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ラジオというインフラ

ラジオという媒体

インターネットが主な情報収集の場になった今でも、ラジオという媒体は根強い人気を保っている。インターネットで聞けるようになったという側面もあるけれども、その価値は変わらない。

映像としての魅力

一つには、映像の魅力がある。音声だけの世界は、時として実際の映像以上に我々のイマジネーションを喚起する。料理をしながら、運転をしながら、仕事をしながら、音声だけの世界は、その空間に彩りを与えてくれる。

今でもコアなファンがいるジャンルに、ラジオドラマがある。音声だけだからこそ描ける物語がそこにはある。効果音やBGMと相まって、複雑な人間の心情や、美しい景色を喚起させてくれる。

言葉の魅力

また、多くのラジオファンが抜け出せないのが、トークの魅力だ。ラジオパーソナリティの密度の高いトークは、テレビでは考えられない。一人の人物がひたすら語る、という展開は、テレビでは稀だろう。

人は、誰かの語りにひたすら身を任せていたいという欲求があるのだと思う。内容を聴くともなくきいていると、心地よい気分になってくる。

思いもよらない言葉がふと耳に残ることもある。言葉の魅力が凝縮されているのが、ラジオトークの魅力だ。

この展開は、テレビやネット動画でも採用され、ラジオ番組形式の配信も人気があると思う。その先に、YouTubeライブやツイキャス等の個人単位での配信がある。

音楽の魅力

一方、音楽の魅力もまた、欠かせない。ライブ映像で楽しむ良さもあるけれども、ラジオ番組で取り上げられる音楽は、もっと雑多で多彩だ。

最新リリースのアーティストの楽曲や有名な曲だけではなく、知る人ぞ知る曲もまた、存在感を見せてくれる。ラジオだからこそ取り上げられるジャンルも多いだろう。

意外にクラシック音楽やラテン音楽といった歴史の長い音楽は、テレビでは取り上げられないが、ラジオでは取り上げる機会も多い。

ラジオというインフラ

ラジオはこのように、ラジオだけが持つ魅力にあふれた媒体である。しかし、それだけではない。ラジオは、インフラとしても機能する。

災害が起きたときに、最も安定して情報発信しやすい媒体は、ラジオだと思う。電気が使えなくても、Wi-Fi環境がなくても、ラジオは使うことができる。

つまり、ラジオさえあれば、様々な情報だけではなく、映像、言葉、音楽といった魅力も伝えることができるのだ。

災害が起きたときに、必要な情報はある。避難情報や被害状況といった、命に直結する情報は大切だ。しかし、状況が停滞している時には、ラジオの他の機能が必要になっていく。

例えば今、新型コロナウイルスに関わる様々な情報が必要だ。しかし、状況が停滞している今こそ、映像や言葉、音楽の魅力が人々の支えになると思う。辛い中にこそ、生活に彩りが必要なのだ。

そういった点で、ラジオの担う役割は大きい。非常時のインフラとして、ラジオには、情報を伝え、生活に彩りを与える役割があると思う。

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