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第12回 あなたの大切な強みを封印していませんか?


強みとは、あなたが当たり前にできてしまうこと。
なぜかそう行動してしまう、なぜかそう考えてしまう、なぜか分かってしまう―。
強みとはまるで冷蔵庫の電源のように常にスイッチオンになっていて、自分では簡単に電源を切ることができないもの。
だからこそ、時に、無自覚に発動して、周りを困惑させてしまうことがあります。そのときのことが痛みの記憶となって、あなたの大切な強みを封印してしまっていませんか、という話です。

以前、こんなクライアントさんがいらっしゃいました。Aさんとします。
Aさんは、物事を進めるとき、いろいろな進め方の中から、どの進め方が一番目的に合った最善のルートかが何となく分かるそうです。なぜ分かるか、と聞かれても分からないけれど直感で分かるのです。これ、ストレングスファインダー®でいうところの「戦略性®」という資質です。とても素敵な強み。でも、Aさんは、それは特に強みとも思っておらず、みんなそういうものだと思っていたそうです。
Aさんは、その性質を無意識に使って、仕事をスムーズに進めていくことができていました。ただ、一人で仕事をしているときはそれでよかったのですが、何人かでチームを組んで仕事をすることになったとき、これまでと同じように、その「戦略性®」を無意識に使って進めていると、周りに
「なぜ、その進め方でやっているのか?」
「その方向性でやろうとする根拠は何なのか?」
などと困惑され、チーム内にちょっとした混乱を引き起こしてしまいました。Aさんはその周りの反応を見て、「そうか、この自分の進め方は、みんなを困らせてしまうのか」と深く反省し、自分が勝手にいいと思ってやっているやり方は、本当はよくないもの、だから、もうこれからはそういう仕事のやり方はやめよう、と自分のその「最善のルートが分かる」という性質を封印してしまったのです。

その後、私とのコーチングのときに、そのルートを見抜く力は、Aさんならではの強みであること、周りにはそのルートは分からないことを伝えると、非常に驚いていました。なぜなら、その「分かる」ということはAさんにとっては当たり前のことであり、かつその力を使うと周りが混乱するので、使わないようにしていたからです。とはいえ、今までのうまくいった仕事を思い返すと、その無意識の力をいかんなく発揮していたのです。
Aさんはそれが自分ならでは強みだと知り、安心するとともに、これからは、積極的に使おうという気持ちになりました。

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わたしの経験上ですが、その人の強みが、何らかの痛みの記憶を伴うことが往々にしてあります。無意識にやって誰かを傷つけてしまった、突飛すぎて周りに受け入れてもらえなかった、自分で自分を追い詰めてしまった・・・

もちろん、わたしにもあります!わたしの持っている「最上志向®」という資質は、良いものをより良く、さらに最高レベルに引き上げたい、と願い、実際に引き上げていくのですが、これ、わたしにとっては、自分の“ベストオブ厄介”(笑)な性質の一つだとずっと思っていて、これに結構苦労させられてきました。これがあるがゆえに、なかなか自分のクォリティに満足できなかったり、他の人が、そこそこのクォリティで完了させているのを見て、「なぜそこで満足してる!?」とイライラし、時に「もっと真面目にやりなよ」的なことを指摘したり(注:相手は真面目にやっていないわけではなく、わたしが勝手にそう思い込んでしまっただけです)。そうすることで傷つけてしまったことも何度となく(涙。ちなみに、これは「最上志向®」をもつ人みんながこういうことをするわけではなく、わたしの他の性質と組み合わさって、こういう思考、行動になっています)。だから、この性質は、ストレングスファインダー®で、強みなのだと知るまでは、なるべく発動させないよう、発動させないよう、自分の中で「ねじ伏せている」感覚がありました。
でも、これって強みだった!そもそも物事の良い点、人の長所が分かる。そこを磨き上げることに情熱がもてて、さらによりよくすることで、もともと持っているその人や物事の可能性を最大限に引き出すことができるというわたしのステキな強みだったのです。

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強みは、言ってみればパワーです。それゆえ、人が何らかの強み(=パワー)を発揮するとき、必ず周りに影響を与えます。
それがいい影響のとき、それはまさしく、“強み”として機能しているわけですが、もしその影響があまりいい影響ではなかったとき、わたしたちは実はとても傷つきます。わたしがそのパワーを発揮することで周りに迷惑をかけてしまう、これは自分のよくないところだ。それであれば、もうこのパワーは使わない・・・、そんな風に思ってしまい、それ以降、そのパワーを封印してしまうことがあるのです。

でもそのパワーこそ強みであり、正真正銘のギフトです。天があなたに与えたもの。
だから、封印なんてしないでほしい。もっているものを存分に使ってほしい。

そのために大事なこと。まずはその自分のパワーに伴う痛みを癒すこと。そんなつもりじゃなかったのに、人を傷つけてしまって、もちろんその相手には申し訳なかったけど、自分も傷ついたね。そういう望まない結果を起こしてしまって悲しかったね。残念だったね。そうやって存分に嘆く。そうすることで、その傷を癒す。(実は、この「嘆く」をしていない人が多いです。悲しかった、残念だった、そういうときはまずは存分に嘆きましょう)

そして、今度からは、そのパワーを“強み”として、意図して使いましょう
自分は、何となく、こっちの方向がいいと思うけど、何の説明もなしにその方向に行ってしまってはみんなが混乱する、ということを自覚した上で、周りに何らかの説明する、時に、孫氏の兵法?なんかもちょっと引用しながら、こじつけでもいいから説明すること。そうしたら、みんな安心してそちらの方向に向かうことができます。
よりよくしたい、そこに向かう気持ちはわたしの大切な強み。でも言い方を考えなければ人を傷つけてしまう。だから、伝え方について学ぶ。

これからの時代、一人ひとりの強み、パワーの発揮は本当に大事。それなくしては、この時代は乗り切れない、そのくらい切実にそう思います。混迷を極めている今だからこそ、一人ひとりが、自分の強みを発揮して、お互い協力し合い、お互いの強みを借り合う“相互依存”をしながら、組織、会社、社会、世の中をよりよくしていきましょう。

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