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嫌でも気になる「現地社員からの評価」。駐在員は「評価」とどのように向き合うべきか?

こんにちは。久しぶりに「モノを売って会社に貢献している営業部門が偉い」という論争を海外の飲み会の席で聞き、うんざりしてしまったよしです。

さて、本日は「現地社員からの評価をいつも気にしている海外駐在員」に向けて、ちょっとした私の気づきを書いてみたいと思います。人間なので他人の評価は気になって当然です。駐在員なら尚更現地社員からの評価は気になるところですよね。

「加点方式」と「減点方式」について

人を評価する際に、「加点方式」か「減点方式」かを問われる事があります。当たり前ですが、新入社員くらいの立場であれば、期待値もそれ程高くないので大抵「加点方式」が採用され、ちょっとしたアウトプットでも評価されます。

一方、課長や部長クラスになると、周りからの期待値が既に高いため、「減点方式」が採用されるケースが多く、私も若い時には「あの課長(部長)、こんなことも出来ないのか」と良く愚痴をこぼしていたものです(笑)。今ではそう言われている側ですが。。。

相撲の横綱を見れば完全に減点方式ですよね。「勝って当たり前」と思われてますし、素行が少しでも悪いものならば「横綱としての品格がない」と言われ、どんどん減点されて行きます。

完全減点方式の中働く海外駐在員。その期待値は高い

さて、海外の日本人駐在員はどうでしょうか?そうです、私の経験からこれは「完全減点方式」だと思います。この完全減点方式というのは、あくまでローカル社員から見た日本人の評価であり、日本の本社から見た日本人の評価ではありません。

ローカル社員の目線では、日本から駐在員が来たという時点で、年齢や役職に関係なく最初から150点くらいの点数がついています。つまり最初から「期待値」が高いのです。日本人駐在員がローカル社員に比べ、良い待遇である事も余裕でバレています。ですので、ちょっと仕事が出来ないと、どんどん減点されて行きます。辛い現実ですが、「この日本人これだけ給料貰ってて、こんなことも出来ないのか?」と思われてます。これがローカル社員の目線です。

一方で、駐在員の目線で話をすると、海外駐在になった途端、日本にいた頃より役職が一つ、もしくは二つ程度上がり、そして仕事範囲も急激に広がるため、全部が完璧に出来るわけがないのです。逆に言葉や文化の壁もあり、出来ない事のほうが多いのです。

ローカル社員と海外駐在員の中で生まれる期待値のギャップ 

そうなると150点を期待しているローカル社員と実際の自分の出来ることにギャップが生まれ、ローカルからの自分の評価がどんどん下がっていくような雰囲気に押しつぶされそうになり、そんな事もどんどんストレスになってしまうのです。私が海外駐在初期の頃そうでしたから、良く分かります。

あくまで私が思うことなので、解決法という訳ではありませんが、ローカルからの評価は一旦脇に置いてみて下さい。そもそも他人の評価は自分で変えられないので、それは別の課題として一旦脇に置き、その上で「自分が出来ない」という事も素直に自覚し、それを克服していく事にまずは集中します。そんな姿は、きっとローカル社員も見ています。

なぜ元横綱の千代の富士は相撲ファンでなくても愛されたのか?

ここで相撲の話に戻りますが、元横綱の千代の富士は相撲ファンでなくても愛されていた稀有な存在と思います。怪我も多かったですし、敗戦も多く経験していました。なぜあれ程ファンがいたのでしょうか?それは相撲人生に浮き沈みが多く、怪我で苦悩している姿も多くの人が見ており、それを克服していく姿も同様に皆が見ていました。横綱だったにも関わらず、単純に「減点方式」のみで評価されていなかったと思います。

人は完璧な人間よりも、ドラマのような人生を歩んでいる人に魅力を感じる

駐在員も究極的にはこの姿を目指すべきだと思うのです。評価を気にして完璧を目指すよりも、苦悩を素直にローカルに打ち明け、出来ない事を克服しようとする姿を見せたり、更に困難をローカルと一緒になって克服し、そんな仕事の浮き沈みを一緒に共有することで「加点方式」も「減点方式」もなくなり、「日本人駐在員」というくくりではなく、「個」として評価されると思うのです。

人は完璧な人間よりも、浮き沈みがあって、ドラマのような人生を歩んでる人に魅力を感じ、応援したくなります。ですので、駐在員は評価に苦悩するよりも、仕事で苦悩する姿をオープンにし、ローカル社員と一緒に克服していけば良いと思うのです。そうすることで、減点方式の呪縛から解放されると思います。評価を気にする前に、目の前のことを一つ一つ、泥臭く克服して行きましょう!

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