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生産性と、世のため人のため


世のため人のため

世の中の役に立ちたいという思いは、人生において非常に重要なキーワードだと思います。
技術士とは国家資格であり、その根拠法にはその存在意義が以下のように明確に記されています。

科学技術の向上と国民経済の発展に資する。

技術士法第1条

さらに、技術士会としても以下のような綱領を定めています。

業務の履行を通じて安全で持続可能な社会の実現など、公益の確保に貢献する。

技術士倫理綱領

これらは、仕事を通じて世のため人に頑張りましょう、と書かれていると思います。文面だけを見ると、恥ずかしいかもしれませんが、この文が日本国の法律として成立している。それだけでも頑張らねば、と思います。

生産性の向上

私が科学技術で世のため人のためにできることは
専門分野の知識を生かすことになります。わかりやすく言うと、

生産性の向上

という言葉に尽きると思います。
生産性という言葉の意味は以下のように定義されています。

$$
\text{効率 (efficiency)} = \frac{\text{出力 (output)}}{\text{投入 (input)}}
$$

日本生産性本部

投入(input)に対して、産出(output)が
多ければ1以上、少なければ1以下になる。
投入に対して、付加価値を付けて算出するということ、
この付加価値が大きいほど生産性が良い、と言える。

生産性を表す数式は、以下のように様々なものがありますが、

生産性の主な種類(引用:日本生産性本部)

生産性の数字が大きくなるほど、よくなっていると考えてよいです。

インプットを労働時間として、アウトプットを給料としたならば、同じ給料であれば、ブラック企業は生産性が低く、ホワイト企業は生産性が高いということになります。

ただし、ブラック企業の給料がホワイト企業の3倍だったら8時間に対し24時間働いていないと生産性はブラック企業の方が高くなります。ゆるホワイト企業なる言葉もあるので、生産性という言葉だけで話を進めるのは実はちょっと危険です。

諸外国に比べた日本の生産性

日本の生産性は諸外国に比べて、かなり劣っているという報道がされています。

各国労働生産性推移(引用:厚生労働白書)

厚生労働白書のデータを見ると、日本は悲しいぐらい労働生産性が低いことになっている。

この日本の生産性がなぜ劣っているかという問題について
以下の動画に面白い示唆がありました。

日本のホワイトカラーは、ITの活用ができていないのでIT導入が進んでいる諸外国と比べて生産性が低いという意見です。

デジタル基盤の構築によるゲタ

これは労働時間は同じだですが、欧米では機械(デジタル)が作業している部分を日本では人間がやっているから生産性が悪いという話です。非常にわかりやすく、これなら機械(デジタル)を早速導入しよう、となれば良いのですが実際はなかなか難しいのです。

生産性を語るのは難しい

機械(デジタル)の導入による生産性向上、これはある意味正解であるが、すべてがそういうわけでもない。何故か?

機械(デジタル)もタダではないのだから。

日本人は機械も同僚と同じように考えるという話はよく聞く。対して欧米では機械はあくまで道具に過ぎない。

たしかに、人間がやっていた仕事を機械にやってもらえれば数値上、人的労働生産性は明らかにアップする。
ただ、これで正解なのか?と疑問がわきます。

生産性の向上

これは目的ではないのです。今一原点に立ち返ってみると、目的は、

世のため人のため

つまり国民経済の発展に寄与することなのです。人間の作業を機械に置き換えることではありません。生産性の向上が、世のため人のために役立っていなければならないのです。

そう、あくまで生産性の向上はツールです。
ツールは使いこなしてこその道具。
道具に振り回されずに、人の役に立ちたい。
正解があるわけではないと思います。

この課題について、今後も考えていきたいと思います。
ご理解いただけたら幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。



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