インターネットな製品企画のカタづくり #1

この記事は

そろそろ自分に溜まってきたインターネット業界の製品企画のナレッジやノウハウを目に見える形で残しておきたいと思って書く。たぶんしばらく投稿するので、# をつけて連載形式にしてみました。

注意事項

この記事は、一切がフィクションであり、所属組織や企業を代表するものではありません。また、この話にでてくるナレッジは読者の製品や事業の成功を保証も約束もしません。

あと、このあとに続く文章も、おそらく整理されていないし、某メガベンチャーの人事の方のような、きれいな図解はでてきません。インターネット業界の製品企画の関するナレッジやノウハウがでてくるエッセイみたいに思ってもらえると助かります。

Product Managementのどこの話してるの?

カタカナ書きの「プロダクトマネジメント」がタイトルについてる記事や本を読んで思ったのは、「紹介される知見・ノウハウがとにかくバラバラなんだよなあ…」ということ。まず、WEBに乱立する記事について。とにかく全然規模感の違う企業が「プロダクトマネジメント」というタイトルをつけて記事を書いたり勉強会で登壇している。メルカリと創業数年以内のスタートアップ企業では規模感が全然違うし、組織形態も何なら違うだろう。

本については、「なんか全部スケールする前の事業・プロダクト。開発組織の規模でいうと、10人前後の話が多くないですか?」と言いたい。だいたいリーン開発だ!MVPだ!というお決まりのフレーズにあふれている。(余談だけど、スタートアップ、いわゆるMVPでリーンな開発サイクルを回した結果、Scaleフェーズまでいった企業、日本にどれくらいあるんだろうか)

あと思うんだけど、プロダクトマネジメントに興味ある全員が全員、創業数年以内のスタートアップ/ベンチャー企業に属しているんだろうか。これは自分の推測だけど、だいたいの人が、ある程度の売上が維持できている事業で企画やってるんじゃないだろうか。だとしたら、一見よさそうに見えるが、本当はそのフェーズの現場では機能しない知見やノウハウが、ありがたがられているんじゃないだろうかと思ったりする。

「Product Management」のフレームワーク

話は少し変わって、前回の記事の話をしたい。記事の最後にProduct Managementの大事な役割として、「事業が成長し継続するために、売上を生み出す確率が高い製品・機能・施策を継続的にリリースするための機能」があるのでは?とそれっぽい話をしてみた。

カタカナ書きの「プロダクトマネジメント」も、事業やプロダクトのフェーズはバラバラで自由に情報が飛び交っているが、基本的に目的は「事業成長につながる製品・機能・施策をリリースする」ことから大きく外れないハズだと思ってる(というかそれ以外ない)

カオスになる理由は、情報が整理されていないこと。情報を整理するカタ、フレームワークがあれば、現状カオスな、日本のカタカナ書きのプロダクトマネジメントも多少マシにはなるんじゃないかと思う。ということで、Product Managementのフレームワークを探してみたようと思う。

何個かProduct Managementのフレームワークを探してみた。
一部を並べてみる。


Open Product Management Workflow

画像3

https://open-pmw.org/

Optimal Product Process (OPP)

画像4

Product Management for Software Products

画像4

https://ispma.org/ispma-has-completed-the-release-of-the-new-foundation-level-training-and-examination-v-2-0-for-software-product-management/

仮説のミルフィーユ

画像2

他にもありそうだけど、キリがないのでこのくらいで。
Product Managementのフレームワークを探してみると世界中にあった。
大体が、ビジョン・戦略・実行、いわゆるVSEが入っている。
(ちなみに、VSEのフレームワークで有名なのは米国のシスコシステムズ)
非常に理にかなってると思うし、これができたらなんて素敵なんだろうと思う。

実際にできれば。

言ってしまうと、こういう"いかにも良さそうな理論・フレームワーク"を現場に持ち込もうとしてうまく行った例は、そんなにないんじゃないかと思う。あの最もIT/インターネット業界で一番普及してるであろう、スクラム開発ですら、現場からの抵抗を解消できず、スクラムの導入自体を断念した話は結構聞く。プロダクトマネジメントで、スクラムと同じ話が起きないわけがないと考えるほうが自然だと思う。

実体験を話すと、自分も少し前は、↑のプロセスみたいなものをやればプロダクト企画も開発もうまくいく!的な希望を持っていた。
ただ、数年間プロダクト企画やUX推進のPJTでフレームワークや考え方の導入をしてきてわかったが、新しい考え方やフレームワークの導入は、すでに存在する組織・業務・人材と適合させるために、かなりアレンジが必要だ。アレンジの範囲は、フォーマットも、フォーマットで使われる用語も、導入方法と、限定されない。
同様に、Product Managementも、すでにそこにある組織・業務・人材に合わせていく必要があると考える。そのためにはどうすればよいか。

自分は、「その会社・事業ならではのProduct Managementの「カタ」をつくっていくことが必要では?」と考える。
そのカタは、事業規模・組織規模や成熟度合いによって、変わってくると思う。ただ、そのカタを明確にすることで、発信されているプロダクトマネジメントの知見やノウハウから、自分たちの事業・組織にあったものを取捨選択できるようになると思う。

その会社・事業ならではProduct Managementの「カタ」について、次回から具体的なイメージとともに、考えていきたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?