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音楽〈MPB〉

早速ですが、タイトルにある〈MPB〉って聞いたことあるでしょうか?ついこの前までわたしも知らなかったのですが、これは ”Música Popular Brasileira” の略称で「エミ・ペー・ベー」と呼ぶそうです。ブラジルの中流階級や白人に好まれたヴァサノヴァに対するアンチテーゼとして、ヴァサノヴァにロックのテイストを加えていったのが始まりだそう…音楽ジャンルに疎いので説明はここまでにしますが、MPBとして私が知った音楽はどれも本当に素晴らしくて、今ではすっかり虜になってしまいました。もともと(ざーっくりと)ラテンの音楽やリズムが好きなのですが、MPBを知り、何か一つ自分の好きなものの答えをもらえたような気がします。美しいメロディライン、ポルトガル語の響き、掴みどころのないリズム、、、聴けば地球の裏側まで連れて行ってくれること間違いなしです。今回はそんなMPBの中でも毎日ヘビーローテーションしている2曲を紹介したいと思います。

全て自分が感じたままを書いたので、他の人と共有できる部分は少ないかも分からないですが、一つそういう捉え方もあるのか〜程度に読んでいただけたら幸いです。

DJAVAN/ Luz

この曲は1996年に発売された、アルバム『Luz』の二曲目に収録されています。私をブラジル音楽の世界へといざなった一曲。「歌詞の意味がどうしても知りたい、口ずさみたい」という気持ちが抑えられず、ポルトガル語の勉強を始めたくらいには惹かれました。

 初めて聴いた時の感動が忘れられません。イントロはフルートとアコースティックギターで始まり、二回し目からベースやドラムが加わります。小さな命が誕生してから少しずつ大きくなっていく感じがします…その先の音楽がいいものだと予感させるイントロです。聴き進めていくとジェットコースターのようなメロディラインに驚きました。一度聴いただけでは到底口ずさめません。上へ下へうねるうねる…このメロディをDJAVAN(ジャバン)の歌声が駆け抜けると「音楽が生きてる」って感じさせられます。エネルギッシュで喜びに満ちてるのかなあ、私にはそんなふうに感じられました。伸びやかな高音を聞くと痺れます。ピアノ、フルート、アコースティックギター、トランペットなど、多くの楽器が世界観を作っていて、この曲を聴くとなにかキラキラした光や色彩が広がっていくようです。跳ねるリズムに合わせて体が動くのを抑えられません。

この曲を機に、ポルトガル語についてほんの少し勉強したわけですが、いざ発音について知ると、この言語の響きの美しさに聴き入っていた自分に気がつきました。スペイン語に似ている、と言われていたのでそのつもりで勉強したのですが、発音に関しては全然違う気がします。zやvをしっかり発音したり、鼻母音と呼ばれる少し詰まったような母音があったり。言語自体が曲のリズムにメリハリを与えているような気がします。この曲を歌えたら幸せだろうと思うばかりです。

ただ、歌詞の意味は本当にわからないんですね、調べても断片的な意味ばかりしか出てこない…唯一確信を持てるのは、曲名の ”Luz” が「光」を意味するということだけ。だから歌詞の意味が分からなくても、聴くと曲は終始光で満ち溢れてるんですね…これはこれで、分からないなりの楽しみ方なのかもしれません。そして曲の締めくくりにある “Vivir da própria luz” という歌詞。タイトルにある “Luz” を曲中で唯一含んだフレーズになります。”vivir”は「生きる」で”própria luz” が「自分自身の光」だとしたら、「自分の放つ光の中で生きて」って意味になるのかなあ、と解釈しました。こんな素敵なフレーズがあったらどれほど勇気づけられるか、と思います。真相は分からないですが、是非そんな意味であって欲しい…

長々と語ってしまいましたが、百聞は一見に如かずということで是非聴いていただきたいです。

https://m.youtube.com/watch?v=BLHpWjqUTRQ

Ivan Lins/ Essa maré

この曲も初めて聴いた時衝撃が走りました。メロディが全然予想できない…ブラジルの音楽ってそういうところがあるのでしょうか、、とにかくこの曲との出会いは未知の世界との遭遇そのものでした。まずIvan Linsの声の澄んでいること!いろんなものを優しく包む、柔らかいベールのような声をしています。ただ、曲調が明るいとも暗いともとれず、なんとも言えません。ちょっと不安にさせられる面もあります。Ivan Linsの声とこの曲調が合わさると、独特の世界が広がります。

サンバのリズムは軽やかに進んでいくのですが、冒頭のフルートアンサンブルに胸騒ぎを覚えます。こういう曲のフルートってめっちゃいいんですよね、先ほど紹介したDJAVANもフルートを使っていましたが、小鳥や蝶のような羽の生えた生き物が連想されます。曲に軽やかさを与えたくてくれます。昔のアニメーションでも実際、蝶が飛ぶシーンではフルートの音が使われていたりしますよね。でもこの曲に出てくる生き物たちは、柔らかくて可愛らしいというよりは、ちょっとした毒を持っていそうな感じがします。

“Essa” は単数女性名詞につく指示形容詞で「その」という意味を持ちます。”Maré” は、意味がいろいろ出てきたのですがどうやら「潮」っぽい。何か渦巻いていてもおかしくない雰囲気は漂ってますが、なにが渦巻いてるんだろう、そこを知りたい…少しずつ勉強していつかわかるようになったらいいな。

ちなみにIvan Lins氏は椎名林檎さんのアルバム『日出処』に収録されている楽曲「赤道を越えたら」にスキャットを提供しているそう。タイトルも「赤道を越えたら」ですもんね。地球の裏側を覗いたような音楽で、静な情熱を感じます。Ivan Linsはイントロで歌ってるのかなあ、あの声が聴こえてきます。

美しくかっこよく少々不穏。こういうものに憧れる気持ちはなかなか日常で味わえないのですが、ブラジル音楽にはそんな気持ちにさせられることが多い気がします。中でもこの曲はその色が強いです。あくまで私の受け取り方なのですが、気になったら是非聴いてみてください。

https://m.youtube.com/watch?v=BrH9fIWezho


まだまだ好きな曲はあるのですが、今回はここら辺で終わりにしたいと思います、読んでくださりありがとうございました!

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