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4月24日 - クオモNY州知事の会見


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統計

入院しているコロナ感染者の数の推移

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入院者数の1日あたりの増減

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人工呼吸器を必要とする人の1日あたりの増減

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1日に入院する人の数

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過去1週間の死者数の推移

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問題

下降の傾向は明らかになってきたが、問題は、これがどれくらい速く減っていくのか、そしてどこまで下がるのかということだ。

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ある予測は入院患者が5,000人くらいまで下がって、それが続くだろうという。

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別の予測は、6月くらいまで下がり続けて、そこから停滞するという。

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変数はなんなのか?それは私たちの行動です。どれくらいソーシャルディスタンシングを実行しているか、どれくらい検査をするか、どうやって再開するか?

あなたがこれらの質問に答える。それが今後どうなるかを決定するのです。

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例えば、もしあなたがもう十分だ、うんざりしたと言って、今すぐ再開したらどうなるか?

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そしたら、こうなるのです。今まで私たちがやってきたことは全て無になります。あっという間にウイルスは戻ってきて、しかも以前よりさらに感染を拡大する。これが専門家の予測なのです。

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そして、第二波が来ることも考えないといけないのです。まだ、ゲームは終わってないのです。ハーフタイムなのです。

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私たちは真実を認め、教訓を学んだか、それを今確認したいと思います。同じ過ちを犯してはいけないのです。

教訓

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これは私たちにとって、最初のグローバル・パンデミックです。ビル・ゲイツはこの可能性を語っていました。オバマ政権もこのための準備をするべきだと言ってました。しかし、常にアカデミックな議論に終わっていたのです。

実際に起こったら、それがどんなものか、今私たちは知っています。もうアカデミックな話題でも、テーブルトピックでもなくなったのです。

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実際、何が起こったのか振り返ってみましょう。

去年の11月、12月頃には、中国でウイルスのアウトブレークがあったことを知りました。ただ、ニュースや新聞で知っただけです。

1月26日:ワシントン州とカリフォルニア州で最初のコロナウイルス感染者が発見されました。

2月2日:中国からの渡航禁止が始まりました。

3月1日:ニューヨーク州で最初の感染者が確認されました。

3月16日:ヨーロッパからの渡航禁止が始まりました。

3月19日:ニューヨーク州のロックダウンが始まりました。最初の感染者の発見からロックダウンまでは11日。これより早く実施した州は他にありません。

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研究者たちは今やっと以下のような報告に到達しました。

●このウイルスはイタリアで2月には広範囲に拡がっていた。

●2月の時点で、既にアメリカでは28,000人が感染していたと推定される。その中の1万人はニューヨーク州であると推定される。(注:ニューヨーク州で最初の感染者が確認されたのは、3月1日。)

●ニューヨーク州のコロナウイルスは、中国から来たのではなく、ヨーロッパから来たことが確認された。

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コロナウイルスの拡散が始まった1月からヨーロッパからの渡航禁止が始まる3月中旬まで、13,000便がヨーロッパからニューヨーク地域に到着し、220万人がヨーロッパからやってきたのです。(ニューヨーク地域というのは、NY州内のジョン・F・ケネディ空港とラガーディア空港、及びニュージャージー州のニューアーク空港)。

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つまり、中国でアウトブレークが始まった去年の11月、12月から、2ヶ月後に米国は動き出したのです。

ウイルスが我々が準備できるまで2ヶ月間、中国で待機していたと思いますか?

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馬はもう納屋を出ていたのです。

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研究者の言葉を借りると「イタリアからニューヨークにやってくるフライトの数を知っているだけに、それはまるで恐ろしい列車事故が起きるのをスローモーションで見ているようなものだったのです」。

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玄関を閉めて(中国からの渡航禁止)、裏口を開けっ放しにしていたのです(ヨーロッパからの渡航)。

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教訓はなんでしょうか?

それは、

ある場所のアウトブレークは、全ての場所のアウトブレークだ

ということです。今日、中国でアウトブレークがあれば、ウイルスは飛行機に乗って翌日にはニューヨークに着いているのです。

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グローバル・パンデミックを警告するのは誰の仕事でしょうか?トランプ大統領はWHOの仕事だと言いました。これを問うのは正しい、なぜなら、あまりに不十分で、あまりに遅かった(too little too late )からです。いったい何が起こったのか調べましょう。また同じことが起きないように。これはまた来る可能性があるのです。

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コロナウイルスの寿命

コロナウイルスはいったいどれくらい生きているのか?

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●プラスティックやステンレス・スチールの上では、最大72時間
●段ボール箱の上では、最大24時間
●銅のような材質の上では、最大4時間
●空中に浮かぶ飛沫の中では、落下するまでの最大3時間

無症状か、ほどんど症状がない感染者もウイルスを拡散する。

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財政

今週、財政報告書をまとめなければいけない。コロナに襲われる前は、NY州の財政状態は非常に良かった。政府支出は低く、NY州の税率は私が就任して以来、最低の水準です。

ところが、ビジネスがほぼ停止し、133億ドルの歳入減少の見込みです。

どうするか?州は破産すればいいと言う人がいる。このバカバカしい考えのの道徳性、倫理、愚鈍さ、卑しさ(morality, ethics, absurdity, meaness) をちょっと横に置いて考えてみよう。

法的に言って、州は破産宣言をできない。州を破産させるためには、まず連邦法がそれを許さなければいけない。だから、そんな法案を議会に通して、大統領に署名させればいい。

マコーネル上院議員!それがあなたの提案なのだから、やれるもんなら、やってらいい。州に破産することを許可する法案を議会で通して、トランプ大統領の前に署名してくれと持っていけばいい。この国は経済破綻すると言うシグナルをマーケットに送りたいんですか?

やれよ!

歴史上、これは初の出来事になる。いくつの州があなたに挑戦するか見ものだ。私はする。自分の言ったことを信じてるなら、自分の確信を維持する勇気があるなら、自分の言葉を守る男なら、その法案を議会に通しなさい!もし政治ごっこをしてるのではないなら!どれだけ時間がかかるか見てやるよ!

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不在者投票

選挙が6月にあるが、自分の健康と投票の間でどちらかを選ばなければいけないのはおかしい。だから、投票所に行かずに投票ができるよう行政命令にサインした。

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先を見据えて

検査はますます拡大していきます。暖かくなってくるので、外へ出る人が増えてくるでしょう。でも、感染が広がらないように注意しないといけません。ソーシャルディスタンシングはまだ維持する必要があります。

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私たちは単に再開して、元の場所に戻るのではありません。もっと良い、もっと賢明なところへ戻るのです。

私たちが今考えているのは、

もっと良い医療保険システム
もっと良い交通制度
もっと賢いテレメディシン(遠隔医療)
もっと賢い教育でのテクノロジー利用

などです。

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この後、すぐに質疑応答に入らずに、危機の時にこそ人間性が現れる話を始めた。この話題をクオモ知事はよく出す。良い部分が拡大して出てくる人もあれば、悪い部分が出てくる人もあると。

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その後、手紙をもらったと言って、読み始めた。

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手紙の内容は、以下のようなものだった。

あなたはとても忙しいと思うので、これを読んでもらえるとは思ってません。私たちの国は今、危機にあります。
私はカンサス州の北東部に住む引退した農民です。妻と二人で生活しています。妻は肺が一つしかなく、残ってる肺も時々問題を起こします。糖尿病も患っています。二人とも70代です。率直に言って、私は妻のことが心配です。
まだ現役の農民であった頃に使っていたN95マスクを私は5つ持ってます。一度も使ってない新品です。4つは私の家族に取っておきますが、もし可能なら、このマスクを一つ、あなたの州の医師か看護師にあげてもらえませんか?
どうかこれからも、大変よくやっておられるお仕事をお続けください。
デニスとシャロンより

彼はこれに続いて、”これが人間性が出る瞬間だ。あなたが、マスクを5つ持ってたらどうしますか?彼は一つニューヨークへ送ってきた。医師と看護師を助けるために。なんて美しいんだろう。これこそ愛、勇気、寛容の精神だ。これが私にとっては、全ての醜いものを補ってくれる。これがこの国を美しくするものなんだ”と話していた。

党派政治に明け暮れる薄汚い上院議員に激昂していたクオモは、これで明らかに落ち着きを取り戻していた。

最後に、このマスクは私がもらう、と言って、質疑応答に入った。

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この会見はここで見れます。


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