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球體鬼-Ball Jointed Devils- 第0段


「芸洲の民話」 第4講 レジュメ     担当 黄泉京太朗

1. 今回の目標
 ・球體鬼とは何かを理解する
 ・芸洲に伝わる球體鬼の民話を理解する
2. 球體鬼とは何か
  球體鬼は人間とは異なる存在であり、世界各地に生息している。鬼たちは普段は人間に同化しており、判別は不可能。芸洲地域では昨年だけで(   )人以上が犠牲になっている。非常に攻撃的で危険なため主要先進国は対球體鬼用の軍隊を所有している。特にアメリアの(   )が有名。我が国イポーニアでは(   )がその役割を果たしている。 
  鬼たちの情報は残された伝説や民話、口コミ、政府の広報資料以外は機密扱いになっていることが多い。
3. 芸洲に伝わる民話「鬼と娘と男たち」
  これは芸洲西部に伝わる民話です。拙著から抄訳を以下に抜き出してきました。原文や全訳を読みたい人は図書館にあるので是非。 

「鬼と娘と男たち」
それはそれは べっぴんな娘がおった
ひと目見ようと 娘のいる屋敷を訪れる若い男が絶えんかった
じゃが 男たちは娘の屋敷の裏のボロ屋への恐怖と同時に戦っとった
そのボロ屋に入ったもんは
二度と出て来れんと有名じゃった

あるとき
勇敢な男がボロ屋に入ってった
彼は有名な陰陽師の弟子で
多少の術の心得があった

ボロ屋で見たのは数え切れんほどの
若い男の生首じゃった
奥からは物を食む音がしとった
彼は自分を奮い立たせて奥に入ってった
そこは娘のお屋敷じゃった
屋敷とボロ屋は繋がっとった
周りからは離れて見えるように
妖術がかけられとった
彼は食む音に近づいていった
すると角を生やした件の娘が
求婚者のひとりをうまそうに食いよった
彼は鬼用の術を娘にかけた
娘は彼に気づき術を受けたが
一部を跳ね返した

翌朝彼は気を失って倒れておった
娘の右手首から先を持って
屋敷のあった場所
さら地となった場所に

その右手は
関節に球体がはめ込まれておった
右手はその場に埋められ
神社が建てられた
「球體神社」と名付けられ
娘のような残忍な球体関節の鬼を
球體鬼(きゅうたいき)
と呼ぶようになったとな

出典 黄泉京太朗(2007)「芸洲の歴史」芸洲出版社。

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