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アラサーで、もういちど英語を勉強することを誓った話

ヨリ

英語が大の苦手だった。

単語の暗記はつまらない。そもそも頑張って勉強しなくても、海外で生活したら自然と身につくんじゃない?

英語が出来ないことにコンプレックスを持ちながらも、やらない理由をならべては、英語学習から逃げまわっていた20代。

今回は、そんな私が30歳で「英語をまた勉強しよう!」と決意したキッカケのお話。

* * *

映画『プラダを着た悪魔』が好きだった。ご存知ですか?と問うこと自体、はばかられるくらい有名な作品ですね。

公開は2006年。ジャーナリストを目指すため、田舎からニューヨークへやってきたアンドレア(アン・ハサウェイ)が、世界中の女性が憧れるファッション雑誌『ランウェイ』の編集部で働くところから物語はスタートする。

ファッション業界に対して絶大な影響力を誇る編集者ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタント職についたアンドレア。

しかし、「本来やりたかった仕事ではない」「これは次が決まるまでの繋ぎの仕事」と思いつつ働く彼女は、当然のように、まったく使い物にならなかった。

「自分の意識を変えなければいけない」

アンドレアがそう決意した瞬間から、この物語は一変するのだが…。

野暮ったかったファッションが洗練され、比例するかのように仕事でも周囲に認めてられていく女性のサクセスストーリーは、社会に出たばかりの私にとって、とても眩しく映ったのだった。

■アンドレアに憧れた20代

新卒で入った会社は、大手の化学メーカー。本社勤務を期待していたものの、配属先は稼働したばかりの化学工場。

女性初の技術職として、私の仕事はスタートを切った。

作業着、ヘルメット、安全靴。工場の至るところでは化学薬品の匂いが蔓延し、煙突からは火がふいている。当然、憧れていたオシャレな職場とは無縁な世界……

それでも「ここで頑張ろう!」と日々の業務をこなし、性差を越えて仕事で認められた、という手応えもあった。

しかし

アンドレアのように、ビシッとオシャレをして、スタバのコーヒー片手に仕事がしたい!!

付け加えると「都心で、ヒールをはいて、仕事がしたい」

バカみたいな理由かもしれないけれど、真剣だった私は、オフィスワーク主体の仕事へ転職。

慣れないパンプスを履いて一歩踏み出したとき、少しだけアンドレアに近づけたように感じたのだった。



転職後は専門分野のコア技術を必死に勉強しなおして、一人前にプロジェクトの担当を任せてもらえるようになったアラサーの頃。

私は、メリル・ストリープと出会った。


■ミランダ編集長と出会った30代


技術職としての自信がついてきた30歳。客先が海外の大手石油会社という大きなプロジェクトにアサインされた。
他のメンバーは、英語が堪能な方々ばかり。

「ムリムリムリムリ!!私、TOEIC300点台ですから!!」

とは、言えるワケもなく、グループのリーダーを務める先輩の下で実務を担当することに。


それでも、

「英語」が出来なくても、専門知識さえあればエンジニアとして通用する。むしろ英語だけ出来ても技術がおろそかな方がやばいんじゃない?

そう思っていたアラサーの私。

なめてました。
アンドレアがファッション業界をなめていたように。

大量の英語仕様書の読み込みが出来ず、客先仕様を見落として何度も後戻り作業をしてしまう。ちょっとしたメールのやり取りに時間を多く費やしてしまう。

日本語であれば当たり前に出来ていた仕事のはずなのに、全くこなす事ができず焦燥感ばかりが募り、「グーグル翻訳でどんな日本語を入力すると、それっぽい英語に翻訳されるのか」という小手先のテクばかりが上達。

私が持っていた仕事への自信は、直ぐにこなっごなに打ち砕かれた。

客先からひとりの女性がやってきたのは、そんな矢先だった。

40代後半くらいの彼女は、金髪ボブに大ぶりのピアス。シンプルながらも上質なニットにタイトスカート。そして、ハイヒールにスッと伸びた姿勢…

「メ、メリル・ストリープがきた!」

いや、正確には『プラダを来た悪魔』でメリル・ストリープ演じるミランダ編集長がきた!

ミランダ(←と勝手に命名)は、プロジェクトのスムーズな立ち上がりのため、客先側の意思決定の責任者として、私の職場に常駐することとなった。

それからというもの、私の日課に「ミランダ編集長へ仕様を確認する」という作業が加わったのだけど、「この書類間で矛盾があります」などと質問をすると、少し眉間にシワを寄せつつも、その場で即回答。

幅広い知識と深い洞察に裏付けされた鬼速な仕事っぷりに、圧倒される毎日のなか

「ミランダと、もっと仕事の話がしたい!」

そう強く思った。

しかし、保育園児以下の英会話力では、それもままならない。
せっかくの出会いのチャンスを、英語ができないことで逃してしまっている、今の状況がもどかしくて仕方がなかった。

「自分の意識を変えなければならない」

ついには、私も英語に対して真剣に向き合おうと決意したのだった。

さあ。映画のなかのアンドレアのように、私の物語は一変してサクセスストーリーは始まるのでしょうか?

ある日のこと。

たどたどしい英語での質問が終わり、その場を離れようとした私に、ミランダが「今からスタバ行くけど、コーヒーいる?」と。

ちょっとまって。リスニング力も微妙な私だが、確かにそう聞こえる。まじで!?ミランダ編集長自らが、コーヒー買ってきてくれるなんて!

アワアワしながら咄嗟にでた言葉は

「ノ、ノーセンキュー」

ミランダとコーヒー片手に雑談する勇気、私にはなかったのでした(泣)

* * *

人生において、映画のような急激なサクセスストーリーは、そう易々とははじまらない。

けれど、ちいさなキッカケが自分の意識をかえ、数年後に大きな実を結ぶことは往々にしてあると思う。


「英語をモノにする!」と誓った私は、その後2人の子の出産・育児と人生が激変していくのだが、今日までなんとか英語勉強は続けている。

それは、「いつかスタバのグランデを片手に、ミランダ編集長とディスカッションできるようになりたい!」

アンドレアになりたかった私に、つぎの新しい夢が出来たからなのかもしれない。


果たして華麗な転身は出来るのだろうか?いまだ道半ばです。

それでは最後に、せーの

「ザッツ・オール!!」


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