見出し画像

本屋がどれ程の勢いで減っているのか知っていますか? #本のホントの話 01

 本が売れなくなった、読まれなくなったというニュースを耳にしたことがある人は多いと思います。では、本屋は毎年どれくらいの軒数が閉店しているのか知っていますか?

 1999年に全国で22,296店舗あった本屋が、2017年5月には12,526店舗に。平均で年間514店舗、19年間で約45%も減少しています。

 Amazonが日本に登場したのが2000年の11月。通販購入者が増え、実店舗で買わなくなっただけでは?という疑問が浮かんだ人もいるかもしれません。しかし、出版の市場規模そのものが、1996年の2兆6564億円をピークに、2017年には1兆5901億にまで減っています。

 近年では、電子書籍が普及してきているイメージもあるかもしれませんが、電子書籍の伸びるペースは他媒体の縮小より遅く、業界全体では年々厳しくなっていることに変わりありません。

 実際に、本屋が減少している要因の一つとして、ECサイトが増えたから、電子書籍が登場したからというのもあると思います。しかし、その影響力はそれほど大きくないのかもしれません。
 一番の要因はもっと単純で市場規模の縮小、つまり「本を購入する人が減った」ことであり、「消費者が本とは別のモノにお金を使うようになった」ことでした。
 競合相手は業界外にいるということです。本よりも別のモノの方がお金をかける価値があると判断されているのです。

 これらの話は、出版関係者からすれば今更感のあるものだと思います。しかし、私のようにはっきりとした数字を知らず実感がわいていない消費者も多いのではないかと思い、まとめてみました。

憧れの本屋経営は憧れのままにしておくべきか

 「あの本屋が無くなってしまって悲しい」という声は所々から聞こえてきます。それに対して「悲しむくらいなら閉店する前に通っておけばよかったのに」という意見が出てくることもあります。
 しかし、本屋の場合は前述の通りお店に行く行かない問題よりも事態は深刻です。そもそも本を買わないのだから。

 飲食店のように、閉店した数だけ新しい店がオープンするといったこともありません(古書店は例外として改めて話します)
 3年ほど前までは、新規の書店が増えづらい理由の一つとして、取次との契約条件が厳しいという話もよく聞きましたが、最近は聞かなくなった気がします。例え、取次が条件を緩め新刊取り扱いのハードルが下がったとしても、右肩下がりの市場では、憧れはあれど人生を捧げ実店舗を持つことに躊躇してしまう人が多いからかもしれません。
 もはや流通システムの問題ではないのか、今の時代に合った流通システムがあるのか。Amazonの買い切り宣言も重なり先行きが不透明ですね。ただ、繰り返しますが、競合は業界外にいるということです。

この先どうなっていくのか

 斜陽産業となってしまった今、どうしていけばいいのでしょうか。世帯収入が増えるか物価が下がらなければ、消費者の所得は奪い合いのゲームのようなものです。

 近所にある本屋よりも魅力的な店にしよう、あの出版社より支持される本を作ろう、という考え方では厳しくなっていく一方です。近所にある人気店(他業界の店)より魅力的な店にしよう、あのコンテンツ(Webコンテンツ等)より支持される本を作ろう、がこれからの考え方だと思います。
 もう一歩踏み込むと、近所にある本屋と一緒に地域の本文化を育てていこう、あの出版社と一緒に業界を盛り上げていこう、が理想的だと思います。
 本屋、出版社、業界関係者が一丸となり、本というコンテンツが消費者にとって価値あるものとして再評価されるという目標に突き進めば、まだまだ復活できると思っています。

 私が偉そうに言うまでもなく、知り合いの本屋さん、出版社の方々を見ていると結束力は強く、このまま黙って終わる業界ではないとも感じています(課題は大手と中小の共存にあるのではと思っています)。


私にできることは何か、を考える

 今回は本屋の減少について、市場規模を元に展開しましたが、別の回で「消費者が読書に費やす時間も減少している」点についても考察していきます。

 本を読む人が増える。ネットでもいいので本を購入する人が増える。本を読む人が増えた結果、実店舗に足を運ぶ人も増える。
 そのために出版関係者ができること、読者ができることは何でしょうか。

 そして、私にできることは何だろう?増やすだけではなく読書離れを防ぐには?と毎日ぐるぐる考えています。
 次回は一人の読者として何かできないか考えた結果、勢いで期間限定の新刊書店を開き大怪我をした時の話をしたいと思います。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます◎
14
和歌山県和歌山市在住。Web系広告代理店に勤めた後、マーケティングコンサルタントとして独立。本の研究所「Papers & Labo」所員。プライベートでは読書を広める集団「THE読書ズ」として活動。時々、東京にあるニジノ絵本屋の手伝いもしています。玄米と本が好き。