見出し画像

5月19日に「沖縄県HIV/AIDS薬薬連携セミナー ~沖縄県のHIVの今後を考える~」に参加しました

先週の木曜日(5月19日)にギリアド・サイエンシズ株式会社主催のWebセミナーに参加しました。そこで琉球大学の中村秀太先生、法円坂薬局薬剤師の迫田直樹先生のお話を伺うことができました。

昭和世代の方は覚えていらっしゃると思いますが、日本では1980年代にエイズパニックがあって、マスコミで随分と騒がれました。その当時の認識は「AIDS=不治の病」というものでした。

あれから40年。現在ではAIDSはもはや不治の病ではなく、「長期療養」の時代になっています。適切な治療を受ければ、HIVに感染していない人と同じくらいの寿命を全うすることができるようになりました。

今回、お二人の先生のお話を伺って印象に残った点をメモしました:

(1) イギリスでは新規感染者数が激減している。「HIV検査を受けましょう」という広告が街中に普通に掲示されており、実際に検査を受けるクリニックもおしゃれで気軽に受けられる雰囲気がある (Dean Street Clinic)。

(2) 新型コロナの影響で沖縄では保健所での無料のHIV(と梅毒)の検査が限られており、沖縄県のHPでは民間のクリニックで検査を受けるよう勧めている。しかし、民間のクリニック利用は(当たり前ですが)料金がかかるため利用者が少ない。今後検査を受けていない人が急にエイズを発症する割合が増えるのではないかと懸念される。

(3) 効果的な治療を受けていれば、ウィルスは検査限界以下 (Undetectable)であり、そうなると 他者に移すことはない (Untransmittable)。これは「U=U」とされるが、医療従事者の間にも、一般にもこの「U=U」が浸透していない。

(4)今後、PrEP(曝露前予防内服)という、性行為の前に(もしくは毎日) HIVの薬を服用することが日本でも承認されるだろう(!〜2年?)PrEP開始には検査・医師の指導が必要だが、個人輸入で薬を使っている人もいる。HIVに感染していないことを確認してから服用を始めるべきであるが、そうせずに不適切に使用して陽性判明したことが分かったケースがある(それによって薬剤耐性が起こってしまった)。

中村先生が強調しておられたのは、「まず検査を受けること」でした。イギリスのHIV新規感染者数が激減したのはPrEP使用が増えたためではないか、と質問したのですが、中村先生はそれもあるが、みんなが検査を受けるようになったことが大きいと話されていらっしゃいました。

おそらく、沖縄に限らず他の都道府県でも保健所での無料検査がストップしているところがあるのではないでしょうか。皆さんの中で「もしかしたら」と不安に感じている方がいらっしゃったら、できれば医療機関でぜひ検査を受けていただきたいと思います。

医療機関には行きたくないという方には、自宅で検査が受けられる検査キットもAmazonなどの通販サイトで購入できます。

U=Uについては以下のサイトも参照なさってください