腐らないこと
明日と明後日のあと2日。
2年お世話になった職場を離れ、新しい環境でまたスタート。
自分のための備忘録も兼ねて書く。
事務屋さんだから
この言葉を耳にタコができるくらい聞いた。
先輩の出張に同行すれば必ずこのフレーズでわたしのことを紹介された。
専門員たちが集まる課のなかに数少ない事務屋さんとして配属されたからだ。
ただ、ぶっちゃけ仕事はみな同じことをしている。
それなのになぜ、区別されるのか。
来てすぐの頃はその違和感が拭えず、とても居心地が悪かった。
周囲の事務屋さんに対する認識は、
専門的なことはさせられない、
定時でどうぞ帰ってください、
のようなものだったと思う。
恐らく、わたしの前任者は割り切って働くタイプの人だったようで、それも影響したのかもしれない。
でも、わたしとしてはここでしかできない経験を積んで次に進みたい。わたしも役に立ちたい。もっと仕事をしたい。
腐りそうになりながら、転機がくるのを待った。
同時に、グループではいまどのような仕事をしているのかを把握し、担当外でも簡単な作業や問い合わせには答えられるようにしていた。また、仕事を奪う気持ちで、とにかく周りをよく観察するようにしていた。
一本の電話
昼休みのことだった。
先輩たちに取らせてはいけないと、当時のわたしは今以上に電話に神経を使い、どこの電話が鳴ろうが全部取る勢いだった。
(もちろん走って取りに行くわけじゃなくて転送ボタンで)
このときは昼休みに鳴ったので、同期にも負けまいとすぐに取ったことを覚えている。
内容は誰が担当ともつかないものだったのだが、とにかく内容を聞き、折り返すと伝え、午後に入ってから先輩に相談しに行った。
相談しているうち、先輩が、今までやり忘れていた仕事があったことに気が付いた。
今回、その溜めていた仕事の影響で電話で問い合わせがあったというわけだ。
それとなくやり方を聞き出し、自分に仕事が回るように仕向けてみた。
すると先輩が忙しかったのもあり、任せてもらえることになった。
こんな些細な出来事が、実は大きな転機だったと思う。
というのも、この仕事にこのとき携わったことで、2年目にはわたしのメインの仕事になったからだ。
あの昼休みに電話を取っていなかったら。
自分がやると申し出ていなかったら。
2年目も事務屋さんだから、で終わっていた気がする。
できることを行動で証明する
専門員の仕事とも言われる、いわゆる立入調査とか、そんなものも2年目からはさせてもらえることになった。
ただ、はじめのうちは1回くらい経験で行ってきたら?というノリだったのだが、周りの人のスケジュールを把握してそれとなく立入調査のアポイントを自分に入れていき、いつの間にか副担当に任命されたときはやっとここまできたか、という気持ちだった。
周りをよく見て気配りをしてくれる
こんなお言葉を2年目の最後に上司からいただいたときは感慨深かった。
と同時に、評価のためというより、自分が仕事を任せてもらいたくて、この方法に辿り着いたんだったな、と思い返して少しほろ苦い気持ちにもなった。
腐らないこと
結局これが大切。
こんな仕事なんのために、
こんな雑務なんて、
そういう思いを持ち続けていたら、その後の成長や最後にいただいた言葉などは得られなかった。
これからまた新しい現場で働く。
腐らないこと。
あんまり前向きな響きではないかもしれないけれど、わたしは腐らないことを信条にがんばりたい。
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