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ミルフィーユ

薄いミルフィーユのような人生だったから、自分が大嫌いでたまらない。でも昔の事を思いだすとほんの少しだけ、愛しく感じる。あの頃はあの頃で必死に積み重ねてたんだなって思う。まぁ結局薄いんだけど。今流行りの逆転の発想すれば、まだ積み重ねられるし味も変えられる。と、思うのと同時にそんな訳ないじゃんって思う。今まで薄く生きてきていきなり分厚くなれるはずないし、なれてもすぐ崩れちゃうでしょ。薄くても重ねたら重ねただけ厚みがでる。それで十分ではないか。他の人のを見て層の厚みとか比べちゃったりして、そういうのでしか価値を測れないなんて自分が可哀そうだ。
ミルフィーユのような人生、と考えるなら味を変えて重ねていけばいい。気が付かないだけで目の前に選択肢がいっぱい広がっているのだから。


・・・

これはUSBの中身を整理してたら出てきたものだ。日付を見ると16歳の5月。
クリープハイプ「憂、燦々」が発売されたくらい。影響をガンガン受けてるな、言い回しとか。この頃からがっつりはまってライブとか行くようになった。
クリープは知ってからファンになるまで、わりと時間がかかったバンドだ。
知ったきっかけは好きなバンドのボーカルが尾崎さんと親しかったから。
2012年くらいに、軽い気持ちで「左耳」を聞いた。
声たっかい。歌詞もひねっていて、全体的に癖が強い。
うーん私は好みではないかも。
それからしばらく距離を置いていたんだけど、1年経ったある日突然尾崎さんの声が聞きたくなった。今でもなんで聞きたくなったのか分からない。もはや衝動としか言いようのないもの。
さっそくYouTubeでクリープハイプと検索する。上の方にあった「手と手」を聞き終えた時、クリープハイプって良いなと思いはじめた。
ギターとベースがかっこいい。声も、聞けば聞くほど脳に刺さるように感じる。
そして「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」を聞いて完全にファンになった。
このMVに出てくる大東さんが来ているTシャツには、ちょっと寂しそうな女の子と「HOW ABOUT THE ENCORE?」の文字がプリントされている。

今日、クリープハイプ10周年ライブのグッズが発表された。
その中の1つに歌姫2020Tシャツがある。
これを見た時、思わず涙ぐんでしまった。最近涙腺が弱い。
「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」のMVはフルで見ることができない。クリープハイプの公式アカウントではアップされていない。そしてこのMVの概要欄も、【メジャーファーストシングルのMV】ではなく【ベストアルバムのMV】扱いになっている。メジャーのファーストシングルなのに。
進化した歌姫Tシャツには笑顔でクラッカーを鳴らす女の子と「I DON'T DO THE ENCORE」の文字。

あれから6年経ったのか。

あのタオルも、ラババンも、もう彼らには必要ないのかもしれない。
「アンコールはどうする?」と不安そうに聞いていた過去はもうとっくに過ぎ去った。今は笑顔で「アンコールはやらない」と言えるクリープハイプが大好きだ。自分たちの測りで価値を考えられるなんて、言うのは簡単だけど実際にやると難しいから。
クリープは音楽以外にも、朗読をしてみたり雑誌を作ってみたり、さまざまなアーティストにリミックスしてもらったり。本当に色んな味があって面白い。
10周年おめでとう。

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97年生まれの22歳。読むのも書くのも聞くのも大好き。