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クシロバコを企画販売して、思った、特産品販売の成功と失敗!

ネット通販の利用者が大幅に増加!

総務省が7月7日に公表した「家計消費状況調査(2020年5月分)」によると、5月度のネットショッピング利用世帯(2人以上の世帯が対象)の割合は、初めての5割超えとなる50.5%となり、1世帯当たりのネットショッピングの月間支出額は平均1万5873円となった。

↓のグラフでも分かる通り、60代以上も、利用が30%を超え、ネットで物を買うことに、抵抗がなくなってきている。また、利用額も大きく、消費の大きな割合を担ってきている。

実際に当社で現在行っている読者アンケートでも、60代のスマホ保持率は63.6%となっており、スマホを使いこなしているし、ネットショッピングへの抵抗感は下がっているようだ。時代は変わったなー!と本当に思う。

新聞やチラシの通販も伸びていた!

 一方、アナログである、新聞やチラシの通販はどうだったのか?というと、正式なデータは無いが、私の会社(新聞販売店)で毎週行っている、チラシ通販の売上も前年5月から比べると、1.5倍以上の売上があった。当店のメインユーザーは70~80代で、ネットやスマホを使えない方からの注文が多く、「電話1本で注文から決済まで出来るのが良い」と喜ばれている。
実際に当店のアンケートでも70代~80代のスマホ所持率は37.6%となっていて、それなりに所持はしているものの、まだ、モノを買う時は、信頼のおける人から、同じモノやサービスを繰り返し使うということがあるようだ。今話題の認知症などによる、高齢者のネット通販トラブルも、我々は回避できる。その分我々も、様々な技術を要する。
例えば「3丁目の佐藤だけど、梅干し1個もらえるかい?」という内容で電話を切ろうとする高齢者の方が多い。こちらからすると、「ちょ、ちょ、ちょいまて~い! まだ電話は、切らないでくれー!」となる。「3丁目だけでも、地区が5箇所あり、そこの佐藤さんを当てるのは、くじ引きみたいな確率だし、梅干しも6種類くらいあるんだよ~!」と言いたいが、そこは、冷静に対応出来るように、電話の着信でお客様のデータが出るようにしたり、チラシには商品の番号を付けて、番号で言ってもらうだけで分かるようにしたり、と、工夫はしている。高齢者のアマゾンを目指したいところだ。

特産品の地方発送需要も増加した!

 話は、逸れた感じがしたが、当社が行っているチラシ通販でコロナ禍の中、一番売上が伸びたのが、タイトルにもある『クシロバコ』のような、特産品詰め合わせの地方発送だった。遠く離れた、お子さんやお孫さんへ、美味しいものを送ってあげるというもので、需要はもともとあったが、コロナで、より増加した。
有名なところでいうと、郵便局の’ふるさと小包’だが、そこにも足を運ぶ事を恐れる方が多く、結局通販で送る事人が多かったし、元々、老眼で目が悪くなったり、筆圧が弱くなった高齢者からすると、電話一本で発送出来るのも、嬉しいでしょうし、郵便番号だけで、住所を途中まで検索してあげるサービスや、1回送ったお客様のデータを残して、もう一度同じ場所へ送れるサービスも便利だと思う。

クシロバコ第1弾の思い

 クシロバコは、そんな今までの経験の中から、生まれた。コロナにより、高齢者の方々が、「毎年、帰省する子供や孫に美味しいものを振る舞う事が出来なくなって、寂しい思いをしているだろうな~」って考えていた。そんな中、いつも取引のある、電通さんや47クラブさんから、釧路の特産品をギュとつめた、『クシロバコ』を販売してみませんか?と自粛期間真っ只中の4月21日に依頼が来た。メールの内容は下記↓です。

 お疲れ様です。釧路だけで成立するかわかりませんが、GWで帰省できない家族に対して地元の食べ物を贈るというコミュニケーションで物販が動いています。以下は47CLUBで実施しようとしているモデルですが、これを釧路の販売店さんが連携した折り込みでもできると思います。①釧路の販売店さんのネットワークを作ってもらう(もうできてる?)②釧路の物産を取り扱っている「アンテナショップ」的な事業者に「釧路箱」の商品醸成をしてもらう③事業者さんと販売店さんの間で取引条件を決めていただく④ここから先はいつものチラシ物販の流れで販売店さんで受注を受け、受注情報を事業者さんに流す。この流れで行けると思います。47CLUBでの実施の場合は告知手段を新聞広告を考えておりました。その際のビジュアルはほぼできていますので転用していただくことも可能です。観光客が減った地域物産展の販促支援にもつながると思います。

『ゴールデンウィーク』って、え~!4月29日からだよね~?1週間しかないよね~?しかも、新聞配達エリアへのチラシ通販しかやったことなかったし、できるか不安だった。でも一方で、なんか、このチームなら、出来る気がする。という根拠の無い自信もあった。しかし、どこと協力すれば、釧路の特産品を一気に集められるのか?という問題もあった・・・。

誰が何のために売るか?

 一斉自粛により、買物も飲食も観光も需要が大幅に減り、食材や加工品を通常に卸していたルートが閉ざされた時に、意外と生産者や製造者は、成すすべが無いもので、大変な状況であった。当然、各々自社のサイトで様々なPRをしていたが、まずは、サイトを見てもらうまでのハードルが高いし、行政や商工会議所なども、様々支援をしていたが、もともとが、購入サイトではないため、宣伝は出来たが、安売りをしていなければ、購入までは至らなかったようだ。
そこで、一番需要があったのが、特産品をまとめて販売するサイトだった。元々の販売ノウハウがあり、ECサイトだけではなく、リアルなお土産店舗、催事、イベントなどを通して、生産者や製造者と太いパイプを持ち、地域を応援している業者は、ファンがいる上に、初めて通販をしようとした人にも見やすい作りになっていた。
 そういったEC業者が生産者や製造者の想いを汲んで、在庫を引き取って、変わりに販売してあげていた例もあったので、また新たなファンもついたようだ。やはり、急に知らない人から、「困ったから買ってください」とか、「在庫過多なので安く売りますよ」と言われても、信用が無いと、なかなか売れないものだし、普段、取引している生産者や製造者を、ただの仕入と思わずに接している業者は、お客様へも伝わるのだろう。

クシロバコ第1弾の成功

 特産品を一気に集められるのか?という問題は、上記を実際に体現している『くしろキッチン』という業者により、全て解決できた。さらに、自粛期間中で東京にいる、電通や47クラブ社員と、実際会っての打ち合わせは出来なかったが、ZOOMのおかげで、時間と戦いながら、いろんな案件を臨機応変(場面)で対応し、ほぼ、ほぼ、得意の事後報告でねじ込んで、なんとか5月2日の折込チラシと5月4日の北海道新聞全道版に掲載することが出来た。
 いまだに、北海道新聞営業部の皆さまや、くしろキッチンさんにはご迷惑をおかけしたな~って思っていますが、結局407セットの販売があったのは嬉しい成果ですし、全道各地に釧路の名前と釧路の名産品や生産者を紹介出来たことは、地域経済においても効果があったのではないかと思っている。

クシロバコ第2弾、そして第3弾へ・・・。

特産品ボックスが全国至るところで、販売されるようになり、一時期飽和状態になってしまっていた。私達のクシロバコ第1弾の販売コンセプトは『売る』ということよりも下記の想いが強かった。実際その内容は、新聞広告の最初の文言に持ってきていた。

待ちに待ったゴールデンウィークがやってきた。でも今年は、新型コロナウイルスの影響で、地元・北海道に帰省できない人たちがたくさんいます。たまの休みに帰ってきたい。でも、今は家でじっとしていることが大事。だから今年は、都会でがんばっている子供や孫、家族や親戚や友人たちを、「北海道ならではのふるさとの味」で応援しませんか。
いつもの年なら、みんなで集まって楽しんでいたけど、今年は、ふるさとの味でつながろう。応援しよう。東京の学校に通っている孫たち。大阪で働いている子供たち。中には1人で不安な日々を過ごしている人もいるかもしれない。
でもこれを食べれば、まるでふるさとに戻った気持ちで楽しめる。私たちからの「がんばれ!」を、北海道の味と共に届けましょう。

 販売の目的が『流行っているから売る』という、想いが入っていない特産品ボックスは、もう売れなくなってしまっているかもしれない。流行っているから売る現象を『タピオカ現象』と読んでいる。いずれ、飽きられてしまう。
クシロバコ第2段も、『売る』という目的ではなく、『生産者の想いを直接届ける』というところに持って行きたくて、箱の中に限定のzoomIDとパスワードを入れて、生産者が直接、箱の中の商品を解説したり、釧路の有名ガイドの原田カーナさんに、釧路のバーチャル観光をしてもらったりして、釧路のファンを増やすという目的もあった。そのために、歌舞伎座でPRしたり、様々な仕掛けもした。結果、第2段のzoom参加者も100名を超える反響があった。

 そして、第3弾は、バスケットボール『レバンガ北海道』の釧路開催において、試合観戦と釧路の物産を組み合わせた、新しいカタチの「スポーツ観戦✖️地域物産の可能性を見いだす。」という目的で、また展開する予定だ。

地域物産の成功と失敗を分けるのは?

 地域物産販売への成功は、①目的が『売る』ということではなくて、ちゃんとしたコンセプトがある事!②販売業社は、普段から、取引している全ての人と丁寧に接し、長い時間をかけて実績を積み重ね、お客様や、様々な人からの信頼を得ている事!③販売企画と価格への納得感が得られる事!だと思う。
 クシロバコ第1段も、チラシ通販を毎週やってきて、そこからの延長だし、第2弾のバーチャルツアーも、実は、新聞購読者むけに企画•実施した「釧路の生産者を巡るバスツアー」をバーチャルにしたものだし、今回の第3弾も、バスケットボール レバンガ北海道の釧路開催を、昨年から運営のサポートしていた延長だ。一瞬の思いつきでは何事も成し遂げられない。

最後に・・・

 とは、いうものの、最初の一歩は、思いつきで、『やりたい』という想いが大事だし、私も、偉そうに書きましたが、後付感満載の、結果オーライ事業も多々ある。でも、今まで地域に何も携わっていない、いきなり出てきた調査会社やコンサル会社に行政がお金を払ってしまうのも悔しいし、
人口減少や経済を政治のせいにする人は多いけど、結局は、僕ら民間企業が、もっと色々仕掛けて、外貨稼いで、経済回して、雇用増やしす事が重要なんだと思う。
釧路の人口減少は政治のせいじゃない!釧路の経営者のせいだ!と思うし、裏を返せば、良い企業が増えて、行政の改革によって、活性化する事業はその力で後押ししてもらう!そんな社会になってほしい!

あれ?
何の話しだっけ?
ま、とにかく地域の人、モノ、サービスをしっかり自信持ってPRしてきましょ!

おしまい!

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