テストプレイで心折れないために1
テストプレイがうまくいかなくて心が折れてしまう。
ゲーム制作あるある、である。
このせいで製作を断念した人が何人いるだろうか!
悲劇を繰り返さないために、どのようにテストプレイをすると良いか、まとめてみよう。
【1】「いきなり最終段階のテストプレイ」が悲劇を招く
テストプレイでボロカスに言われる人の多くは、「最終段階のテストプレイをいきなりやる」というミスをしている。
まだ最後まで遊べないゲームを、「最終段階のテストプレイ」にぶっこむとボロカスに言われるという悲劇が起こる。
テストプレイする人は、(ついつい)過去にやった完成した名作ゲームと、未完成のまだ面白くなってないゲームを比べてしまう。
いくら「まだ未完成です」「まだ製作途中です」と事前に言っていても無駄だ。プロフェッショナルなテストプレイヤーなら別だが(そんな人はほとんどいない)、ふつうの人は、完成したゲームと比較してしまう。たくさん遊んでいるのは完成したゲームだからだ。その状態を、ついイメージして、ついついそれらと(完成した、自分好みの、自分がやりたいと思って遊んだゲームと)比べてしまう。
比べて、欠けている部分を指摘してしまう。
【2】ゲーム制作は後半で面白さが有機的に結びつく
そもそも、ゲームは最終段階のブラッシュアップで「伝わるおもしろさ」がグンとアップする。
コンピュータゲームだと効果音がしっかり入って敵のリアクションがわかりやすくなると内包した面白さが伝わりやすくなる。
カードゲームはカードのデザインや色が確定して視認性があがると遊びやすくなりその面白さがグンとわかりやすくなる。
最終的な調整や統合で、おもしろさのパーツが有機的に結びついて、伝わりやすくなるのだ。
だが、それ以前の段階だと面白さを100秘めていたとしても、プレイヤーに伝わるのは30ぐらいだってこともありえる。
そうなると、内包している面白さは伝わらない。
*上記図については、また改めて詳しく書くねー。
【3】場のセッティングとテストプレイのイメージ
しかもテストプレイをした人は「テストプレイだから、改善に役立ちたい」と考えている。そうなると「面白くない点を指摘してあげなくては」とがんばって親切心で指摘する。
作る苦労と作る難しさを、もちろん想像してくれはするだろうが、実際にやってなければ実感としては把握できてない。秘めてる面白さを探り出すのは無理だ。面白くなかったという印象からその理由を逆算する。だから、言われる側はボロカスに言われたと感じてしまう。
これは、テストプレイする人や、自分が悪いのではなく、場のセッティングがミスっている。
テストプレイを段階的に考えると、大きく3段階に分類することができる。
ところが、テストプレイについてイメージしたとき、もしくは語られるときは3段階目の「最終段階のテストプレイ」だけが想起されがちだ。
以前書いた「テストプレイは行動の観察が重要」というテキストも、「最終段階のテストプレイ」のことを書いている。
「テストプレイ」の話題は、この「最終段階のテストプレイ」のことだけを「テストプレイ」と呼んでいるのだ。
では、本来の「最終段階のテストプレイ」とはどういうものか。そして、どういうステップを踏んでテストプレイを最終段階まで導いていけばいいのか。
って長くなったので次回に続く。
告知。
オンラインイベント「米光一成×ミヤザキユウのテストプレイ会議」を7/4(土)21:00-にやります。
*盛況、ありがとうございました。
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