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これは何が起きているのか。日蝕・薄明光線

https://apod.nasa.gov/apod/ap220530.html

島の下から空に向かって放射されている赤い光。
その光が、空の雲を赤く染めている。
周囲の暗さの中、天に向かう赤い光の筋が際立ち、美しいが、同時に何事が起きているのかと、不安な気持ちを起こさせるくらいだ。


実際、この写真に写っている島の下では、何が起こっているのか。あるいは、一体この光は何なのか。

結論から言うと、予想される、ことと予想外のことが起きている。

予想されることというには、通常起きる自然現象で、予想外のこととは、通常起きない稀な自然現象が起きているのだ。


日没後や日の出前、太陽が水平線のすぐ下にある時、太陽の光はまだ地上を照らさないが、空を照らす。これを薄明光線(Crepuscular rays)という。

この薄明光線は、地球の大気の中を長い距離を通って届く
(日中の光に比べて、最大40倍の距離)。
太陽の光は、大気中の粒子に衝突する。そこで散乱させられるのだが、波長の短い光(青色系統)の方が、散乱させられやすい。

従って、大気中を進む距離が長くなるほど、青色の光は散乱し、散乱させられにくい、波長の長い赤色の光が地上に届くことになる。

これが、夕焼けや朝焼けが赤い原因だ。


なるほど、薄明光線が島の下から届いているのか。
わかった。・・・
ところで、この写真の風景、薄明光線としても、暗くないか。写っている、風景全体が暗くないか。

市民薄明の時は、日常生活に支障が生じないくらい、明るいのではないか。
なのに、この写真は航海薄明のようだ。
航海薄明の時期に、太陽がこのように空を照らす薄明光線はないのではないか。

画像処理? フォトショップかい!?
(そうだとしても、素晴らしい写真であることは、認めるが。)


ところが、違う。実写である


・・・・

実は、ここで通常予期せぬこと、通常起こらないことが起きていたのだ。

それは、・・・・
次回につづく。

と、ドラマではなるのだが、yasuのnoteは、そんなケチなことはしない。

この時、部分日蝕が起きていたのだ。
日蝕や部分日蝕も自然現象だ。
そう頻繁には起きないが、起きる。

それでも、たまにしか起こらないから、興味を引く。
でも、それは、日中の話だ。
日没後の日蝕など、考えない。

当たり前だ。
日没後は、太陽が見えない。
つまり、日蝕は見えないのだ。

今回の写真は、その日没後の日蝕(太陽から届く光は弱い)と薄明光線という、誰も思い付かない稀な組み合わせなのだ。

実際、撮影者も日蝕を撮影するつもりであったが、残念なことに雲があり、撮影できなかった。
仕方ないので、機材を片付け、帰ろうとしていた時に、この光景に出くわし、撮影したらしい。

ある意味、日蝕よりも珍しい。

撮影場所は、ウルグアイ。
アルゼンチン方向に向かって撮ったという。

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