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ボクシング放送と資本論

井上尚弥選手のボクシングの試合があったが、地上波ではどこでも放送しておらずテレビ観戦することができなかった。調べたら有料でのネット放送しか見られないようだった。「本当に見たいのだったらお金を払えよ」とどこかから聞こえてきてきそうだったが、これはシステムとしてどうなのかと考えさせられた。

最近、Eテレの100分で名著のマルクス資本論が反響がよかったらしく再放送されていたので再度見てみた。ちょうどそのボクシングの試合と同じ時期に放送されていたので、思うことがあった。資本論は資本主義の批判が大きな内容であるが、番組で今の資本主義の世の中は公共性という概念が減ってきていると言っていた。公園は有料のフットサル場になったり、全ての基準がお金になり、お金を払わない者は疎外されていくといったことである。

このボクシングの試合はまさに資本主義の象徴であると感じたのである。この公共性というものがなくなるデメリットとして上げられるのが、ボクシングにそれほど興味のない人にボクシングを見せる機会が減るので、ボクシング人気が広まらないということである。

有料ネット放送局の今回の収支がどうだったかわからないが、今回儲かったとしても、放送の公共性が減りボクシングファンの裾野が減れば少なくともボクシング放送での将来の収益は減るかもしれない。有料ネット放送局はボクシングだけ放送しているわけではないから、ボクシングの人気が減っても痛くも痒くもないと思うし、その時に人気のあるコンテンツを有料化すればいいことであるが、有料放送のみの放送を選んだのはコンテンツの売り手でたるボクシング業界側であるはずで、ボクシング業界側に長い目でみて不利益がある可能性があるのではと思った。

マルクスは資本論で、資本主義のもとで資本家が労働者から利益を搾取して、結果的に需要が減るなどして将来的に資本家自身を苦しめると言っている。何かこのことが、ボクシング業界が将来自分達の首を自分達でしめているのではないかということに重なった。もちろん、資本主義の恩恵も忘れるべきではないが、ボクシングの試合が観戦できなかった残念さが資本主義の悪い部分を見ることに拍車をかけたのであった。

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