グアンタナメラ~キューバの明るい陽射し

イギリスのコロナの状況、ぜんぜん落ち着く気配がない。病院も満床になりつつあって(もうなってるのかも)、ほかの病気やケガもおちおちできない。

ロンドンやリヴァプールではすでに始まっているけれど、私の住んでいる地域でも、次の週末から始まる学校の中間休みに合わせて、またロックダウンになる見込みだ。
コロナで死ななくても、うつになりそう…。私、生き残れるかな…。

そんな憂鬱な気分でYoutubeを徘徊していたとき、偶然出会ったこの動画に活力をもらった。
見たところ「Playing For Change」という世界中のミュージシャンをつなぐチャリティ企画のうちの一つらしく、世界各地に散らばる多数のキューバ人ミュージシャンたちが「Guantanamera(グアンタナメラ)」という、たぶんキューバの歌で一番有名な歌をカメラ越しに合奏している。東京も一瞬出てくる。

明るい陽射し、風にそよぐ南国の緑。日々の生活は喜びだけではないけれど、悲しみや憂鬱も穏やかに優しく溶けていくような、まるで温かい海水に体をひたしているような、そんな心地にさせてくれる音楽だ。映像に登場するミュージシャンたちの姿も街角の景色も、これぞ人生賛歌という感じで素敵だ。
動画が公開されたのは2014年だからコロナ禍とは関係ないのだが、すごく今に合っている。


私は実直な男。ヤシの木が生えている場所の生まれだ。
死ぬ前に心の詩を歌いたいんだ。


この歌には、私は少し思い入れがある。
若い頃、英語から逃げるようにスペイン語を勉強していた時期があった。使っていたテキストの一つにこの歌が載っていたと思う。中米に旅行がてらスペイン語レッスンを受けに行った時もやっぱりこの歌を習った。キューバではなかったんだけれど。

当時でも旅行者程度のスペイン語しかできなかったけど、今はそれすらも忘れてしまった。でも、学習のためによく聴いていたこの歌や映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」に出てくる歌、それにリッキー・マーティンの歌などは、今でも結構歌える。

言い古された言葉かもしれないが、音楽には理屈を超えた力があるなぁ。

余談だけど、「グアンタナメラ」には次のような歌詞がある。

私を暗闇に押し込めないでくれ
裏切者のように死にたくない

私が死ぬときは太陽に顔を向けて


「お天道様に顔向けできないようなことはするな」というのは世界共通なんだな、と面白く感じたんだけど、よく考えると当然かな。
後ろ暗い所のある人はコソコソ暗がりに隠れなくちゃいけないものね。でないと捕まっちゃう。


コロナでつらい思いをされている方、たくさんいらっしゃると思いますが、音楽でも漫画でも散歩でも、何か癒しを見つけて何とかお互い生き延びましょうね。



ありがたくいただきます。