他の誰でもなく「その人」に恋をする不思議と、それが運命ではないこと
私のいた山小屋では例年、夏が始まる前から片想いのうわさが流れはじめ、やがて両想いのうわさが囁かれる。夏に短期スタッフがやってくれば、うわさの数はますます多くなる。
そうなるともう、ドラマのwebサイトにある人物相関図を書きたくなってくる。矢印で好意を記すやつ。
ものすごい美人がいる年でも、ひとりだけに矢印が集中することはない。必ず、ほかの子を好きになる人もいる。
そのことに、いつまでたっても新鮮な不思議さを感じる。そこかしこで恋が芽生えること自体にはすっかり慣れっこなの