江戸は世界で最高の都だと言う見聞録

引用 外国人江戸見聞録 
①『(中略)日本国民はあらゆる仕事のうちに、堅固なるその精神と、未だ目覚めたに過ぎない科学の与えうる限りの賢明なる精神とを、常に現はしている。私の試みた片影の描写を見た人は、日本人を野蛮民族のうちに入れはしないだろう。
私としては文明国民に比して遜色のないものと思っている。その政治組織、外国人に対する態度、その美術、土地の耕作、国内到るろころに見られる豊饒な産物、その他いろいろなものが、この国民の賢明にして意志強固に且つ勇気に富むことを證している。』『ツンベルグ日本紀行』山田珠樹訳 雄松堂書店

②『(中略)仮に日本と支那がヨーロッパの諸国と国交を結んでヨーロッパの制にならうと、人間同士の間の戦争はますます頻繁になり、よけいに人間の血が流れることになるのではないか」と尋ねた。「そうです、そのようになるかも知れない」と我われは答えた。「もしそうだとすれば」と日本人は続けた。
「さっきから二時間ばかりその利益をいろいろと説明していただいたが、日本としてはヨーロッパと交際するより、国民の不幸を少なくするためには古来の立場を守った方がよいというのが我われの意見です。」
正直言って私は、この遠回しの思いがけない反駁にどう答えてよいか知らなかった。そこで私としては、「私がもっと日本語が上手になったときには、もちろん我われの意見をもっと正しく証明することが出来るのですが」と答えるより仕方がなかった。しかし心中では、たとえ私が日本語の演説家になったとしても、この真理に反駁することは難しいだろう、と考えたのであった。』
『ロシア士官の見た徳川日本』徳力真太郎訳 講談社
『日本の宮廷は、たしかに人目を惹くほどの豪奢さはない。廷臣は大勢いたが、ダイヤモンドが光って見えるようなことは一度もなかった。わずかに刀の柄に小さな金の飾りが認められるくらいだった。シャムの宮廷の貴族は、その未開さを泥臭い贅沢で隠そうとして、金や宝石で飾りたてていた。しかし江戸の宮廷の簡素なこと、気品と威厳をそなえた廷臣たちの態度、名だたる宮廷に栄光をそなえる洗練された作法、そういったものはインド諸国のすべてのダイヤモンドよりもはるかに眩い光を放っていた。

私はこの見聞録を読み江戸や浮世絵に興味を持った。今から10年ほど前の70歳のころだった。浮世絵は勤勉さだけでなく、社会として遊ぶことや趣味「習い事」の大切さも伝わってくる。趣味はいろいろ楽しんではきたが、さらに浮世絵や江戸が増え、現在はどっぷりと漬かっている。

「他人を敬ういにしえの文化」
http://yorio-salon.sakura.ne.jp/

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