70年代のロックギターフレーズを学習させたAI(機械学習)ロックCM曲

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先日コマーシャルの音楽制作をしたのですが、その際AI(機械学習)で生成したギターリフと人間のギター演奏の共演というのはどうか?と提案したところ、いや元々そういう計画だったのかもしれませんが、、、とにかく「それで行こう!」という事になり
「AI生成ギターフレーズ x リアル人間演奏ギター」
で音楽制作をするという非常にレアな(おそらく日本初?)実践をしました。
どんな流れで行ったか?

1・70年代のロックギターフレーズを数十曲機械学習
2・とにかくギターフレーズを生成させる
3・良いフレーズを組み合わせてデモを数曲作成。ベースとドラムは打ち込み。
4・AIギターフレーズをギタリストの方に生演奏してもらう。
5・ギター、ドラム、ベース、その他パート合わせ、AI部分と対比するアドリブ

こんな感じでした。


1・70年代のロックギターフレーズを数十曲機械学習

70年ロックのギターリフを数十曲分学習させました。
AIは和音の構成音、つまり同時発音数が多いのはプログラムが複雑になり対応が難しいので、できるだけ単音のフレーズを選びMIDIファイルにして学習させています。
今回は汎用的な利用は考えなくてもよかった(70年代風ロックギターフレーズさえでれば良い)ので曲数も数十曲、学習回数も実はそんなに多くありません。
苦労したのはエラーが出ない様にデータクレンジング(データのばらつきがない様に整える)事だったでしょうか?
その際、譜割やキーなど、音楽的な事もそれなりに注意してあります。

2・とにかくギターフレーズを生成させる

そのままです。
とにかくたくさん生成しました。
数にして1000フレーズくらいは作ったと思います。
さすがにCM音楽に使用できるレベルになると、それなりのものを用意しないとまずいのでクオリティが一定以上のものだけを選択し残しました。
選ばれたのは2〜30曲なので精度は2〜3%だったと思います。

3・良いフレーズを組み合わせてデモを数曲作成。ベースとドラムは打ち込み。

そしてそのギターフレーズを組み合わせてデモとなる楽曲を数曲作成しました。
ベースとドラムは打ち込みです。
ベースに関してはAI生成フレーズを活かせる様に、目立たない出しゃばらない程度のフレーズにしてあります。
その際のデモ曲を今回は2曲公開するので聞いてみてください。

その他の曲も機会があれば公開します。

4・AIギターフレーズをギタリストの方に生演奏してもらう。

そしてフレーズを演奏してもらいました。
ギタリストは元ムーンライダーズの白井良明さんです。
言わずと知れたレジェンドギタリストですが、生で聴けたのは役得ですね!

良明さん曰く、やはり弾きにくかったそうです汗、、、

人の指使いとかは一切AIは考えていないのでそうなってしまうのもまた然りなのだと思いますが。
その格闘した感じが後半のアドリブ演奏(一応全てAIフレーズをベースにしていただいてますが、人間のパッションとの対比がやはり欲しい曲なので)での弾け方につながってとてもいわゆる”エモく”なったと思っています。

5・ギター、ドラム、ベース、その他パート合わせ、AI部分と対比するアドリブ

あとは他のパートもレコーディングして完成です。
ドラムは元黒猫チェルシーの岡本さんでした。
ドラム、本当に最高でした!
本当にノリがあってエモいドラム演奏。
ファンになってしましました!
イメージ通りに仕上がって全員大満足という感じです。

結論・総評・感想

生成を担当した私がこんな事をいうのはアレなのですが、あらためて人間の演奏、リアルなエネルギーってすごいなと思いました。
ただ、今回それを引き出したのも、AIと共演するというこれまでにない刺激があったからなのかな〜とも思います。
AIか人か?というゼロサムゲームではなく、どの様に活用し、音楽自体をどうやってアップデートさせるか?そんな事がやはり重要だと改めて感じました。
色々な可能性がまだまだあると思います。
これからもどんどん実践研究していきます。



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