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Step#209|オンラインイベント「医療倫理 最近の話題 ~何が正解?現場の難問にどう向き合うか~」に参加しました。


昨日は、医療を考える会主催の
オンラインイベントに参加しました。

テーマは、
「医療倫理 最近の話題
~何が正解?現場の難問にどう向き合うか~」
でした。


医療倫理の4原則とは?

①自律的な患者の意思決定を尊重せよ
(自律尊重原則)
②患者に危害を及ぼすのを避けよ
(無危害原則)
③患者に利益をもたらせ
(善行原則)
④利益と負担を公平に配分せよ
(公平・正義原則)

●4原則が誕生した背景(歴史)

ヒポクラテス
科学に基づく医学の基礎を作った。
自身の能力と判断に従って、
患者に利すると思う治療法を選択し、
害と知る治療法を決して選択しない。


「医の倫理」の歴史
(医師⇔患者、患者の権利)

●医療訴訟
シュレンドルフ事件
(米、1914)本人の同意なし
サルゴ事件
(米、1957)同意あるが説明不足

患者の権利(リスボン宣言、1981)
→個人の尊重、個人の自己決定権の確立

歴史的にも、公民権運動や
ウーマンリブ運動などが行われ、
差別や不平等解消に対する
社会的気運が高まっていった。


「医の倫理」の歴史
(医師⇔社会)

・医療の高度化
(人工呼吸器、人工透析器、
再生医療、終末期医療)
・社会の成熟/医療のインフラ化
→平等、公平、正義
・移動、通信手段の進歩

これらにより、
医師と社会(<家族→地域→国>)との
在り方が少しずつ変わっていった。

●医療従事者には、どんな対応が求められるか?

①多職種連携のチーム医療
一人で決めない(独善を避ける)
一度に決めない(よく話し合う)

②共有意思決定支援(SDM)
2名以上が意思決定を行うプロセス
意思決定の質評価は、
「どのように決めたか?」で行う

◎どちらか一方だけで決めない
◎双方向の情報共有
◎複数の選択肢のメリット、
デメリットをお互いが理解する
◎一方の価値基準だけで決めない

①②は医療が進む方角を示すものではない。
患者にどうなってもらいたいか?
病気を治せば、命を延ばせば、
患者の希望通りにすれば、それでいいのか?

こうしたことを常に考えて、選択をし、
治療を行うことが一層求められています。


医療者は正解を出す力が優れているあまり、
一人で何事もソツなく決めてしまいがち
という話が印象的でした。

確かに、入学試験では「論理的思考力」や
「過不足のない答案」が求められます。

それはそれで立派なことですが、
今の医療が取り巻く状況を考えると、
適切ではありません。

今回のテーマも正解がありません。
患者や家族や周囲の人たちが
納得のいく答えを互いに協力して
導き出すことが大切だと思いました。

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