「読みやすい短文はダメ?」とかのエセ・テクニックはもううんざり

「長文だと読まれない」「長いと良い」「読みやすい短文はダメ?」とか、もう、こういうエセ・テクニックにはうんざりだ。
「内容に適した長さがよい」というだけのことなのに、長いとダメ短いとダメとか言うて、まあ、なかば炎上議論のひっかけなんだろうけどな。

この文章のことだ。


「短文だと読まれる」は正確ではない

と書いてるので、ふむふむと読み進めてみれば、

よく短文じゃないと読まれない、そう考える方がおられますが今ひとつ正確ではありません。

「短文だと読まれる」を「短文じゃないと読まれない」言い換えてしまう。「短文だと読まれる」と「短文じゃないと読まれない」って意味、ぜんぜん違うからな!と最初のツッコミ。

短文であれば読者の気持ちが離れる前に読み終えてもらいやすい、が正確な表現です

と言い出す。
えーと、読み終えてるのなら、読まれてるじゃないか。
その後に

読み終わったとしても、読者を惹きつける文章だったかどうかはまた別の話です。

とくる。
え?
「短文だと読まれる」は正確ではないと切り出して、「読者の気持ちが離れる前に読み終えて」もらえると書き、じゃあ「短文だと読まれる」じゃないかと思せておいて、反論もせずに「読者を惹きつける文章だったかどうか」を持ち出して、話題を変える。
この支離滅裂さはどうだ。

読者の心に届けたいなら長文で書いた方がよい

と、さらに「読まれるかどうか」とは別の話である「読者の心に届けたいなら」という話を持ち出してきて、

なぜなら、人が持つ種々の感情の中でも特に「感動」を喚起するためには、ある程度の情報量が必要だからです。

と、「読者の心に届けたい」ことが、「感動」しかないかのように独りよがりに展開する。

伝えたいことがあるなら、文字量を気にすることなく、惜しみなく書きたいだけ長文を書き綴った方が良いです。出し切った方がいい。

ほうほう、根拠は? と読み進めると、

映画を見て号泣したことがある人はいると思いますが、ツイッターのツイートで号泣した人はあんまりいないと思いませんか?

って、長い文と短い文の比較をしているところに、突如、なぜか映像作品がでてきましたよ。

そもそも「号泣」は大声を上げて泣くことなので(三国志のおおおおおと咆哮しながら泣くやつね)、映画館でそんなことされちゃ大迷惑。っていうか、大袈裟な表現が好きな人は、「泣く」と書けばいいところを「号泣する」と盛った書き方をするよね。

そもそも、読まれる読まれないという問いかけからはじまっているのに、泣く泣かないにズラしてどうする。

この支離滅裂な書き手は、読者に何かを届けたいのではなくて、泣かせたいだけみたい。

しかも、

140文字のツイッターでも頻繁にバズってんじゃん

と、泣く泣かないの話題に自分がシフトさせたのに、バズるかどうかにシフトさせて、バズってるのは「そういうライトでツイッターらしいものが大半です」と答える。じゃあ、バズってるんじゃん!とツッコムのはここまでくると野暮。
そもそも、ツイッターの文章がツイッターらしくてなぜいけないのか。

あまりの支離滅裂さに、何かショックなことに動揺しながら書いてるのかな?と心配になってると、実は「STORYS.JPの編集長」が書いていて、STORYS.JPでは「6,000文字〜1万文字」がバズりました、っていうごく狭い観測範囲の独断による宣伝であった。

「STORYS.JPは、感動させて泣かせたい長めの文章を求めています」と書けばいいのに、文章テクニックのように書いちゃうから支離滅裂になっちゃう。自分が書きたいことをまっすぐストレートに書いたほうがいいですよ。
自分の思いをまっすぐストレートに書いて大勢の人を感動させたたくさんのSTORYS.JPに載っているストーリーのように。(←ちょっと辛辣に書きすぎたなーと思って、フォローいれてみました)。

あと、

惜しみなく書きたいだけ長文を書き綴った方が良いです。

というアドバイスに従って、惜しみなくダラダラ書いたので、誤字脱字冗長さはご容赦。

*ほんとうは、支離滅裂というよりも、「自分をどう見せたいか」と「実際に書きたいこと」が分裂していて矛盾として表出してる文章なんだよね。でも、これは、おそらくSTORYS.JPの実話ストーリーにおいては大切なポイントで、あれこれ整理して、矛盾を解消して書いちゃうと、つまんなくなっちゃう。矛盾を抱えたまま走りきったものが感動を呼ぶことはよくある(人生は矛盾だらけだからな)。なつかしいところでいうと「恋空」とか、そうだったよねー。だから、上記で指摘した矛盾は、STORYS.JPの編集長としての弱点じゃなくて強みだ。STORYS.JP、応援してます!

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