勝ちのために自由を減らしてまで、eスポーツに意味はない。

こんにちは、よろずです。

最近スプラトゥーン2にまたハマりだして、かなり上手いネットの友達と遊んでるんですけど、みんな「環境武器」と言われる武器を使っています。

都度行われるアップデートで強化された装備を使うことで、よりゲームの勝率を上げる。

オンラインゲームをやる上で、"その時"強いものを使う。「時代に合わせて」武器を使い分けることは当たり前のことです。

社会には流行り廃りというものがあって、人はそれに合わせて服装を決めたり、聞く音楽を変えたりします。

早ければ理解されず、遅ければダサいと呼ばれる世の中で、我々eスポーツは、どのようにして生きて行けば良いのでしょうか。

eスポーツは社会にとっての「何」なのか。

週刊少年ジャンプの人気作、「僕のヒーローアカデミア」では、主人公だけが"個性を持たない"という書き出しで連載が始まります。

SNSの流行で、他人が見えやすくなった今、自分の存在に悩む若者が増えた社会を表現することで、何処か主人公に親近感を持ちやすくなることも、この作品の人気の1つであるように思えます。

お笑いの過激化する方程式を覆した、全てを養護する"ツッコまないツッコミ"、「ぺこぱ」。

ボーカロイドにより複雑化された音楽の流行に、"ツインボーカル"という個性が上乗せされた「King Gnu」。

世の中をちょっとずつ観察していくと、流行りには必然性があるようにも感じます。

eスポーツも、年を重ねるごとに少しずつ発展はしているものの、現状の市場規模を眺めてみると、この二文字に縛られずとも抜け出せないなんとも言えない現状が続いているように感じます。

小中学生の将来なりたい職業に「eスポーツプレイヤー」と記されているのは紛れもない事実ですが、1位のYouTuberとの間には大きな壁があります。

芸能人も活動の拠点を設け、ますますYouTubeが強くなる時代にありますが、もしも本当にeスポーツを盛り上げたいと考えているのなら、芸能人よりも、YouTuberよりも、髭の生えた男達よりも、「時代に必要な業界」に発展していく必要性があると考えます。

プロゲーマー史上"最高の成功者"、「Nephrite」。

eスポーツには、プロゲーマーの存在が欠かせません。

小さい業界であるにも関わらず、多くの人々がこの世界に夢を抱く理由は、「ゲームが上手い=かっこいい」。ただそれだけです。

しかしながら、ただでさえお金のない市場において、「ゲームだけをして生きていく」ということはほぼ不可能なのが実際のところなのです。

今の時代に多くの時間をゲームに捧げ、それに金銭が発生するほどの価値を生む為には、YouTubeを始めとしたプラットフォームで自身の強さを証明せねばならないのです。

つまり、現状でプロゲーマーとしての尺度を図るには、"YouTubeでどれほど活躍しているか"を見ることが素早く正確であることは間違いないと思います。

このような視点で見つめてみると、先程紹介した彼こそが、現状トップクラスに成功していると言えるのではないでしょうか。

Nephrite選手は「Fortnite」っていうタイトルのプロで、普段ゲームをあまりやらない方でも名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれませんね。

小中学生に多大なる支持を受けていますから、YouTubeの主なターゲット層にもピッタリと重なっています。

そしてこれが彼の最大の長所で、"ゲームを最大限に楽しんでいる"様子が彼の動画から見受けられます。

Fortniteを始めとしたバトルロワイヤルと呼ばれるジャンルは、試合ごとに自分の使えるアイテムが変わるんですよ。

良い武器が沢山使える場合もあれば、何一つとして強い武器を使うことができないまま終わるというのも、醍醐味の1つです。

他のジャンルのゲームと違い、定めた装備や立ち回りで毎回プレイするということは基本的にできません。

つまり、弱い武器をあえて選択したり、普段使わないアイテムでさえも場合によっては使わなければならないシチュエーションが出てきます。

彼の動画を見てみると、取捨選択を当たり前のようにしているのは間違いないものの、ケースバイケースで既存、新規で追加されたコンテンツの新しい遊び方を模索している様子が伺えます。

これこそがプレイヤーとして、そしてネタを常に生み出さなければならないYouTubeで活動する上での彼の強みでは無いでしょうか。

プロのゲーマーだから、当然楽しむということを重視しているのは間違いないと思っているんですけど、多くのプロはゲームを「排他的」に取り組んでいるように見えます。

冒頭に、上手いプレイヤーは環境武器を使うという話をしました。

ゲームや仕事、スポーツに関係なく、勝利、利益を望んでいる人間にとって「敗北」に近づく要因は全て「リスク」となってしまいます。

良く言われる、"時間の無駄"というやつです。

皆平等に時間には制限があり、制限があるからこそ、限られた時間の中で優勝を勝ち取るために敗因を取り除く。
彼らの仕事はこの作業に尽きると言っても過言ではありません。

「YouTubeに当てる時間を練習に費やした方が良いんじゃないか?」という疑問は、実際に勝ちにこだわる当人にとっても、未だ確立されていないこの職業の存在意義を問う我々にとっても重大な問題です。

生活費を稼ぐにはYouTubeをやったほうが良いけど、プロゲーマーとして活動していくにはなるべく練習に時間をかけたい。

悲しいことに、ゲームに人生を捧げている人を見れば見るほど、そう訴えているように感じてしまいます。

eスポーツに必要なのは、「勝利」ではない。

ゲームの中だけで1位が証明出来る時代に、わざわざ感染症に恐れながら大会に出て、そこでもまた優勝を目指す価値って本当にあるんでしょうか。

プロゲーマーという職業は、ある種研究者、冒険家のような側面があると思います。

勿論それが勝利に基づいているものだとはいえ、タイムを縮めるための新たな手を見つけたり、自分では考えもしなかったプレイングで敵を倒す。

僕はそういった「またゲームを楽しめる」遊び方を提示してくれることに、一番の感動を覚えています。

正直、勝ちはその次です。

それが決勝戦だったからという場面も当然ありますが、だからと言って決勝戦だけに全てが集まっているわけではないということは、全てのeスポーツユーザーが理解しているはずです。

お金がないことは十分承知ですが、その事をプロゲーマーを支える全ての人間が本当に分かっているんでしょうか。

全員が全員努力をしている環境下で、1位を取れないから解雇はあまりにもゲームと人間を侮辱し過ぎているような気がします。

それは現実でもスポーツでも、eスポーツでもなんでもないです。
ただの「スポーツごっこ」です。

ユーザーは何に一番興味を示しているのか。それはもっとゲームを好きになって、時間を大いに無駄にして、「飽きる」ということを経験しないと一生気持ちなんて分からないと思います。

娯楽戦争が始まるこれから、泥臭い努力なんて時代遅れじゃないですか。
遊びながら、無駄とも言えるゲームで新しい道を開拓する。

「無駄に価値を証明する」ことがeスポーツには出来るんじゃないでしょうか。


以上、スプラトゥーンでスシコラを使いたいというnoteでした。


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