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俺と師匠の情熱seitai life 始まりの始まり 2

3年前。とにかく絶不調だった。

以前一緒に働いていた店の店長がお店を出したいのでお金を貸してほしいと言われた。かなり信用していてどこの店舗でも続かなかった自分に、本当に面倒みてもらったのもあり、「この人の為なら」と自分の利益も含めて軽い気持ちで300万貸した。

ところが全然貸した金が回収できない。痺れを切らして問い詰めると闇金にまで金を借りていて俺に返す金がないという。貸した金は前々からあった借金の返済に使っていたらしい。

沢山エグい人間はみてきた。誰でも欠点も良い所もある。だけど、とてもそんな人には見えなかった。まさかあの人が…。と人間不信になったほどだ。

突然そいつの店は無くなり、冷たい質感の封筒が届く。自己破産ということで本人に連絡も取れなくなり、貸した金は返ってこないと無機質にかつ淡々とそいつの弁護士から告げられる。回収できたのは80万ぐらいだろうか?

頭に血が上り、血の気が引くのを繰り返す。骨折して入院したりで仕事ができなかったため貯金も無くなる。俺の店、生活は自転車操業の破産寸前だった。

生活と未来に余裕が欲しくて、とにかく1秒でも早く不安から逃れたかった。そんな状況では仕事も上手くいくはずがない。

家、車のローン、広告費、税金は非情にも毎月続いていく。

当時の俺の整体業での売上は月平均30万前後。安定しているわけでもない。2人目の娘ができて、嫁さんも仕事を辞めたばかりだった。



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