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応募して損をすることはまずないので、絶対に応募した方がよい MSR Intern

#MSRアドベントカレンダー 11日目(ギリギリ間に合った!)

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こんにちは

いまから8年ほど前、2012年の2月〜5月にMcirosoftでインターンしていた竹岡義樹です。現在はAdobeでプログラムマネージャーという開発と企画のような仕事をしています。出身研究室のつながりで、MSR インターン卒業生の樋口さんにお声がけいただいて、アドベントカレンダーに参加しました。

ちなみに、自分のインターンはMicrosoft Researchではなくて、Microsoft本体の研究開発部門のASG "Applied Science Group" のResearch Internでした!

2011年頃のApplied Science Groupの雰囲気のはこんな感じ

応募した方が良い理由


結論から言うと、MSRのインターンはオススメです。まずは、応募しましょう。英語とか、MSの人とのネットワークとか、Alumniのネットワークといったものはあとからついてきます。

Alumniはアカデミックの研究者の方が多いので、『MSRのすばらしい研究環境』を話される方が多いと思います。しかし、自分は研究者ではないので、そういう語りはできません。ごめんなさい。アカデミックな人というより、就職したい人(開発関係?)の人むけかもしれません。

よく考えたら、そもそも僕はMSR(Microsoft Research)のInternではなかったw

ただ、社会人として8年たち、いくつかの職場(会社)を経験した中でダントツによかったのはMSR(Microsoft Redmond)です。もちろん、自分の経験したどの職場もそれぞれ素晴らしかったのですが・・・研究開発という点から見てMSRは最高でした。
自分はインターンに参加してから10年たちますが、10年たった今でも『いつかまた働きたい理想の環境』と自信を持ってオススメできます。

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オフィスから駐車場までに移動する道でのワンシーン、奇跡的に虹がかかっていた。

MSRは何がすごいのか

MSRは、『人材(研究者)』『設備』『組織』どれをとってもすごく、超一流の職場なので、経験が損になることは全くありません。また、インターンでの研究(開発)の経験は社会人になっても充分に活用できます。

人が一流:

言わずもがな、世界中のトップの人が集まって来る場所です。出身、国籍、言語は全く関係ありません、ただひたすら『(自分の作るモノが)どれだけすごいか』を語りましょう。

プロセスが一流:

一人でもプロジェクトを進められる優秀な人が多いかと思いますが、メンターや周りのチームメイトも同じぐらい(もしくはそれ以上に)優秀な人ばかりです。困ったら、メンターやチームメイトを頼りましょう!一人で完成したプロジェクトは『すごい』と思いますが、周りの人に手伝ってもらえば『超すごい』ものになるのは間違いありません。

カルチャーが一流:

助けを求めるのは、(英語なども含めて)なかなかハードルが高いと思いますが、『実現したいこと』『足りないこと(助けを求めていること)』をきちんと伝えてえることができれば、だいたい助けてくれます。英語ができる・できないは些細な問題にすぎません。困っている人を助ける(そして自分が困ったら助けてもらう)というカルチャーが根付いています。

メンター・マネージャー・チームメイトが最高に良い:

当時のメンターはTim LargeでWedgeというジェスチャ認識センサーを開発していた方でした。Timは非常に優しいメンターで、彼とゆっくりプロジェクトについて相談できたのが本当に良かったです。あと、当時はResearchのメンバーは多くなくて、論文執筆の活動にフォーカスしている感じはあまりありませんでした。

他にも、インターン中に特に印象に残っているのは二人、MITから来たJinha Lee(現在はSpatial創業)と当時Director(現Fellow)Steven Bathicheです。

私は自身の研究をしながら、隣の席のJinhaのTechFesの展示も手伝ったりしていました。Jinhaはエンジニアというより、アートな感性が強いビジョナリストで、チームを巻き込むのが大変うまかったです。

Steveはストーリーテラーという感じでしょうか。TechFesでの、Steveのトークがすごすぎて、TechFesの展示が終わった後、ResearcherのMoshe Lutzに『Stevenがイケてるプロジェクトを話すと、超イケているプロジェクトになる。僕は英語がうまくないから、その理由をうまく説明できないけど、彼は超すごいと思った』と話したのを覚えています。


Steven、Tim、MosheがASGの活動を紹介しているビデオがこちら!

すごいことは、まだまだたくさんある

まだまだ挙げるとキリがないですが、応募しましょう!
今すぐCVを書きましょう!英語で!

インターン中にやったこと

インターン先のASG:Applied Science GroupはMSの中で、Hololens, Kinect, Xbox, Keyboard, Mouseなどのハードウェアの研究開発を行っている部門です。といっても製品化のスケジュールが決まっているのではなく、数年〜十数年後の実用化を目指して研究しているような感じです。

自分はインタラクションやユーザーインターフェースといった研究がメインでしたが、『プロトタイプの開発から製品化までに必要な全てがそろっている』といました。メンターのTim Largeは(レンズなどの)光学系の専門家でした。MSはソフトウェアエンジニアリングが強い印象がありますが、ASGではソフトウェアエンジニアの他にも素材/マテリアル、電気、機械など、かなり幅広い分野の専門家が集まっていました。

当時はハンドジェスチャーとペンを用いたインタラクションを研究していました。インターン中、自分はほぼコーディングしかできなかったので、プロトタイプ様のハードウェアの開発の際にはメンターのTimや電気系のエンジニアのチームメイトなど、多くの人のお世話になりました。

自分はASGのラボであるEdison Labでコードを書いたり、プロトタイプを作ったりしていました。組織は違うけど、『LabでReseachしていた』という点ではResearch Intern ですね!
インターン当時のEdison Labはこんな感じでした。

現在の Edison Lab はバーチャルツアーで見学できるようです。


シアトル・レドモンドでの生活

資金

インターン中の給与は日本の国内の新卒の3倍ぐらいです。なので、生活には困りません。詳細はGlassdoor などで見てください

住環境

住環境もすばらしく、キャンパス内の1LDKのアパートホテルで人生初の一人暮らしを満喫しました。(もしかしたら、インターンが少ない時期だったのでルームメイトがいなかっただけかもしれないです。)

ちなみに、新卒で入った会社の独身寮は『築40年超の4畳半・風呂無し』でした。楽しかったけど。

キャンパスの内のホテルでしたが、キャンパスは広大でホテルからオフィス(Studio B)までは徒歩23分程度です。歩くにはちょっと遠いし、寒い。だけどバスに乗るには短いということで、車を借りていました。免許はあった方が良いです。

他にも、シアトル近郊の公共交通機関(バス・トラムなど)の乗り放題チケットがもらえます。研究活動の合間をぬって、観光に行くのも楽ちんです。ダウンタウンは道が混むのでバスの方が便利でした。

通勤など

勤務先のオフィスはStudio Bでした、MSRのあるBuilding 99 とは道を挟んで反対側です。反対といっても、徒歩10分ぐらい離れているので、他のMSR Internの人には知られていないかも・・・。

徒歩では20分ですが、車では3分の通勤は楽ちんでした!

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サッカー(アメフト)スタジアムのMicrosoft Commons の地下駐車場、朝が早い時間なので、車が少ない。

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1フロアに1000台ぐらい入るぐらい大きかったw。地下4階まで全部駐車場だったので、 朝8時頃・午後5時頃は駐車場の通勤ラッシュがすごかったです。

観光・息抜き

キャンパスの中のホテルだったので、文字通り一日中キャンパスライフを満喫していました。ただ、季節外れの2月のインターンだったので、周りにインターンの同期や日本からのインターンはおらず、常にひとりぼっちでしたw。

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よくジョギングしていたキャンパス内の遊歩道。キャンパスというより、『森』。暗くなると危険。

インターン中は遠くまでの観光とかはできなかったのですが、車があったので、Boeing's Everett factory の工場見学ツアー “Boeing Future of Flight“ は何度も行きました。工場とか飛行機が好きなので。

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応募するきっかけ

応募したいと思って公野さんに相談のメールを送付したのが、2010年の12月16日(修論が忙しくなってきた頃)・・・10年前の今頃で、実際に応募した(MSRのインターン応募のWEBフォームをポチッとした)のが2011年の7月頃でした。

修士1年の就活は準備から選考終了まで約3ヶ月で終わったけど、MSRインターンの選考は準備に7ヶ月・選考に5ヶ月なので、就活の4倍、約1年超ぐらいの時間がかかった。

当時はMSRの『グローバルプログラム』というものはなくて、通年で応募を受け付けていました。WEBフォームにCVのファイルと推薦者の方の名前を登録するだけだったように思います。
確か自分が応募した当時は日本からMSR Redmondのインターンへ応募した人はあまりおらず、同時期で応募した知り合いはいませんでした。なので、インターン中も、他の日本人インターンと会うことはありませんでした。

実は私の最初のトライは修士2年の夏のMSRAインターンへの応募でした。しかし、インターンの時期が修論執筆前のタイミングと被ってしまい、CVを提出した後に(書類選考の結果も来ていないのに)辞退するという事態になってしまいました。本当に申しわけございませんでした。これは、指導教官だった暦本先生のつながりで、MSRA University Relations(当時)の公野さんのMSRAのインターンの募集などのメールが研究室のMLで紹介されていたのがきっかけです。

その後、修士で発表した学会で、MSR(現Facebook)のHarajove Benko氏にお会いしたのがMSRへの応募のきっかけになりました。もちろん、面識は全くなく、私が一方的に知っているだけでした。そんな蜘蛛の糸のようなつながりでした。

いや、よく考えたら、MSRの人とは全くつながっていない・・・

勇気を出して質問したときに、氏からインターンのお話を聞いたのが最初だったと思います。(最終的にはMSRのBenko氏のチームではなく、ASGがインターン先になりました。)

なぜMSR Internに応募したのか

応募したのは、修士が終わった後の博士課程1年目です。あまり成果が出ず、だんだんと研究などに焦っていた時期です。博士を続けるか、就職するかかなり悩んでいた時期だったのですが、「せっかく博士課程にいるのだから、博士課程でしかできないことをしよう」と思い立ち、「せっかくだから、世界で一番いいところで研究しよう」というかなりどうしようもない、結構ピュアなそして、ミーハーな動機で応募しました。

まさか、受かるとは思っていませんでした

アカデミックな分野で活躍されている他のAlumniの方のような『研究テーマを極めたい、勉強したい』というモチベーションは、受かった後で湧いてきました。さすがに、ミーハーな気持ちだけではインターン期間中のサバイバルができないと思ったからです。

選考プロセスについて

修士の学会に参加した後、(といっても学会から半年後ぐらい?)にアプリケーションを提出しました。提出した後にMSRのBenko氏、MSRアカデミックリレーションだった公野さんにフォローして頂きました。
2011年の7月頃に応募して、オファーをいただいたのが2011年の12月。5ヶ月ぐらいの長期戦でした。応募した後、書類審査の進捗について何度かpingしたりして、Skype面接をしたのが10月、11月頃だったと思います。

(応募した時期は就職も考えていたので)アメリカの会社のCoding interview、Skype面接も何度か経験しており、それほど困りませんでした。通常の就活と同様にGlassdoorで面接の質問とかコードの問題を見たりして準備していましたが、MSRの面接では全く聞かれませんでした。

コーディングテストなどは全くなくて、『何をやりたいのか』『これまでどんなことをしてきたのか』しか聞かれなかったので、少し拍子抜けしたような感じもしました。

インターンと現在の仕事とのつながり

MSRでのインターン後、東京のMicrosoft Developmentでもインターンさせていただきました。最終的には、博士課程を中退し、国内の電機メーカーのエンジニアとしてキャリアをスタートしました。MSRでのインターンもしたのに、博士課程をやめてしまった理由は、『研究』よりも『使ってもらう』ほうが、自分のモチベーションがあがるからです。

なぜか東京にもどってきた

あと、インターン前は海外(もといアメリカ)での就職を目指していたのですが、インターン後は、『日本国内で就職したい』という気持ちが強くなっていました。二十代の自分は東京の『何でもある』感じになれすぎていて、アメリカ(というかシアトル・レドモンド)の『のんびり・ひろびろ』した雰囲気はどうしても馴染めませんでした。なので、日本(東京)に本社があって、いろいろできそうな会社に就職しました。

自分の体験した新卒の職場も、前職の職場も、今の職場は全て、『世界を変える・人を動かすプロダクトを作る』というのを目指していますが、それはそう簡単な事ではありません。

どんなアイデアも『モヤモヤと考えていることを形にする』ことから始まると思うのですが、仕事の進め方やチームとしての協力体制など、MSRでの経験が活かされているのは言うまでもありません。

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実は、最初のバッジの写真は東京でインターンしたときの写真でした。MS Redmondインターン中のバッジはこちらです。MSでスーツを着て仕事をしたことはありません。

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