ディグニティ・Dignity・尊厳と出逢う

2018年の春のことです。私はサンフランシスコで開かれていた、マインドフルネスのカンファレンス会場にいました。そこで、日本から参加されていたある会社の方たちと、共通の友人を通じて知り合いました。

そのときは自己紹介をしただけでしたが、後になって、そのグループの代表の方と再びお会いすることになりました。食事を交えながらゆっくりとお話させて頂いたその席で、ハーバード大学心理学部のドナ・ヒックス教授の書かれた "Dignity" の著書の紹介と共に日本語への翻訳を依頼され、まさかこのような展開になるとは、予想もしていないことでした。出逢いやきっかけとは、実に不思議なものです。

画像1

それまで私の中で、英語の "dignity"、また日本語での「尊厳」という言葉や存在は、特別な価値のある何か尊くて大切なものという印象で捉えていました。なんとなく心に留まってはいるけれど、それは同時に世界人権宣言のような場で語られている、自分とはどこか遠くかけ離れた世界のことのように思っていたのです。

それが読み進めていく内に、尊厳が実はすべての人間に共通して密接に深く結びついているもので、私たちの一人ひとりが日々体験し感じている存在だということに触れるに至って、もっと身近に感じられるように認識が変わっていきました。

そうした私の認識の変化を真っ先に開いてくれたのが、この本の冒頭にあった「尊厳とは、命あるものすべての価値とヴァルネラビリティ(心の脆さ、傷つきやすさ、弱さ)を認識し、それらを受け入れることによって開かれる内面的な平和の境地のことである」という言葉でした。そして、もう一つが、尊厳をどう尊重すれば良いのか?への答えで、「相手や自分に対して関心を向け、大切に思う気持ちを表現し、実践すること」というシンプルで具体的なメッセージだったのです。

今回は、"Dignity" という1冊の本との出逢いについて書いてみましたが、今後も時折、別の観点からこの本に関してシェアしていきたいと思っています。

また、「Dignity・尊厳」の本を読み深めていけたらという趣旨で、友人と音声対談も始めました。ご興味があればということで、聞きに来て頂けたら嬉しく想います。リンク先はこちらです。https://note.com/dignity_dialogue/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?