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【Lil TJay】 HIPHOPから生まれた新たなポップスター

先日WafflingTVというYoutubeチャンネルにて、Lil TJayの紹介動画を公開しました。その時に作った原稿を、こちらNoteでも引き続き投稿していく予定です。

前編

後編

って感じです。動画の方がわかりやすく説明してます(Yomoya君が色々付け足して話してくれてます)。これからは紹介動画だけでなく、いろいろなコンテンツ配信していくつもりですので、少々お待ちください。

あとチャンネル登録お願いします😊 配信する側になって、ようやくなんでそこまでチャンネル登録にこだわるかがわかってきました笑 これめっちゃ大事ですね。みなさまよろしくです✋ 

コメントは基本的に全部返信してるんで、取り上げて欲しいアーティスト入ればコメントにどんどん書き込んでください! お待ちしております。





Part.1 少年時代からラッパーになるまで


Lil TJayは、ニューヨークはサウスブロンクス出身の18歳。2001年生まれとのことで、高校3年生の年ですね。サウスブロンクスはHIPHOP誕生の地としても知られていて、70年代から90年代は放火やドラッグの蔓延など、政府から見捨てられている土地でした。現在の治安は改善してはいるものの、いいとは言い切れない状況です。そんな土地に生まれたLil TJayは、ストリートに身を置くようになります。10代前半の頃から問題児として育ち、学校はスキップし盗みなどをするようになります。その付け合わせは思っていたより早くまわり、15歳の時に1年間少年院に行くことが決定します。少年時代の1年と言うものは本当に大きなもので、塀の中の生活は彼を成長させます。これまでの生活を振り返り、ノートブックに歌詞を書き溜め続けたことで、1年後には曲はまだリリースしたことはなくとも、ラッパーとしてのキャリアは確実に走り出していました。母親と「もう二度と戻らない」という約束を交わすと、盗みではなくスタジオに足を運ぶように変わっていきました。


Part.2 歌うようにラップするスタイルの確立

何と言っても彼の特徴は歌うようにラップするスタイルですが、このオリジナリティーは曲をリリースし始めることにはすでに確立していました。まずは彼が初期にリリースした楽曲を聞いてみましょう。None of your loveです。

ビートメイカーは、数多くのヒット曲を持つCashmoneyap。ですがあろうことかこの曲、Justin BieberのBabyをそのままサンプリングした形になっているんですね。もちろんサンプリング問題も全くクリアになってないらしいです笑
売れてからポップミュージックなど売れ線の音楽に転身したりすることを「セルアウト」すると言ったりするんですけど、Lil TJayの場合はむしろポップミュージックと積極的に絡んで言ったということになんですね。これにはもちろん理由があります。
Lil TJayが幼少時代に聞いていたのは、HIPHOPではなく、Michael JacksonやUsher、iCarlyなどPOPチャートで上位に上がってくるようなアーティストが多かったそうです。PopStarになりたいという発言もしているくらいです。日本ではあまり見かけですけど、アメリカだとJustin Bieberは熱狂的なファンが多い一方で、過激なアンチが多いことでも知られています。Jusitin Bieberがたとえ好きであっても、公には言いにくい場というところは現実でもインターネットでも同じでした。特に他のジャンルと比べて少し排他的な考えのあるHIPHOPカルチャーで、Lil TJayのような立ち位置を作るのはいい考えではないと思う人もいるかもです。
しかし、彼の場合は逆に大きな反響を獲得しました。この曲はSoundcloudで3000万回近い再生を叩き出します。PopもHIPHOPも好きな人というのが潜在的に多くいたことの証拠でしょう。
そこからのリリースはお見事でした。Brothers、Long Time、Ride for youといった曲はそれぞれ爆発的に再生回数を伸ばしていきます。
このヒット曲を連発をするティーンをレーベルが無視することはなく、多くの声がかかるようになります。弁護士の意見を聞くことなくコインを投げて決めたというめちゃくちゃな方法でコロムビアレコードに所属が決まりますが、これがまた大当たりでした。
ほぼ同時期にレーベルメイトになったPolo Gとの「Pop Out」がHot100でtop10に入るほどの世界的ヒットを果たします。わずか2年ほどでここまで名前を売ったことで、歌うようにラップするスタイルを自分だけのものにしてみせました。


Part.3 さらなる成長を見せたデビュー作『True 2 Myself』


こうしたPopを取り入れ、自分がストリートや少年院で経験したことを落とし込んだデビューアルバムの『True 2 Myself』はかなり完成度の高いものになっております。まずはゲストから見ていきましょう。
R&BからRileyy Lanezというシンガーを引っ張ってきています。彼女は「I’m Leaving」という曲が2019年上半期にバズっていましたね。Youtubeでも400万回再生以上されています。旬なアーティストを引っ張ってくるスピーディーさはさすがです。そして同じくNYから、Jay Critchをフィーチャー。Lil TJayは、将来的にはNYのラッパーだけと曲を作っていきたいと発言もしているのですが、このアルバムだとNY出身は彼だけですね。次のアルバムはもう少し変化してくるのかな? 期待したいです。そして言わずもがな曲を出せばヒット曲確定なLil BabyとLil Durkの二人。そして驚くべきごとにレジェンドのLil Wayneまで参加していますね。Lil TJayのスタイルにあった多すぎず物足りなくもないベストの5人が集められたということでしょう。楽曲もこれまでのシングルでは見られなかったような作品が組み込まれています。
お金が入り有名になるにつれ、別の問題がついてくるとはよく言いますが、「Leaked」では、それをうまく表現しています。曲がどこかから漏れて、勝手にアップロードされてしまうことをリークというのですが、Lil TJayはリークしている人たちに向けて、作るのをやめない決意表明をしています。Sex Soundsなんかは、HIPHOPというよりもはやR&Bです。シングルでUsherのBurnをリミックスした曲をリリースしたりしているのですが、それに近いバイブスをアルバムにも持ち込んでいます。なんといっても一番驚いたのは「No Escape」です。彼のアイデンティティの1つでもあるオートチューンを封印して、自分自身の声だけでレコーディングしています。これも素晴らしかったです。オートチューンに頼らなくてもやっていけるという、引き出しの多さを見せつけられたような気がしました。



HIPHOPからは少し敬遠されがちなPOPというジャンルをうまく取り込んだ新しいアーティストの紹介でした。これまでの常識を破って挑戦しているアーティストは、やはり2000年生まれ以降の若いアーティストが多いですね。これからも注目していきたいアーティストです。

written by Yoshi

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