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税理士公認会計士であればFP2級を初見で合格できるか

先の日曜日(2022年5月22日)にファイナンシャル・プランニング技能検定つまりFP2級の試験が行われまして、試験当日の感想等は以下の記事に書いたところです。

今日は、少し時が経ったので改めて試験を見直して、税理士・公認会計士を持つものであればFP2級に初見で(つまり全く勉強しないで)合格できるかということを検討したいと思います。

FP2級は午前の学科2時間(60問マークシート4択)、午後の実技1.5時間(40問記述)に分かれており、各々6割の得点で合格です。

で、結論としては、税理士・公認会計士であれば初見で合格できる(して然るべき)ということとなります。

以下、税理士・公認会計士であれば今回の問題が初見で解けるか解けないか(解けるべきか)を、あくまでわたしの目線で評価しました。

学科

各問評価

全60問中ほぼ半分の29問が出来て然るべき、正答したいのが17問、さすがに勉強しないと難しいかなというのが残りの14問となっています。

FP2級の学科試験は大きく6分野に分かれており、そのうちタックスプランニングについてはタックスである以上税理士であれば当然に正答して然るべき問題となります。

相続については、贈与税、相続税、財産評価といった税務そのものの論点で半分以上が占めており、これらは正解することが求められます。それ以外についても、相続税を業務としているのであれば知っていて当然の知識といえます。

それ以外の分野についても、生命保険料控除についてだったり、税務のことが1~2問は問われるのでこれらは正解して然るべきとなります。

また、公認会計士(税理士でも)目線でいうと、決算書関連の問題は当然として、株価指標や各種係数の問題は常識の範囲といえます。

学科の点数取りどころ

・タックスの10問全部
・相続の8₋9問
・金融も7₋8問は取りたい
…ここまでで25問を確保。
合格に必要なのは36問の正答なので、残り11問を残り3分野から各4問取れればよいわけです。

中には一般常識に基づいて文章読解力があれば解ける問題(問15)があったりするので、そういったものを拾い上げていけば合格点に達するのは難しくはないでしょう。

逆に、社会保険関係、生命保険・傷害保険、不動産の法規制なんかは知識がないと解けないので、改めて勉強しないと正答するのは難しいかと思います。

実技(FP協会)

各問評価

全40問で、そこから小問が分かれるので回答する箇所は今回は71ヶ所でした(大問40:小問71)。学科と同じく6割合格ですが、配点は公表されていません。

実技の点数取りどころ

実は実技の方が点数が取りやすいんじゃないかと思います。
問題文に出てくる計算式にそのままあてはめをすれば済むという問題が1題は必ず出される印象です。(今回は問12,18)

また、キャッシュフロー表(問23-24)や各係数(問26₋28)問題は、サービス問題といっていい感覚です。

各係数の問題でいえば、各係数の数値は与えられているので、例えば「15年後に700万円を準備するときに年利1.0%で複利運用する場合、いまいくら必要か」といった問26に対し、1に近い1より少ない数を選べばよいわけです。現価係数が何か、といったことを諳んじている必要は全くナシ。

どうやらFP2級では初めて出たらしい定率法の問題15も、税理士にとってはサービス問題扱い。

以上を踏まえ、全体の半分以上は出来て然るべき。〇×問題も全部間違えるということはなく、それらが全部あっていないと点数がない、ということはさすがにないでしょうから、合格点の6割には到達できるでしょう。

税理士公認会計士がFP2級を受ける対策と意義

試験対策

以上見てきたように、税理士公認会計士であればFP2級レベルであれば初見であっても合格点の6割に達するのは難しくなく、むしろそうでなければちとマズいのではないか、といった感じです。

とはいえ、上記で〇とした当然取れるべき問題も、実務で触れていなければあれなんだっけなとなるので、受験するとなればせめて過去問3回分くらいに目を通しておくべきでしょう。そのうえで、ポイントとなる数値をキチンと抑えれば試験対策としてはオッケーです。

わたしは試験1か月前になってそろそろやり始めるかとブックオフで買った予想問題集3回分を解き始め、過去問過去3回分をやりました。総勉強時間は50時間くらいでしょうか。

時間に多少余裕があれば、FP2級はWeb上で無料のコンテンツがたくさん転がってますので、隙間時間にそれらをやればより良いです。

また、試験対策だからといって教科書を買ってきて最初から通読…なんかするより実際の問題を解いてみて間違ったところを徹底的に復習する方が良いと思います。予想問題を5回分やるより3回分やってその復習に時間をかけて、3回分に出てきたところは全てカンペキにするというスタンスです。自分もそういう風にすればよかったな、とちょっと反省です。

近年は過去問ズバリではなく若干言い回しを変えてきたりの出題傾向となっているようですが、そうはいっても過去問3回分を完璧にしていれば8₋9割はいけるでしょう。そこまで試験範囲が広いほどでもないです。

受験の意義

税理士・公認会計士でいまさらFP2級を受けたところで…というところは実際あるものの、お金回りの知識をそこそこ網羅的に抑えている公的な試験という点でFPは最適かと思います。

上記の各問評価でちょっと勉強しなければわからないとした、社会保険、生命保険・傷害保険、建築基準法の規制なども、全く触れたことがないわけではなく、実際の業務ともかなり密接に関連してくると思います。そういった知識を整理するという点で有用かと思います。試験料は高いけど。(次回の9月からさらに値上げするとのこと)

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。

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