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東大を出たけれど15「字牌単騎」

 今更、といった感はあるが、待ちを広くしてツモ和了ることは、もはや現代麻雀の基本として広く認識されている。
 ただ、こういう現代のゲーム性への移行以前に、河に迷彩を施したり、思いがけない待ちで出和了りを拾ったりするのが流行ったのは、人間が本来持つ性質に因るところが大きいのだと思う。
 釣れる待ちで相手から点棒をもぎ取る、そこにある種の優越感や征服感を満足させる側面が、人間には確かにある。
 その夜は牌も馴染んで好調に和了りを重ねていた。親でも早々にこの形。
一二三赤五六12345678 ドラ①

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