「ミステリと言う勿れ」 私が整くんにあまり嫌悪感を感じなかった理由（あるいは多くの人が嫌悪感を感じる理由）はこれなのかも
「ミステリと言う勿れ」、原作漫画を読んでいて自分は好きなのだけれど、整が「ポリコレアフロ」と揶揄されてるのを見て以来、「ああ、こういう価値観を肯定されたいという己の欲望を満たすポルノとして、僕は本作を消費してるのかな」と感じて、素直な気持ちで読めなくなってしまった感がある。
— Piro🎉"ｼｽ管系女子"累計4万部突破!!🎉 (@piro_or) January 13, 2022
「想定を超えた刺激を与えてくれる娯楽として面白いから好き」
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なのか、
「自分の満たされぬ感情を慰撫して甘やかしてくれるから好き」
なのか。自分の中で判断が付かないでいる。
それらは綺麗に分けられるものでもなく、1つの作品に両方を求めていることは当然あるのだけど、後者の接し方の比重が高いと、ポルノ的消費の仕方をしてる感が自分はある。
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「ミステリと言う勿れ」の主人公がポリコレアフロみたいに扱われてることに違和感を感じるので、自分から見た「久能整」について説明します - 頭の上にミカンをのせるhttps://t.co/ehVjy00ToV
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主人公像の分析を読んで、もう一回頭から見返した方がいい気がしてきた。
8巻を読み返してみた所、なるほどそういう読み取り方があるのかあと思った。
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僕は表層的な情報しか受け取れないからか、「整がぽつぽつと話し出して、周りの人物は何か不思議な空気に飲み込まれて話を最後まで聞いてしまう」みたいな受け取り方をしてたけど、
これを「他の人が発言する気を無言の圧力で削いでまで、一方的に自分の主観的な主張を、さも事実であるかのようにベラベラと並べ立てている」と捉えると、なるほど整はすごく嫌な奴で対話不可能性を感じる。
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なぜ僕はそう感じていなかったかというと、多分、僕自身が似たタイプだからなんだろうな。
これを「他の人が発言する気を無言の圧力で削いでまで、一方的に自分の主観的な主張を、さも事実であるかのようにベラベラと並べ立てている」と捉えると、なるほど整はすごく嫌な奴で対話不可能性を感じる。
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なぜ僕はそう感じていなかったかというと、多分、僕自身が似たタイプだからなんだろうな。
主観的には僕は、「あくまで自分の主観で、自分の知る限りの情報に基づく考えですが」という前提があった上で、自分の考えを開陳しているという認識でいて、同様に相手も考えをつまびらかにしてくれれば対話できるんじゃないか、と思ってベラベラ言葉を並べているつもりでいる。
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でも、そのように自分の考えを詳細まで開陳「せずにいられない」のがそもそも異常なことであるとか、
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「対話とは相手の考えを取り入れることである」と仮定したときに、相手の考えを取り入れるつもりが（まだ）ないのに、考えをつまびらかにするコストを相手に割かせようとしている（僕がそれを受け入れないなら、わざわざコストをかけて考えを明らかにするメリットは相手には無いのに）とか、
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そういうことの結果として「自分の考えを言語化して語ることのコストが低い人間が、そのコストが高い人に対して、言語化力でマウントを取って物量でボコってる」ということになるのかなと思う。
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自分としては、対面だと、話を聞いてもらえそうな状況でないなら、あまりベラベラ喋らないようにしたいと思ってるけど、インターネットの文字コミュニケーションだと、相手が余裕のある時に読んでくれたらいい（読む気がなければ読まなくていい）と思って、こうして多弁になりがちだという自覚がある。
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なので主観的には、相手に対して「もっと相手にも言葉で説明して欲しいのに、なんで黙って離脱されるの？ 自分でもっと言語化してくれてよくない？ そっちは黙って察しろって、フェアじゃなくない？」と不満に感じたりもする。
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そしてたちが悪いことに、いざ相手が自分より言語化力が高い相手だと（そして相手がこちらのペースに合わせて待ってくれないと）、自分の事を棚に上げて、マウントを取られてるような感覚を持ったりもする。
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そう考えると僕はやはり、「ミステリと言う勿れ」の中の「相手がブチギレもせず黙って話を聞いてくれて、なんか納得してくれて、反論もあんまりされなくて、というシチュエーション描写」を、そのような不満の代償としてポルノ的に消費している、と言わざるを得ないと思う。
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「強い口調・大きい声で、あるいは叫び声で、相手を有無を言わさず黙らせて、言い負かす」描写では、代償にならないのですよね。
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「自分のペースでぽつぽつ話してるだけで、相手がちゃんと聞いてくれる」描写だからこそ、感情が慰撫されエクスタシーを感じるのです。
エクスタシーて。
そういう意味では、「ここは今から倫理です。」「リエゾン」「Shrink」など（教師や医師はそれだけで権威で、強い口調で威圧しなくても話を聞いて貰えるから、似た構図になりやすい）も、同系統のエクスタシーを得やすい漫画かもしれない。
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「鈴木先生」は、似てるけどちょっとまた別の方向性かな。
「キャラクターが作者の思想の代弁者になる系」漫画は、懐かしい物では「濃爆オタク先生」、最近だと「テロール教授の怪しい授業」など多数あるけれど、強い口調で説教する物が多かった印象が個人的にはあったので、このあたりの温度低めの系統は、1つのサブジャンルなのかもしれない。
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Piroさんが私の記事をベースとして、とっても上手に言語化してくれていて助かる。
なんでみんなこのマンガの整くんにそんなにイライラしてるのか本当によくわからなかったけど、それは私が整くんと同じでなんでも思ったことを長文で言語化するのに慣れてるからであって
普通の人はこういう風に語られることがそもそもあまり気持ち良いものではない、というご意見はそうかもしれないと思う。
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