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思考停止しているかどうか確認する10のポイント

2004年11月にブログに書いたテキストの改稿版。

思考停止というのは
、あんまりしつづけるとバカになるので、ほどほどにしなくてはいけません。
思考停止しているかどうかを知るためには、自分が書いた文章を読みなおしてみるといいのです。
以下にチェックポイントをあげます。チェックしてみてください。

【1】「ではないか」「と思うのだが」をたくさん使っていないか。
短い文章のなかに「ではないか」を多用しているのは、自分の論に根拠がなくただの思考停止で暴走している憶測論を書き綴っている場合が多い。「ではないか」が何度も出てきていないか調べるべきではないか。

【2】「そのあたりも考えてみてもらいたい」「真剣に考えるべきでしょう」などという文章で締めてしまう。
まさに思考停止の締め方。考えぬかれた内容であれば、そんなこと書かなくても読者はちゃんと考えるのだが、考えずに書いてしまうので、読者に「考えてみてもら」わなきゃ締めくくれなくなってしまっている。まあ、そもそも書き手が真剣に考えてから書いていれば、こんな紋切り型の終わらせ方をするわけがない。

【3】「原則的には」「基本的には」を多用する。
これ、ぼくもよくやります。2,3回繰り返していたら、推敲時に全体を考え直して書き直す。原則や基本以外のあれやこれやを考えずに書くのは危険です。

【4】具体的な指摘がない
考えを追求しようという意志がないので検証すらしてない。そのせいで具体例をあげられないのだ。

【5】「の方がずっとかっこいいと思う」とか「が素適だと思う」という表現に逃げる。
論理を重ねていくようなタイプの文章のなかで、ついつい考えぬくのがめんどうになって、感覚的な表現で逃げてしまう。いわゆる印象批評というヤツである。逆に、印象だけでけなすのも、ありがち。「当たり前だ」とか「常識的には」なんてのになるともう目も当てられない。

【6】1つ2つの例だけで、すべてだと思い込む
身近な例や、SNSの自分のタイムライン、アンケート調査を1つ2つあげて、それがすべてだと主張するようなもの。
ついつい自分の周辺の事情と一致すると「そうそう!」とか思って思考停止して書いてしまう。
→新聞やテレビで流されるアンケートや社会調査が、どれだけ杜撰か、どれだけ偏向しているか、どれだけ歪められているか、は、『リサーチ・リテラシーのすすめ 「社会調査」のウソ』『デ-タはウソをつく: 科学的な社会調査の方法』に詳しい。

【7】「今の若者は」「大学生は」「男は」「女は」「左は」「右は」「一九七〇年代までのファンタジーは」などと大雑把すぎるくくりかたで話を進めてしまう
これも【6】の少ない例だけで全部だと思ってしまうタイプの人がよくやっちまいがち。あと、新聞とかで発表されたアンケートを検討せずに鵜呑みにしてしまうタイプ。最近の大学生は、中学生レベルの言葉の意味も知らないんですよ!って大騒ぎしたり。

【8】主語を複数にしてごまかしてしまう。
“私は”と書くべきところを“私たちは”などと書いてしまう。だれだ、その“たち”に含まれるのは? 勝手に複数形にして、仲間を作ってしまうのは、自分だけでは不安なのをごまかそうとしているのだ。

【9】「非人間的」とか「人間じゃない」とか「人の心がない」とか「心の闇」とか書いちゃう
酷い事件が起こると、必ず出てくるタイプ。酷いことする人を、人じゃないって排除すると、それ以上は考えなくていいから楽ですけど、シンプルに間違っています。

【10】「推測だが」「おそらく」「まだ~断定できない」と前半で書きながら、推論が進むと、なぜかか「きっと~だろう」とか「~は間違いない」とか書いちゃう。
情報が不確定なのに、思考停止して勝手に妄想して、勝手に怒って、独りよがりに書いてしまう罠。最初に結論があって、それを立証する根拠を探したり調べたりするのはめんどうなので、推論から始めるが、自分が思い込んでる結論はしっかり断言したいという欲望に基づいて書いているパタン。

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