるのでとてもおすすめです。私が失敗だと思っていたことが上司からしてみれば意外に良かった部分があったり、上手くいっていたと思ったことがそうでもなかったと気づくことができるので、学びを高解像度で持ち帰られます。

 まずは、話しやすい上司や直属の上司とランチの時間にでもはじめてみてはいかがでしょうか。

■参考
今回ご紹介した話に関連する書籍等です。

・平成27年度近畿大学卒業­式 山中伸弥先生のスピーチ


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