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アベイラビリティ・バイアスと行動経済

手に入りやすい情報で人は判断しやすい

人が「心臓発作で死ぬ確率」と「テロで死ぬ確率」
どちらがどれくらい高いと思いますでしょうか?
一瞬考えるかもしれませんが、
この答えは「心臓発作」なのです。
テロの方がメディアとして大々的に発信されますので、
かなり大きなインパクトとなり、
テロの方が「不安」と思ってしまいます。
それでは人が「心臓発作で死ぬ確率」は「テロで死ぬ確率」の、
約何倍高いと思いますでしょうか?
答えは何と35,000倍以上だそうです。

アベイラビリティ・バイアスとは

人は手に入りやすい情報だけを基に、
間違った判断を下してしまう事が往々にしてあります。
この心理的傾向をアベイラビリティ・バイアスと呼びます。
メディアで何度も何度も配信されていれば…
たとえ間違った情報だとしても、
真実だと勘違いしてコピペして発信したりしています。
また他には、
とある企業のコンサルティングを請け負ったとして、
戦略的ミーティングを企画したとしましょう。
そのアジェンダを練っている際…
最近遭遇したモノゴトに関連するトピックやとトレンドについて、
ネタや思考を巡らしたり話し合ったりすることに、
より多くの時間を割こうとすることがあります。
これもアベイラビリティ・バイアスの一つなのです。
実は私も以前よく使っていました。

可能性を狭める危険性

アベイラビリティ・バイアスは、
インパクトの強い事柄を重要視してしまったり、
記憶が鮮明な直近の出来事や、
よく見聞きする物事を活用する心理の一つです。
これは…
戦略策定に使うための有効な情報を、
「直近の出来事に関連した情報だけ」に狭めて考慮してしまう事となり、
年に1回程度しか行わない重要な戦略的MTGにおいても、
参加者全員が知っているであろう、
「直近の出来事や最近遭遇したモノゴトやトピック」等の共有から、
すべてを始めてしまいがちです。
実はこれが…
MTGの導入部や骨組み、
あるいはMTG全体を台無しにしてしまうことがあるのだそうです。

アベイラビリティ・バイアスとコロナウイルス

アベイラビリティ・バイアスは、
直近の出来事や、
最近遭遇したモノゴトやトピックに関連した「新しいアイデア」を、
それが必要なのか?
もしくは必要でないのか?に関わらず、
「常に求める欲求」となってしまいがちです。
これではせっかくのアイデア創出や、
ブレインストーミングといった活動を、
誤った方向に向かわせるリスクが高くなるのです。
時間を有効に使うべき時代だからこそ、
アベイラビリティ・バイアスを知っておくことが重要です。
現在のトピックで言えば、
確実に「コロナウイルス被害におけるネタや思考」を巡らせる事でしょう。

その本質は今、本当に必要なモノであるのか?

もちろん!
今回のコロナウイルス被害は仕事のやり方や、
仕事に対する在り方を大きく変えています。
これはこれで間違いでは無いのです。
しかし「コロナウイルス被害」と言うワードにのみ囚われると、
目先や手先の事ばかりに話題が向いてしまうのです。
「消毒」による「除菌」や「殺菌」の先に来る、
人間の本来持つ免疫を低下させる大きな大きな弊害であったり、
経済危機ばかり気にしている事で、
一番恐ろしい医療崩壊の現実を見ていなかったり…
「そもそも論」として今一度!
自分たちの理念やVISIONや行動規範は、
地球の役にたっているのか?
国のためになっているのか?
人の愛に繋がり役にたっているのか?
と言う本質を考えるべきタイミングなのかもしれません。

行動経済にアベイラビリティ・バイアスは必要か?

行動経済は誰もが幸せになるとても素晴らしい経済学です。
しかし間違った手法は入れてはいけません。
いくら行動経済学であったとしても、
全てが万能ではないと言う事と、
間違った使い方をすれば、
ダメージも大きくなるからです。
行動経済にアベイラビリティ・バイアスは必要か?の答えは、
アベイラビリティ・バイアスとは何か?を理解しておいて使えば、
私は有効であると感じます。

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