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【昔話】同窓会Ⅱ






3人の話はまだまだ続く。


B:「Aも大変だったんじゃないの?」

A:「まあそうだなー、今だに左目は見えなくなったままだしなー」

B:「そいえば、どうして目怪我しちゃったんだっけ?」

A:「街を歩いてた訳、そしたら綺麗な女の人がいて声かけて家に来てもらおうとしたの。一目惚れしちゃってね。そしたらその脇からすっごい小さい男が現れてさ、もう大喧嘩よ。あまりに小さいし、俺も腹立ってたからそいつの事つまみ上げて、食べてやったのよ」

B:「怖いことするねー、お腹壊しそう」

A:「でも丸呑みだよ?でも言うとおりなんだよ。そいつ針持っててお腹の中ですっご位暴れて、針を刺しまくるんだよ。痛いったらないんだよ。出口はどこだーって暴れてね、どっちに進んでも出てこれるぞーって教えてあげたんだけど」

B:「優しいところあるんだね、どっちから出てくるかで大分意味合い変わってくるけど」

A:「針ぶすぶす刺すから、痛すぎて吐き出したんだよ。今度は踏みつけてやろうと思ったけどすばしっこくてさ、針持って飛びかかってきたんだよ。そんで俺の左目をブスリよ、すぐに眼科に逃げ込んだんだけどね、もう治せないって」

B:「なにそれヒドい話だね、でも何で家に来てもらおうとしたの?ナンパってお茶しませんか?とかじゃないの?」

A:「違うんだよー、地元の習わしで嫁に貰うときは自分と同じ位の背丈にしないと結ばれる事は許されないって決まってて、ほら俺らってデカイじゃん?」

B:「だからって何で家なのよ」

A:「打出の小槌っていって、人を大きくする為のトンカチがあるの。それを使って大きくしようと思ったんだよ。だけど結局針を持った小さい男に、俺が眼科行ってる間に奪われてた」

B:「それで、結局どうなったの?」

A:「最終的にはその男が打出の小槌使って大きくなって、その子と結婚して今も幸せに暮らしてるんだって、なんか最初からその男は大きくなる為に絡んできたらしい」

B: 「へーー、偶然あんたに会ったにしてはタイミングいいね」

A:「綺麗な女性には声掛けるだろうって女の子の服に隠れて、ずっと待ってたんだって。女の子もそれは知らなかったみたいなんだけど、突如現れたヒーローにときめいたって。男はそれも計算の上でその子にくっついてたみたい」

B:「なんか、いい気はしないけどなー、手段を選ばないというか、、」







C:「自分がうまく行くなら手段を選ばない、鬼みたいなやつだな」















そしてそろそろ宴もたけなわ、いよいよ同総会もお開きへと向かっていく、、、

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