見出し画像

山形の「だし」を食べつくす、休日の食卓

夫と食卓を囲むようになって、早10年。

お互いの、慣れ親しんだ家庭料理の味を受け継ぎつつ、「これが、うちの定番料理」といえるレシピが、いくつかできた。

山形の「だし」も、そのうちのひとつ。

私自身は、夫と暮らすまでその存在すら知らなかった「だし」。

けれども、だし県民(もしくは芋煮県民)の夫からレシピを伝授してもらって以来、ここ数年、夏になると毎週のようにつくるほど、ハマってしまった。

郷土料理とはいえ、最近ではスーパーやコンビニでよく見かける「だし」なので、ご存じの方はきっと多いと思うが、念のため付け加えておくと。

「だし」とは、細かく刻んだ夏野菜と香味野菜を醤油などで和えた料理。

その食べかたは多岐にわたる。なんなら、わが家では朝昼晩すべての食卓にしれっと登場している。

たとえば、


朝ごはんの「だし」は、ご飯にのせて

うちの朝ごはんは、「あるものをご自由にどうぞ」というシステム。

白ご飯のときは、納豆、たらこ、梅干しなどを適当に食卓にだすと、めいめいが好きなものをご飯にのっけて、好きなように食べている。

ただ、近ごろは朝から暑い日も多く、ご飯の食べがどうも悪い。

そんなときは、やはり「だし」の出番。

トロトロした食感は、まるで「とろろご飯」のようにさらさらと食べることができる。子どもたちだって好んで食べてくれる。

時間がないときの食事にも最適だ。


昼ごはんは、麺にあわせて

夏の休日の昼ごはんといえば、やはり「素麺」。

午前中から子どもに付き添い、公園やら自転車の練習やらでずっと外にいるため、ランチは帰宅後よーいどんですぐ出来上がる料理ばかりだ。

子どもには「また~」と言われつつも、「まただよ~」と、懲りずに素麺を食卓にだす。

まぁ、麺だけでも十分に美味しいけれど、そこに「だし」も加わると、素麺は途端にご馳走になる。

麺だけだと不足しがちな野菜もとれて、なお良し。

(ちなみに、タンパク質は「鶏ハム」で。「だし」と「鶏ハム」は、わが家の夏の常備菜の双璧)


夜ごはんの「だし」は、酒のつまみにも

休日の昼下がり。

そろそろ夕飯の準備でも…という頃になると、急にそわそわする夫。

「今日の夕飯は何がいいかな」「揚げ物…いや、ささみフライもいいな」と、献立の算段をたてはじめる(休日は、夫が料理することも多い)。

「砂肝を買ってあるから、今日はそれを焼こうと思ってるよ」とかえすと、おぉ~今日は砂肝かぁ~と、夫はにんまりしながら「ビール一本買ってきていい?」といって、子どもを連れていそいそと家をでた。


3人目が産まれたばかりのわが家は、ただいま、4、2、0歳の3人育児の真っ只中にいる。

そのため、夜のお風呂から寝かしつけにかけては、もうそれはそれは、戦場のようで…。夫も私も、滅多に飲み会へは行か(け)なくなった。

そのかわりといっては何だけど。

ささっと作ることができる「居酒屋料理」が、年々、急速に上達しつつある。

ビールとともに豆腐も買って帰宅した夫。どうやら本日のおつまみは「だし豆腐」にするみたい。

(うん。間違いなく、美味しいやつ)


「ふだん、全然飲みにいけないから…」なんて言い訳しつつ、夫は、買い物袋からいつもの発泡酒ではなく「ビール」をだした。

食費のことが頭をよぎり、一瞬、むむむという表情をした私に、すかさず「家のごはんが美味しいからさ!!ビールが飲みたくなって!!」という夫。

…うーん。そんな風に言われたら、なにも返せないじゃないか。


山形の「だし」をつくってみよう

と、まあ。ご飯にもおつまみにもなる「だし」は、あると安心。

あってもすぐに無くなってしまう、常備できない常備菜。それが「だし」。

それでは最後に、ここまで読んでいただいた方に向けて、わが家のレシピをご紹介したいと思う。よかったら、もう少しだけお付き合いください。

(材料 ※野菜の比率は毎回違います)
◆きゅうり:1~3本
◆茹でたおくら:4~6本
◆みょうが:2~3本
◆大葉:約5枚
生姜チューブ:適量
塩昆布(刻み):大さじ1
麺つゆ:大さじ1(目安)

(つくりかた)
① ◆の野菜を5ミリ角に切る。
② 材料をすべてまぜて、1時間寝かせる。
③ 以上です。3日以内に食べきってください。


夏野菜、香味野菜は「きゅうり・おくら・みょうが・大葉・生姜(チューブでも可)」がはいる。すべての材料を5ミリ角に切り刻む。ここは、頑張って細かくしたいところ。細かければ細かいほど美味しいから。

(切った野菜を、次々に保存容器に入れて)


味付けは、「塩昆布」と「麺つゆ」のみ。あれば味の素もくわえる。気持ち「薄め」で味付けしておくと、後から醤油などで調整可能。

(調味料をいれ、さっくり混ぜ)


あとは、味をなじませるため冷蔵庫で1時間放置して完成。私の感覚では、半日から1日おくとちょうど食べごろ。

(半日置いたあと。トロッとしてきた)


と。ここまでは、わが家のレシピをつづったけれど、そもそも、郷土料理である「だし」は、何の野菜をいれても良いし、醤油ベースの味付けだって自由。

味噌汁の具や味付けが家庭ごと違うように、「だし」もそれぞれの家に伝わる秘伝(?)のレシピがあるはずだ。


「子どもの頃から、『だし』はよく食べていたの?」

だし県民として育ち、このレシピを私に伝授してくれた、わが夫に聞いてみた。

「え?実家では『だし』を作っていなかったなぁ」

ん?

「自炊するようになってから、自分でネットで調べて作ってみたんだ」

ん、んん???

「まあ、今ではかなりアレンジ加えたから、当時調べたレシピとはだいぶ違うけどね」

えーーー??そーなの???


実のところ、この記事は「わが家の食卓は、お互い育った味を持ち寄ってできている」なんて言葉で締めくくろうかなぁ、と思っていた。

けれども。

どうやら、わが家の定番料理のほとんどは、どこかの誰かがネットにそっと放流してくれたレシピで成り立っているみたい。

(よくよく思い返してみると、私自身も、母から教わった料理なんてほとんどなく、ネットレシピを見つつ試行錯誤しながら自炊をはじめたんだっけ)


というわけで、この「だし」のレシピ。この記事をもちまして、そっとネットの片隅に戻しておきたいと思います。

どなたかの家庭の味に、引き継げたら良いなぁと思いながら。



▽もっと、ちゃんとしたレシピを!という方、よろしければこちらもどうぞ。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

お読みいただきありがとうございます。 「いいな」「面白かった」で、♡マークを押してもらえるとうれしいです。

好きな本⑤『生物と無生物のあいだ』/福岡伸一
46
保育園児3人(年長、年少、1歳)の母。通勤電車で育児日記を書く日々。暮らしのブログも運営中 https://yorimichi-kazoku.com/