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Papers & ZINE(β版)を提供開始しました

 Papers & LaboからZINEやリトルプレスの販売サイト『Papers & ZINE(β版)』を提供開始いたします。

Papers & ZINE β版 http://proto1.xsrv.jp/

【目次】
1.ZINE、リトルプレスとは
  1.2.ZINEの魅力と弱点
  1.3.ZINEの課題
2.Papers & ZINEの目的「ZINEの認知度を広めること」
3.Papers & ZINEの特徴と意図
   3.1. 意図①「作者の想いを伝える」
   3.2.意図②「ZINEを作る人の参考になる情報を発信」
   3.3.意図③「書店への流通」
4. 今後の展開

1. ZINE、リトルプレスとは

 作家が個人または小規模に制作した冊子のこと。商業出版と比べ縛りが少ない分自由度が高く、内容から製本に到るまで個性的な作品が多いです。
 ZINEとリトルプレスの定義については人によって違い曖昧な部分もありますが、ZINEと呼ばれるものは手製本をされていたりと、よりクラフト感が強い印象です(以下、呼称をZINEに統一)

1.2. ZINEの魅力

 実物を手にしてその内容の面白さに驚く作品も少なくありません。商業出版とは違い、ZINEはプロの編集者によって手が加えられていない分、作者の思いがそのまま冊子となる傾向が強いです。
 その自由度の高さが魅力そのものに直結しています。例えば、プロのイラストレーターがクライアントの要望に縛られず自由に表現した作品、雑誌の編集者が試したくても試せなかったアイデアを形にした作品等々。

 もちろん、出版社が間に入るメリットもたくさんあります。どちらがいいかという話ではなく、ZINEにはZINEだからこそ表現できるものがたくさんあるのです。

1.3. ZINEの課題

 ここ数年で盛り上がりを見せているZINEやリトルプレスは、自費出版の新しい形ではありますが、販売面において大きな課題があると思っています。

 主な販売方法は、作者はイベントへの出店による手売りや、個人のWebサイトによる通販です。
 ZINEの販売サイトや、本屋の実店舗で販売されている商品もありますが、多くの人の目に触れる機会は少ないのが現状です。
 以前に比べれば盛り上がっているとはいえ、まだ一部の人たちの間で楽しまれている存在なのです。

2. Papers&ZINEの目的「ZINEの認知度を広めること」

 ZINE、リトルプレス、または同人誌といった自費出版系のワードはまだまだ一般層にまで浸透していません。
 先ずは、この認知度から広げていきたいと思っています。もう少し具体的な言葉にすると「作家を増やす」「読者を増やす」「販路を増やす」ことです。

 現在の市場規模では、作家も、販売業者も、ZINEの販売のみで利益を出し生活するというのは難しいです。商業出版ですら厳しいので当然かもしれません。
 ZINEが全国の本屋さんに並ぶようになり、連日イベントが開催されるようになれば、当然、市場規模は大きくなります。趣味としてZINEの制作をされている方にとっても活動の場が増えます。
 そして、作家も増え、面白い作品も増える好循環に入ると、選書といった新たな役割を担うプレーヤー・サービスも必要になってくるでしょう。

 我々は、ZINEを広める活動をされいる諸先輩方と一緒に、何かの役割を担えればと思っています。複数プレーヤーによって小さな市場を奪い合うのではなく、市場そのものを大きくしていきたいです。

3. Papers & ZINEの特徴と意図

サイトの最大の特徴「トップページが作者のインタビュー記事」

3.1. 意図①「作者の想いを伝える」

 Web上でZINEを販売するにあたり商品の表紙と数点の画像、数行の説明だけでは足りないと感じました。
 これまで説明してきたように、「ZINE=作者の想いがストレートに表現されたもの」と捉えています。だとすれば、作品を紹介する際に欠かせないのは「作者の想い」ではないでしょうか。

 文学フリマやコミティアといった販促イベントに足を運ぶと、盛況な理由が垣間見得ます。作者と直接会話をして、その考え方、人となりに共感できたからこそ納得して購入に至るのでしょう。

 その対策の一つとして、Papers&ZINEではインタビュー形式を取りました。これからも徐々にバージョンアップしていき、販促イベントに行っているかのような臨場感が伝わるような表現していきたいと思っています。

3.2. 意図②「ZINEを作る人の参考になる情報を発信」

 Papers&ZINEは他のECサイトと比べて「購入者」への訴求はそれほど強くないかもしれません。トップページがインタビュー記事の一覧であることからも見て取れると思います。

 ECサイトのデザインは「トップページからでも商品情報がわかりやすく、少ないクリック数で購入ボタンまで進んでもらう」ことが基本となります。
 しかし、Papers&ZINEはトップページから商品を見るためには、先ずメニューにある「SHOPボタン」を押さなければいけません。
 これは、作家のことを知ってもらった上で、商品の購入を検討していただきたいからです。
 そして、作家さんのインタビューではZINEを作るようになったきっかけや、制作過程でこだわった点や、苦労した点などを答えていただいています。

 兎にも角にも、先ず作品の一歩手前となるZINEそのものに興味を持っていただきたいのです。Papers&ZINEがきっかけで、自分も作ってみたい、本屋でも置いて欲しいと声を上げてくださる方が出てきたら嬉しいです。

3.3. 意図③「書店への流通」

 そして、販路拡大の具体的なイメージです。Papers&ZINE上での販売数を伸ばすことは当然として、それ以上に重要だと感じているのが書店への流通です。
 本は、ネット通販が勢力を伸ばしているとはいえ、実物を手にしなければ買いづらい商品の一つだと思います。
 書店でも当たり前のように取り扱われるような存在になっていかなければ、一般層にまでは広まらないでしょう。

 ZINEは一般的な書籍が経由する「取次業者」を通りません。そのため、興味がある書店員さんがいても仕入れることが難しいのです。
 直取引に積極的な独立系の本屋さんで、ZINEを取り扱われている店は見かけるようになりました。しかし、全国9000店強ある本屋さんのうち、そのような店は10分の1もないと思います(比率については個人的な感覚です)
 その独立系本屋さんであっても、作家からの売り込みや、知り合い経由での紹介による仕入れが中心で、自ら情報を探しに行って交渉をするケースは稀ではないでしょうか。

 Papers&ZINEでは将来的に、書店への流通機能も果たしたいと考えています。
 現在はまだシステムには組み込まれていませんが、このサイトに来れば、人気作家さんが一目でわかる、作家さん個別とのやりとりが簡略化される、数多くの作品の中から選書されるといったサービスを提供する予定です。

 掛け率の問題ですが、現時点では作家さん個々と書店さんとの話し合いで決めていただくことになりますが、β版の検証期間が終わった際に、ZINEの取り扱い条件の基準となるできるようにしたいと思っています。
 今のところZINEは、買い切り6掛け、委託販売6.5~7掛け、◯部以上の場合は送料作家負担と行った条件が一般的でしょうか。
 もし、我々が中間マージンとは別のところで利益を生み出すことができれば、このサービスの利用そのものを割引・完全無料化もできるかもしれません。
 作家さん、書店さん、そして間に立つ我々にとって、どの条件がベストなのか、それも含めての検証期間となります。

▼書店側のメリット
・利益率が高い
・作家を探す手間が省ける
・まとまったタイトル数を確保できるため売り場展開がしやすい(ZINEのフェア等)
・作品だけでなく取引相手(作家)の内面も見える
・タイトルごとの発行部数が少ないため他店舗との差別化が測りやすい

 まだ紹介している作家数は少ないですが、今後100人、200人となってきた際にようやく書店にとって現実的なメリットが生まれてくると思います。
 もし興味を持っていただければ、作家さんを探すところから一緒に企画していければ面白くなるのではと思っています。

4. 今後の展開

 先ずは、ZINEの制作から、宣伝、ネット通販までを一括でサポートするサービスの展開を目指していきます。β版ではZINEそのものの需要を検証すると共に、運営をしながら必要な機能を調査、可能なものから順次実装して参ります。
 また、将来的には全国の書店への流通機能も包括した、個人出版のプラットフォームを目指しています。

 最後に、正式リリース前にも関わらずインタビューに答えてくださった作家の皆さま、相談に乗っていただいた書店員の皆さまに感謝いたします(お名前を個別にご紹介できず申し訳ありません)
 また、この取り組みを面白いと思ってくださった方はぜひご連絡ください。一緒にZINEを広めていきましょう!

Papers & Labo 代表 土井優紀  /  米本和弘


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和歌山県和歌山市在住。Web系広告代理店に勤めた後、マーケティングコンサルタントとして独立。本の研究所「Papers & Labo」所員。プライベートでは読書を広める集団「THE読書ズ」として活動。時々、東京にあるニジノ絵本屋の手伝いもしています。玄米と本が好き。