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ENVE SES 4.5 インプレ

ENVE SES 4.5


(ストレートスポーク&Newハブではない旧式)
およそ20,000km実走しました。
動画再生(instagram) insta360x4

最高のホイール

結論から言えば、「とても良いホイール」です(当たり前やん)。ツール・ド・フランスなどで使用されるホイールが「やわなゴミホイール」であるはずがないので、手に入れられるなら買う価値は十分にあります。しかし、趣味として自転車に乗る場合、50万円以上のホイールを購入する意思決定は慎重になりますね。

ロードバイクは、ホイールとタイヤが最も重要だと思います。その観点からすると、90万円のフレームよりも40万円のフレームに50万円のホイールを合わせた方が、全体のパフォーマンスは向上するかもしれません。ただ、見た目やスタイルを重視するならフレームが先という選択肢も理解できます(僕もそう)

問題は、「50万円を払っても満足できるホイールなのか」という点です。ただし、こればかりは個人の走行スタイルや経済力によって異なるため、絶対的な基準は示せません。数百億の資産があれば即決購入でよいと思います(笑)

ENVE SES 4.5&FACTOR OSTRO VAM
ENVE SES 4.5&FACTOR OSTRO VAM

コスト感

スペックや乗り味に基づくコスト感で言えば、ENVE SES 4.5は正直言って「割高」と感じるかもしれませんね。ライドパフォーマンスだけを考えると、中華系のホイールも含め、30万円以下のホイールが驚くほど良いものが増えています。しかも、そのホイールのポテンシャルを引き出せる脚力があるかでいえば多くの方がないのでは(笑)たとえば、Winspace HYPER D33は非常に優れたホイールで、多くのライダーにとって満足できるものだと思います。

それでも、「良いホイールが欲しくなる」というのが、自転車にハマった人たちの運命と言えるかもしれません。機材毎の違いを知ることやそこに興味を持つことも楽しみの一つではあるし!

直感的な判断

たとえば、50万以上の価格帯である ZIPP 454 NSW、ENVE SES 4.5、Peak 4550 Evolutionなどのホイールは、試乗する機会がなかなか無いこともあり、最終的には直感的なデザインやブランドの好みで選ぶことにならざるを得ない。僕はポガチャル選手が好きだからとか、完成車に組み込まれていないからリセールバリューが高いとか、フレームとのデザインの相性が良いからというような理由で決めたって感じです。

結局のところ、高価なホイールは性能が確保されており、ライドフィールは個々に異なるものの、試乗できるわけではないので、最終的には見た目で判断するという雑な(ある意味本質的な)意思決定になってしまうなと。

ラチェット音(Jベントスポーク版)

最新のハブは爆音らしいです。Jベントの古いモデルは走りもマイルドですがラチェット音マイルドですね

他者インプレ

ブレアサイクリング/ENVE SES 4.5インプレ動画

日本語でのインプレではこのインプレ動画以上に言語化されているものがありません(笑)所有者も少なくまたその違いを言語化できる人もすくないということなのだろうと思います。

「IT技術者ロードバイク日記」の記事/ENVE SES 4.5 (最新モデル)

これに勝るインプレなんて僕にできるはずもなく!スペック含めて詳細はこちらを読むのがオススメです。ITさんの情報量ぱない。

実装によるインプレ

専門性もなく豪脚でもない僕の感覚を上記記事&動画を補足する形で感じたものは書き残そうと思います。

ホイールの評価は、どうしても相対的なものになり、私の場合は直前に使っていたWinspace HYPER D33との比較感が強めにでてしまいます。リムハイトが異なるため特性も違いますので明らかな変化を分かりやすく体感できました。

私のホイール遍歴

FULCRUM (フルクラム) RACING ZERO←アルミホイール最高峰
FULCRUM (フルクラム)RACING LIGHT XLR←1,230gで超軽量
Bontrager Aeolus XXX 4 ←TREK madoneに合わせた超万能ミディアムハイト
Winspace HyperD33←異次元のコスパ カーボンスポーク

FULCRUM (フルクラム) RACING ZERO
FULCRUM (フルクラム)RACING LIGHT XLR
Bontrager Aeolus XXX 4

巡行性能が極めて高いホイール

軽量ホイールからのミディアムハイトを好んでつかってました。脚力もなく基本的にソロで楽しんでいたという意味ではBontrager Aeolus XXX 4Winspace HyperD33はむしろゴールでした。それぞれまさに万能ホイールであり最高です。初速の加速や軽量性、必要十分な巡航性能。

ただ強いひとと走るようになり!ミディアムハイトの不満点が爆発した感じですね。Winspace HyperD33に対する不満点は当然ですがシンプルに平地巡航で時速35km以上の速度域で伸びが感じられないことです(逆に時速30㎞到達がはやい)時速40kmを超えるとさらに厳しくなり、ケイデンスをあげても速度が思うように伸びません(慣性ががまるでない感じ)。ミディアムハイトであるため当然の部分もありますが、仲間とのライドでもついていくのが辛く、もっと楽にこの速度域を維持したいという欲求が強まりました。そんな欲求がでてきたらもう止まらんという感じでホイール検討。

その観点から、ENVE SES 4.5は非常に優れたホイールだと感じます。「ブレアサイクリング」さんが動画で表現していた「淀みない」という言葉がまさにピッタリです。Winspace HYPER D33ではケイデンスやギアを上げても反応が鈍かったのに対し、ENVE SES 4.5はペダリングパワーがダイレクトにホイール回転に反映され、淀みなく永遠に伸びていく感じで自分の足がどこまで回せるのかがただ純粋に試される。回せば回すほどにただ伸びていく凄さを体感できます。スピード減速が少ないのでスピードがペダリングごとに積みあがっていくイメージです。永遠に積みあがるのではないか!と感じるほどの凄さ。

ENVE SES 4.5&FACTOR OSTRO VAM

快適性

ホイールの乗り味に関しても、Vittoria Corsa Pro30C(前4.2bar、後4.3bar)との組み合わせで非常にマイルドな体感が得られます。おそらくスポークテンションが低いことが影響しているのでしょう。現代のフレームは基本的に剛性が高いため、ホイールとチューブレス(空気圧)で乗り味を調整が快適さの全て(ほとんど)だと捉えています。そのため、フレームの硬さに対する心配は少なく、300kmのライドも十分にこなせます。実際「FACTOR OSTRO VAM 2.0」はハイエンドのレース特化フレームなので普通にカチコチなわけで!ただ他のフレームは基本的にはハイエンドであればカチコチでしょうから重要なのはホイールとタイヤと適正空気圧というところですね。

独特な感覚

ENVE SES 4.5のホイールを使い始めたときに驚いたのは、ホイールがまっすぐ立とうとする推進力です。最初はその感覚に違和感を覚えましたが、今では慣れてきました。ホイールが立ち上がり、フレーム全体がまっすぐ進む感じが推進力に変わるという不思議な感覚でそれは確かにあります。さらに、リムには全くヨレがなく、押してもへこむことがないガッチリ感が素晴らしいです。

スペック上では、同等のホイールと比較すると若干重めに見えます(それでも十分軽量ですが)。例えばZIPP 454 NSWの方が軽く軽量です。ただENVE SESのリムのガッチリ感を考えるとこの重量の軽量さに感心します。また平地巡航時の慣性がエアロ効果だけでなく、適度な重量にも支えられていることに納得感があります。

登坂だと

登坂ではどうかというと、Winspace HYPER D33の方が軽快に登れる感覚があります。軽量でカーボンスポークによるかかりの良さから、力強く踏める感じがします。しかし、実際にはヤビツ峠程度の斜度ではENVE SES 4.5の方が速いという結果でした(コンディションの違いはあるものの)。登坂時のフィーリングとしては、ENVE SES 4.5の方が重く感じますし、斜度が上がるとそれが顕著になります。登坂時のライドフィールは明らかに違いますが、結果については誤差の範囲内です。

ダウンヒル

ダウンヒルに関しては、ただただ最高という感覚です。私はダウンヒルが大好きなので、ENVE SES 4.5での走行は本当に気持ち良くてたまりません。セッティングは前後ともに140mmのローターをセットしており、コントロールを重視しています。特にフロントも140mmにすることでブレーキが効きすぎず、下ハンドルを握りながらスムーズに速度を上げていけます。

さらに、Vittoria Corsa ProC30タイヤのおかげで安定感が増し、フレーム性能とホイール性能が掛け合わさって、長いダウンヒルが毎回気持ちよくてたまりません。

パンク(フックレスって大丈夫なのか?)

一方で今年はすでに5回のパンクを経験しています。すべてリム打ちパンクで、2勝3敗といったところです。リム打ちによってサイドカットしてしまうと、復旧はなかなか厳しいです。

パンクの原因として共通しているのは、バルブがしっかりとハマっておらず、そのために空気圧が下がり、結果として道路の段差などでリム打ちによってパンクするというパターンです。一方、バルブがきちんとハマっている場合には、空気圧は保持されている状況なのでパンクのリスクはほぼなく、非常に安定します。

経験をへて、私は新品タイヤ、基本的にショップでセッティングしてもらい、シーラントの管理を怠らないようにしています。その結果、ほぼパンクすることはなくなりました。がしかし。。。信頼できるショップが近所にあることが必須ですし、自分でよるのと比較するとコストがかかります。フックレスでチューブド運用ができないので、その点においては運用コストとしては高くつきます。(自分で上手にできる方は問題ないですね)
信頼できるショップとの出会いは必須ですね。特にチューブレスは上手い人がはめるとしっかり安定してそれこそパンクリスクも軽減します。

パンクによりマビックSLRで救済された図
ENVE SES 4.5&FACTOR OSTRO VAM

最後に

どうせ直感的に(お財布事情を考慮し)買うってことかとは思います。レースで使うための性能とコスパ重視なのか。性能はもちろんであるが所有欲や憧れを満たす目的なのか。それぞれと思いますが、僕はまたENVE のホイールをリピート購入すると思います(カーボンスポークくるかなw)それほどには気にってますし、大好きです。機材スポーツの罠(足るを知る大切)

ENVE SES 4.5&FACTOR OSTRO VAM
ENVE SES 4.5&FACTOR OSTRO VAM
ENVE SES 4.5&FACTOR OSTRO VAM

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