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サステイナブル(持続可能性)とクリティカルシンキング

SDGsという言葉には個人的にはあまり魅かれないのですが、世の中をよりサステイナブル(持続可能)にしていこう、という主旨には賛同します。


先日、娘の小学校長から聞いたのも、今度の指導要領に「持続可能性」や「SDGs」という言葉が入り、学校方針も持続可能性を明確に意識したものにするといった話です。

つまり、全世代に関わる課題として皆が意識するべき、ということでしょう。その通りだと思います。


ところが「持続可能性」という漠然とした言葉から、一人ひとりが何をどうすべきかにまで落とし込むにはまだ距離がありそうです。


私の考える「持続可能性」とは、

 (A) これまであったものややってきたことを、そのままどうやったら維持、継続できるか、を頑張って考えること

をメインに目指すのではなく、

 (B) 刻々と変化する環境や世の中に如何に柔軟に適応、対応できるか

をメインに目指すべきだと思っています。

そしてこの2つの違いは大きい、というか全く違います。また、最初から(A)ありきではなく、(B)の段階を踏んだ上で、現状維持という結論は有りだとも思います。いずれにせよ大事なのは(B)です。


では、(B)をするために何が必要か。

単に”柔軟”になればよいということではありません。適切に(正しい方向で)柔軟になれるか否かがポイントではないでしょうか。

具体的にそれは、

「今何をすべきか」

「これまでやってきたこれは本当にこれからも必要か、重要か」


といった、現状を評価し見直すことができる発想や考えるステップではないかと思うのです。

そのためには、

現状を批判的に(クリティカルに)見る厳しくも適切な目

が入口として必要になります。

これまで日本の社会や学校の中心にあった考え方とは違う面がたくさんあります。そしてそれを学んだり実践したりした経験やスキルを持っている人も多くないと感じています。

それは、先の(A)を目指すことばかりを教えてきた日本の教育や文化にも依るところが大きいと思います(個人の能力の問題ではなく)。


世の中や世界が良くも悪くも大きく変わるタイミングに、そのシフトをするかできるか、が問われている気がします。


多摩大大学院ビジネススクール 『クリティカルシンキング』客員教授

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