大学院受験の話

このnoteは誰かの参考になりそうでならない事ばかり書いている。
今回もその一つだ。
高校時代はまともに勉強せず、おつむヨワヨワの美大生が某私大の大学院受験をしたことについて書く。
詳細は省くが、難関大ではある。大学院が難関かどうかは知らない。学部入試よりは簡単なのではないだろうか。知らないが。


当時、入試まであと一ヶ月半だった。
試験内容は社会学についての論文1本(90分)、自分の専攻についての論文1本(90分)、社会学関連の英語雑誌の和訳(90分)だ。
国立大だと第二外国語の試験もあったが、美大生は第二外国語なんてまともにやらんので無理だ。そのため私立を受験した。
現在、英語の試験の形式が異なるので参考にならんと思う。みんなはさっさとTOEICの勉強でもしてくれ。TOEICは受験したことないので勉強法わかりません。ちなみに院生の時の同級生はTOEIC900点台が複数名でした。参考に。


頭がいい人は読まなくても知っている話だよ

頭のいい人には一生縁のない話で結構だが、勉強をコンスタントにできる奴はその時点で頭がいい。つまり、ある程度の時間机に座って勉強する習慣づくりが最も重要である。
とにかく机に座り、テキストを開く時間を確保する。問題の出来以前にそれが出来てないのではないかと考えた。当時メンクリの薬を何錠も飲まないと学校に行くこともできなかったので尚更だ。

自分はこの習慣づくりとして毎日大学の図書館に行くという目標を設定した。何時に行ってもいい。勉強しなくてもいい。とにかく閉館している日曜以外は毎日大学の図書館に行くことにした。
気分の乗らない日は展覧会の図録や興味のある新書を読んで気晴らしした。それでも良いと自分を許すことにした。習慣づくりが一番の目標だったからだ。

これは成功したと思っている。0か100かという性格だったので、クリアしやすく継続は難しい目標設定をこなすことで自分を許すことや、達成感で自己肯定しやすくなり、モチベーションが維持できた。


頭の良い人には関係ない話だよ

大学院の入試は英語で足切りされる。
というのも、シンプルな話、英語が一番点数が明確だからだ。
実際、英語の解答用紙が真っ白な受験生が多かった。試験で一番前に座っていたため回収時に他人の回答が見えてしまったが、あまりに真っ白で普通に勿体無いと思った。


入試以外の理由を言うと、英語できないと大学院は困る。英語力がある前提で授業は進む。英語でのディスカッションがある大学も多い。私はとくに話すことが苦手だったため、院生時代にオンライン英会話をやっていたほどだ。
最低限、話すことができなくてもせめて自分の研究分野の英字雑誌とかは読めるようにしたほうがいい。のちのち研究するときに日本語論文では必ず限界が来る。その限界を打破してくれるのが他言語の論文だ。

入試の話に戻ると、実際自分の受けた院試で出た問題はThe Economistの記事などだった。研究分野に関係する雑誌を読むと専門用語が何度も出てくるので嫌でも覚える。なぜかその分野でよく出てくる単語もある。

白紙の解答が多い理由として時間配分がシンプルに下手というのもあると思う。90分で大問3問だったが、単純計算で1問30分だ。30分で全部読んで解答できるわけがない。いや英語に自信のある人は読んでもいいが…。
これは日本語の文章でも言えることだが、まず段落の最初と最後の一文を読む。次にその段落内の固有名詞に着目する。その上でその段落で一番長い文章を読む。英語の問題は大抵この一番長い文章から出題された。つまり、段落の要点を最初と最後の一文、固有名詞から予測し、最後に一番長い文章を読み問題に回答する。

(日本語の本でも、そのように習慣づけて本を読めば効率的に読める。そして論文でもそのように文章を組み立ててれば相手に読みやすい文章が書ける。)

きっと時間が足りず白紙なんて事態は免れるはずだ。
頭のいい人はそれを言語化せずに実践しているから賢いのだろう。私は時間もない、頭も悪い、心身の調子も悪いという圧倒的不利な状況だったため、効率厨になるために頭をフル回転させ、上記の方法を編み出した。


頭の良い人はそのまま勉強していいよ


これで日本語の文章のコツも書いてしまったようなものだ。
段落の最初と最後に結論を書き、中間あたりにそれなりのボリュームでそれを補強する論理を書く。大きな段落の組み方もそれでいける。
時間配分のコツは内容を考える時間を文章を書く時間よりも長めに取ることだ。例えば90分の試験なら60分内容を考え、残りの20分で文章を書き、10分で見直しする。内容が詰まり、構成がはっきりとしているなら、案外文字を書く時間はさっさと終わる。論文の時間を文字を書く時間と考えてはいけない。書くことなんて優先順位が一番低い。書く手が止まり、書くことに時間がかかるなら単に内容が練れていないだけだ。

ではどのように論文の内容を考えるかというと、とにかく思いついたキーワードを書く。そして連想ゲームのように考え、気になる単語に補足する。そしてそれを大まかに3〜4つのまとまりに分け、最後に書く順番を決める。問いに対して一つの論の方向性で決めつけず、複数出して行ったうちから一つ選び取るようにする。一つの方向性で進むと途中で手が止まった時にリカバリーする方法がない。それを避けるためにいくつも論文に使えそうなキーワードを出しておく。


そもそも物事を考える時、自分の中で一つの意見だけしか出ていない状態は危ない。その意見が正しいと過信しがちになるからだ。これはあるテーマに対してディスカッションする時にも言えることだろう。あるテーマに対し、常に複数の視点を持って見ないとすぐに自分の意見だけが正しいかのように錯覚しがちだ。自分の意見対他人の意見(敵か味方か)というシンプルすぎる対立構造になってしまうのを大学院のディスカッションでも、インターネットでも見かける。

美大のデザインの授業で「それを大きくしたら、小さくしたら」、「前から見たら、後ろから見たら、ななめから見たら」など意識的に視点を変える作業のためのレジュメが配られたが、まさにそれである。このカッコ内を常に問いに合わせて変形させる。これは院試関係なく、日々訓練できるのではないだろうか。


終わりに(公務員とか大手企業で働いている同級生〜俺はクズでも生きてるぜ〜)

自分のやり方に癖があるのは承知なので、こんな人もいるのか〜くらいに思ってくれればいい。東大生の勉強法とか真似できん。なんだあのノート。狂気かよ。

でも他人の勉強法真似してやった気になっている方があぶね〜んじゃあねえかと思うので、やった気になって気持ちよくなっているみんなたちは一度昼寝でもしてリセットしたほうがいい。

それと文系の院は就職先ないの、ガチだぜ。奨学金も理系に比べて少なめ!
世を呪え。

私、クズ!文系院卒!非正規雇用!(自己紹介)
2021年の目標は年収を上げること!非正規雇用なのは、職場が非正規雇用からしか採用しないクソシステムだから!

お前はそうなるなよ。以上。

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