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【非モテはこうして作られた②】ヨシの自分語り「メンヘラクリエイター編」

どうも、ヨシ(@yoshi_research)です。

いつもnoteの購読、ありがとうございます。

おかげさまで沢山の方に支持をいただけてnoteを買っていただいたりコンサルをやらせてもらえたりしますが、自分がどういう人間なのかを知っていただけた方が皆さん安心してnoteを手に取ってくれたり、コンサルを受けてくれたりするかなあと思い、自己紹介代りに自分語りをしてみようかな、と。

ちなみにエピソード①「結婚から離婚編」はこちら→https://note.com/yoshi_research/n/n4211023d9b09

今回は離婚してから一年後に出会った一人の女性を、おそらく人生最後であろう、ただただ純粋に好きになってしまった話です。完全に自己満足なので無駄に長いです。それでも良ければお付き合い下さい。

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「出会い」

彼女と出会ったのは秋。
東京にも綺麗な青空が広がっていた、空気の澄んだ一日だった。

僕も彼女も同じ分野のクリエイターで、たまたまネットで見つけたセミナーで一緒になった。

最初、僕は彼女の後ろ姿しか見ていなかったが、自分にはないスキルを彼女が持っていること、そして僕の持っているスキルを彼女は持っていないことはわかった。

一通りの講義と、軽い有料のものへの勧誘が終わった後、フリートークの時間にその場にいる全員でSNSのアカウントの交換をした。

その時初めて彼女の顔を見たが特に何の感情もなく「あ、年齢は自分と変わらないくらいなのかな」という印象だった。

端正で整ってはいるけれども、どこか儚げで、消え入りそうな印象の美しさには、僕はまだ気付いていなかった。

その後、何事もなく、ついでにそのセミナーで得られるものもあまりなく、帰路につき、彼女のことを思い出すこともない日常に戻った。

「再会」

冬になった。

クリエイターとしての自分に行き詰まりを感じていたときに、ふと心地よい秋の日に出会った彼女のことを思い出した。

SNSのメッセージで彼女に連絡をしてみた。お互い出来ることをシェアして作品を作りませんか、と。彼女も同じように行き詰まっていたらしく、快諾を得た。

まずは打ち合わせ。彼女は自分の隣の県に住んでいて、そこからわざわざ都内までセミナーに来ていたことに少し驚いた。

彼女がこちら方面に用事がある日に、ついでに打ち合わせを申し込む。

そして、打ち合わせの日、僕は初めて彼女の容姿が美しいことに気づいた。

瞳が大きく、色白で、長い髪の彼女を前に僕はたまらず緊張した。しかし、あくまでも今日は創作物の話。お互いに出来ること出来ないことを確認し、彼女のできないPC周りの相談とアドバイスをする。そして、役割を分担して一つの作品を創ることになった。

僕は彼女に自分の担当するところまでの作品のデータをメールで渡し、彼女が仕上げてくれるのを待った。

「完成」

冬の終わり。

作成したもののデータを確認してほしいと彼女から連絡がきた。データが来たことも嬉しかったが、美しい彼女との繋がりを確認できたことも嬉しかった。

彼女の技量はとても素晴らしく、期待を大きく超えるものだった。お互いが満足のいく、素晴らしいものが出来上がった。

「素晴らしいです!これからもどんどん作品を発表していきましょう!」

「はい!そうしましょう…!」

僕はこれから始まる彼女との日々に、胸を躍らせないわけにはいかなかった。彼女もまた、出来上がったものに満足をしていた。

お互いで補い合い、高め合い、素晴らしいものが作れる…僕はこの関係を「無敵の二人」だと思っていた。

「訪問」

やがて季節は春になり初夏。

これまでに彼女といくつかの作品を発表した。彼女もこちら方面に来て一緒に作業することも多くなった。

この頃には完全に彼女への気持ちは好意になり「非モテコミット」と呼ぶにふさわしい状態に陥っていた。

きっかけは単純だった。ある時、彼女を隣県の家まで車で送り届けることになったときに、帰り際に彼女は感謝の言葉と握手の手を差し出してくれた、ただそれだけだった。

彼女の手に触れた…

20年近く結婚で恋愛から離れていたこともあるが、僕はたったそれだけのことで心を掴まれる生粋の非モテだった。

そんな中、彼女の製作環境の改善の依頼を受けて、週末に彼女の家に上がって作業することになった。

女性の家に上がるのは20代の前半ぶりのことだ。そして当然の如く僕は勘違いをした。家に上げるくらいだから少なからず自分に好意を持ってくれているのだろう、と。

土曜、車で彼女の家に向かう。だんだんと深まってきた初夏の日差しを受けて、海岸沿いの道を気持ちよく走らせる。

この時の僕の気持ちは「有頂天」以外の言葉では言い表せないだろう。

彼女の家に上がる。フランスに住んでいたこともある彼女らしい、瀟洒な部屋だった。そのセンスにもまた自分は心を掴まれた。

しかし、作業は思ったより難航した。昼過ぎから始めた作業は漸進しつつも気づけば辺りは夜になっていた。

「食事に行きませんか?」気づけば何時間も食べていない自分達。彼女からのその提案を喜んで受け入れて、車で20分くらいかけて食事に行くことになった。

当たり障りのないファミリーレストランだった(しかしそれくらい車を走らせてもそれしか店がない場所に彼女は住んでいたのだった!)。

そこで創作以外の沢山の話をした。それぞれの生い立ちのこと、価値観のこと、お互いのアナザースカイのこと。彼女は聞き出し上手で、たくさん自分に話させてくれた。それもまた心を掴まれた。

そして、帰り道、彼女は精神を患っていること、それで仕事がうまくいかないこと、拒食気味であること、食べれば吐いてしまうことなどを話してくれた。

「でも、ヨシさんと一緒だと食べたくなるし、食べて元気になって頑張らなきゃって思えます」

そんな言葉と共に、彼女が自己開示してくれることも本当に嬉しかった。彼女が口を開くたびに、どんどん彼女に深くコミットしていく自分がいた。

僕は彼女にとって必要な存在なんだ、僕は彼女を救うことができるんだ…と。

結局帰っても作業は終わらなかった。自分は明日この続きをやってもいいか?と提案した。もちろん、非モテの僕に泊めてくれと言う勇気はない。近くの漫画喫茶で一泊して、また明日の日曜に戻ってくる、と。

彼女は「そんなことまでしてくれるなんて」と嬉しそうに快諾した。

「翌日」

漫画喫茶まで車で片道1時間かかった。

近くのスーパー銭湯に行き、漫画喫茶で一泊。翌日、ユニクロで着替えを購入して、1時間車を走らせて彼女の家に向かう。

その手間も費用も自分はなんの負担も感じていなかった。だってこうして彼女と会えるのだから。

わざわざ朝ごはんの手土産まで用意して、彼女の家に行った。

作業は順調に進む。昼過ぎには作業を全て終えた。ひとしきり作業の経緯を伝えて、彼女から感謝の言葉をもらえた後の彼女の言葉。

「海に行きませんか」

彼女は自分が車を停められるように自宅の駐車場を空けて、彼女の住む街の海の近くに自分の車を停めていた。その車を一緒に取りに行こうということだった。

彼女は海沿いの街に住んでいることもあり、海が好きだった。自分も海沿いの街の生まれだったので、強く共感できた。

彼女は私服のまま、海に足だけ入っていきたい、という。自分もいっしょに入っていいか、と言うと快諾してくれた。

お互い、着衣を膝までたくし上げた状態で、笑いながら海に駆け込んだ。

初夏から夏にかけての陽射しは皮膚に触れる海水を温かなものにし、遠浅の海は足裏を優しく撫でた。時折、少し高い波が悪戯のように自分の着衣を濡らす。

そんな時はお互い顔を見合わせて笑った。

2人に会話は必要なかった。青空の下、紺色に広がる海の中で、身体が感じている快さが全ての答えだと僕は思っていた。

「告白」

次に彼女に会うときに、告白するー
自分はそう決めていた。

もう彼女への気持ちは抑えられないまでに膨らんでいた。そして、彼女も同じ気持ちだろう、と自分は思っていた。

あの初夏の海でお互いに一緒に笑った時間が全てを表していると思っていた。

彼女がこちらに来て作業をし、その帰りに僕は彼女を家まで送る、そのときに告白しよう、と。

その日は来た。

昼から始めた作業を終え、電車のなくなった彼女を車に乗せて送る。

帰り道に話していたのは、彼女にとってとても深い価値観の話だった。政治的な話だ。それに対して自分は違和感を少しだけ感じていた。

でも、そんなことはもうどうでもいい。
その考えに殉じてもいい。

彼女の住む街に着いた。もう深夜に近い時間だった。でも彼女は夜の海が見たい、と言って海の近くに車を停めた。

そこで降ろして帰っても良かった。でも告白したい…しなきゃ…なかなか今日のサヨナラを言い出せない自分を見て彼女は

「一緒に夜の海を見ていきませんか?」

と提案してくれた。

もう僕は確信した。彼女も同じ気持ちでいてくれているんだ、と。

時折無言の時間を挟みながら、10分…20分…と時間は過ぎていく。心拍は時計を早め、やがて自分の胸の内に秘めていた言葉を押し出した。

「手を…繋いでもいいですか」

僕は彼女の目を、表情をしっかりと見ながら、そう言った。

だからこそ、そこで彼女の顔がみるみる曇っていったことをよく覚えている。穏やかな表情が、嫌悪と汚らわしいものを見る目に変わって、

「どうしてですか?」

キッパリとした強い拒絶の意思を含んだ口調で彼女はそう言った。

僕は狼狽しながらも、自分の気持ちを伝えた。貴女のことを人として好きになってしまいました、と。

彼女はそれから、たくさんの言葉を自分に浴びせた。目の前の相手を不快にさせるために全ての力を使って、心から残念そうに、吐き捨てるように。要約すると、こういうことだった。

「せっかく創作のパートナーとして素晴らしい人に出会えたと思ったのに。そんなつまらないことを思っている人だと思わなかった。はっきり言って、気持ち悪い」

はっきり言って気持ち悪いー

これが彼女の答えだった。

「帰り道」

「はっきり言って気持ち悪い」

自分の人生でこれ以上に傷ついた言葉があっただろうか。

その言葉の刃を胸に突き刺されたまま、夜の海岸線を一人、車を走らせて帰った。

彼女の自己開示も、自分に寄せる信頼も、感謝も、笑顔も、僕の感じている彼女の気持ちは、全て僕によって勝手に解釈されたものだった。

なぜ、彼女は
「一緒に夜の海を見ていきませんか?」
と僕に言ったのか。

今もその言葉の真意は全くわからない。

「はっきり言って気持ち悪い」

僕はこの言葉でこれから何ヶ月も、ずうっと苦しみ続けることになる。何かのきっかけでこの言葉を思い出しては、胸が締め付けられるほど悲しく、悔しい気持ちに苛まされる。

一人の女性を強く好きになるということは、こんなにも辛いことなのか。

そして、それが叶わない時にこんなにも辛い思いをするものなのか。

僕は恋愛というものについて、女性というものについてあまりにも、あまりにも無知であり非力であるということを痛感した。

もっと沢山の経験を積まなければならない。

僕がマッチングアプリというものに手を出すのは、この傷が癒えた後になる。

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こんな長文をここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。

この経験は自分に「非モテコミット※」ということがいかに自分を幸せにしないか、ということを考えさせるきっかけとなりました。

※非モテコミット
男が一人の女性に一方的に好意を向けて、過剰に尽くしたり、また相手の自分に対する気持ちを過剰に意識し過ぎること。

20年の間、一人の女性と恋愛と結婚の期間を過ごしていた自分は恋愛の考え方が全くアップデートできていませんでした。つまり青クサイ学生時代の恋愛観を引きずったままでした。

不倫されて離婚しただけでは恋愛観、女性観を変えることができないくらい、自分の非モテ根性は根強く根深いものでした。

しかし、この経験があったことで「非モテコミットの弊害」ということを心の底から納得しました。これは自分にも相手にも全くプラスになることはない、と。

もう自分は絶対にこんなに辛い思いをしたくない…そう思いマッチングアプリに手を出して幸せになれる相手を見つけようとしましたが、40overの非モテ男がそんな簡単に相手を見つけられるわけがありません。

次回の「ヨシの自分語り」は「マッチングアプリ始めたよ編」…と行きたいところなのですが、このメンヘラクリエイターは後日談があるので、次はそちらを書こうと思います。それによって、女性というものを良く知ることができたので!

ではまた!


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