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Vol.18『私の生きる道~Rin’s History(人生最大の試練篇)~』

あなたの心を癒します☺フリーランスベビーシッターのRinちゃんです☆

❁自分との闘い❁

「高濱さん、私を社員にしてください!」

少しだけ間が開いて返ってきたのは、「今いる社員のレベルはここ、髙山さんはここ。社員になるにはまだ足りない。」というものでした。

自転車操業の時代。教材もイベントも、生徒募集のチラシも全て自分たちで企画し、実行することが求められました。当時いた社員は5名。それぞれの強みと個性が光りを放ち、それが会社の推進力となっていました。
彼らを基準に考えた時、私は無力だったのでしょう。

“やはり、そうか。でも、諦めたくない。どうすれば・・・・・・。”

そう思った時、社長がこう続けました。
「でもね、君が本当にウチの社員になりたいなら、俺は応援するよ。今から君の課題を言うから全て直しなさい。」

一筋の光が見え、”これを掴むためなら何でもしよう”と腹を括りました

翌日から、社長による『特訓』が始まりました。
歩き方、話し方、立ち方、文字、言葉調べ、課題図書のレポート。
1つずつ徹底的に直されました。

半年経った頃、仲の良い社員から「今朝、社長が髙山ちゃんのことを褒めていたよ!」と教えてくれました。
これには驚きました。なぜって、その半年の間、1度も褒められたことも労いの言葉を掛けられたこともなかったものですから。
でも、社長はしっかりと見てくれていたのです。

それから社員会議で私の名前が挙がる度に社員の皆が教えてくれました。
遂には「そろそろ、髙山を社員にして良いのでは?」と社長に掛け合ってくれたとも聞きました。
しかし、社長は首を縦には振りませんでした。
「今、社員にしたらあの子はきっと駄目になる。」と言ったそうです。

『社員になる』という目標はいつからか『自分の弱さに打ち勝つ』に変わっていました。
ここまで本気で自分の弱点と向き合ったのは初めてでしたし、応援してくれる仲間がいるだけで頑張れました。

特訓が1年に及ぶ頃、『3カ月の研修を受けた後、試験に合格した者が社員になれる』という社員登用の案内が配付されました。
“いよいよ、公募するのだな。”
また1歩、会社が成長しようとしていることを感じました。

“合格するかどうか分からないけれど、やるだけやってみよう。”
怒涛の3カ月研修を受け、合格通知が届いた時、本当に安堵しました。

そして迎えた入社式。
社長から名刺と会社の鍵を受け取った途端、大粒の涙が頬を伝っていきました。
“あぁ、やっとここまで来ることが出来た。”
1年と3カ月の歳月を掛け、漸く目標を達成することが出来ました。

❁マイナスがプラスになる❁

『陽だまりのような教室を創る』
これが、社員になる目標を掲げた時に、決めたことです。
“現場で出逢う子ども達や保護者の方は、それぞれ色んなことを抱えている。
友達のこと、家族のこと、進学のこと、仕事のこと・・・・・・。
けれど、ここに来る時だけは、何も飾らない、素の自分で居られる場所にしよう。“


その想いが一層強くなった出来事があります。

就学を控えていた年度末、あるご家庭から相談がありました。
「うちの子はハーフだから、学校に行って、からかわれたりイジメられたりしたらどうしよう。」
目の前には、今にも泣き出しそうなお母さんがいる。
”この苦しみから救い出せる言葉って何だろう?
新米の私が伝えられるのは、教育者としての蘊蓄ではなく、自分の経験談だのみ。”
自身の過去を露呈すべきか一瞬迷ったものの、救いたい気持ちが勝り、話すことにしました。

「お母さん、実は私、小学生の時にいじめられていたんです。中学の時も高校の時もいじめられていて、ずっと苦しい思いをしてきました。でもね、そんな私が今、こうして社会人としてやっています。
これからお子さんには辛いことが待っているかもしれない。お母さんにとっても辛いかもしれない。けれど、ここに来てくれたら楽しいことをいっぱいして笑顔で帰るようにします。ですから、一緒に頑張りましょう!!」

「そんな過去があったなんて。」と驚いたお母さんでしたが、次にこんな言葉を掛けてくれました。
「ウチの子の担当が髙山先生で良かった。苦しいことを経験して乗り越えてくれた人が傍にいてくれて良かった。」

“何故自分だけがこんな目に遭わなければならないのか と、ずっと悩まされてきたけれど、もしかするとこの仕事に出逢うために神様が経験させてくれたのかもしれない。”
負の財産でしかなかったものを初めて肯定できた瞬間でした。

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