モルトNEXT構築論take2

【デュエマ】モルトNEXTを構築しよう&超CSⅢベスト64デッキリスト

1.はじめに

この記事にアクセスしていただきありがとうございます。
ヨーカン(@yolkan)と申します。よろしくお願いいたします。

この記事ではタカラトミーより発売されている「デュエル・マスターズ」のデッキタイプ、『モルトNEXT』の構築について書いた記事になります。
少しは知識がある方前提の記事になりますので、ご了承ください。

『モルトNEXT』は現在、多くの選択肢があり、人によって構築も様々です。
プレイも人によって様々ですので、自分に合った構築を探すことが大切です
この記事には無料部分と有料部分があり、無料部分では『モルトNEXT』のデッキビルディングについての考え方を書いています。ぜひ、一緒にデッキを組んでいきましょう
有料部分では、前述のデッキビルディングの考え方に沿って私が作成したデッキリストと、競技シーン向けに必要なプレイング等を書いています。
無料部分だけでも、読み物として面白いものになっているので是非ご覧ください。

2.自己紹介

まず、私について軽く自己紹介をさせていただければと思います。

筆者:ヨーカン(@yolkan)
CS優勝3回、準優勝2回。Lv.1認定ジャッジ。
関東の2ブロック調整チーム『したい会』の発起人兼、ビルダー。
デッキビルダーとして10年以上、多くのデッキの作成してきました。

2ブロックですが、近年、私が作成したデッキを載せておきます。

少しでも面白いデッキ作るな~とか思ってもらえたら幸いです。

3.『モルトNEXT』デッキを作ろう

『モルトNEXT』は多くの方がご存知の通り、2019年7月20日に発売された「デュエキングパック」で大きな強化を受けました。

収録された新カードは主に以下3種。
・《爆銀王剣 バトガイ刃斗 / 爆熱王DX バトガイ銀河》
・《轟牙忍 ハヤブサリュウ》
・《爆裂遺跡シシオー・カイザー》

これらのカードで、『モルトNEXT』の守りの面がかなり強化されました。
《爆熱王DX バトガイ銀河》は一見、ただ攻撃的なカードに見えますが、

・相手のドラゴンではないクリーチャーは、バトルゾーンに出たターン、攻撃できない。

というテキストが非常に強く、攻守ともにバランスの取れたカードになっています。しかし、昔『モルトNEXT』で使えた《爆熱天守 バトライ閣》のように圧倒的で爆発的な攻撃力を再現するほどではありません。

デッキ構築は、これまで使用していたデッキに1種類新たに追加カードが来ただけでも大きく変わることがあります。今回の『モルトNEXT』の強化は、これに匹敵するものである可能性が高いです。
これまでの常識に囚われないためにも、一からデッキ構築すると『モルトNEXT』の新たな可能性が見えてくるはずです。

以上を踏まえ、『モルトNEXT』の構築をしていきましょう。

まず、『モルトNEXT』のデッキ構成パーツは大きく3つに分かれます。
・マナを増やすカード
・守るためのカード
・攻めるためのカード

『モルトNEXT』はそのデッキの特性上、序盤にマナを増やすことができなかった場合、非常に負ける確率が高くなります。(S・トリガーのみで逆転することが難しいデッキであるため)
そのため、デッキの最も重要な基盤となる、マナを増やすカードの枚数を気持ち多めに決めていきます。
次に、『モルトNEXT』の弱いポイントである、守るためのカードを決めます。
その後、得意分野である、攻めるためのカードを決め、最後に微調整をしていきましょう。

確定枠は《メンデルスゾーン》4枚と《超戦龍覇 モルトNEXT》4枚のみです。あとは自由に決めていきましょう。

4.マナを増やすカードを決めよう

まず、3コスト以下のマナを増やすカードの枚数を決めます。
そのため、3ターン目までに3コスト以下のマナを増やすカードを引く確率を求めていきます。
色配分は最後に調整するため、ここでは計算に入れてありません。

[3ターン目までに3コスト以下のマナを増やすカードを引く確率]
※平均差分は上の枚数との確率の差を表す。

3コスト以下のマナを増やすカードの枚数
(《メンデルスゾーン》4枚を含む)
・6枚の場合
先攻:71.1%  後攻:76.4%

・7枚の場合
先攻:77.1%  後攻:81.9%
平均差分:5.75%

・8枚の場合
先攻:81.9%  後攻:86.3%
平均差分:4.6%

・9枚の場合
先攻:85.9%  後攻:89.7%
平均差分:3.7%

・10枚の場合
先攻:89.1%  後攻:92.4%
平均差分:2.95%

・11枚の場合
先攻:91.6%  後攻:94.4%
平均差分:2.25%

・12枚の場合
先攻:93.6%  後攻:96.0%
平均差分:1.8%

10枚の場合(つまりメンデルスゾーン4枚、3コストのカード6枚の場合)、だいたい9割くらいで引けることがわかります。
また、多く入れれば入れるほど、1枚増やした際の引ける確率の上昇幅が小さくなっているのがわかります。
デッキに1枚入れたカードを引く確率は2.5%(1/4)なので、その差分の分岐点となる、10枚の場合は1つの目安になるでしょう。
以上を参考に、自分の好きなバランスで枚数を決めてみましょう

次に、デッキ内のドラゴンではないカードの枚数を決めましょう
そのため、《メンデルスゾーン》で2マナ増やすことができる確率を求めていきます。

[《メンデルスゾーン》で2マナ増やすことができる確率]
※唱えている《メンデルスゾーン》を枚数に含めず計算。

ドラゴンではないカードの枚数
(《メンデルスゾーン》4枚を含む)
・10枚の場合
58.7%

・9枚の場合
62.8%  差分:4.1%

・8枚の場合
66.9%  差分:4.1%

・7枚の場合
71.3%  差分:4.4%

・6枚の場合
75.7%  差分:4.4%

・5枚の場合
80.3%  差分:4.6%

・4枚の場合
85.0%  差分:4.7%

ちなみに、

《メンデルスゾーン》を2ターン目までに引ける確率
先攻:49.3%  後攻:55.2%

です。大体5割くらいですね。
そのため、2ターン目に《メンデルスゾーン》を成功させる確率は、上記の数字の大体半分くらいになります。

デッキ内のドラゴンではないカードは主に以下の候補が考えられます。
・《メンデルスゾーン》
・《スクランブル・チェンジ》※殿堂入り
・《フェアリー・ギフト》※殿堂入り
・《フェアリーの火の子祭》

どれも強力なカードで採用したいですが、《メンデルスゾーン》の成功確率が1枚あたり4%以上変わることに加え、《爆銀王剣 バトガイ刃斗》の成功確率にも影響してくるため、そこも踏まえて枚数を決めてみましょう

上記2つの枚数を決めたら、具体的にどのカードを何枚入れるか決めてみましょう。最後に全体的なバランスは調整するので、ここでは自分が強いと思ったカードから入れていくと良いと思います。

次に5マナでマナを増やす(もしくはコストを軽減する)カードを選びます

候補は、
・《スクランブル・チェンジ》※殿堂入り
・《フェアリー・ギフト》※殿堂入り
・《無双竜鬼ミツルギブースト》
・《龍罠 エスカルデン / マクスカルゴ・トラップ》
・《トップ・オブ・ロマネスク》
辺りでしょう。

5マナ域までなると、不確定要素や場合分けが多くなってしまうので、ここでは確率計算を行いません。
3コスト以下のマナを増やすカードを多数採用した場合は、2枚以上それを引くことで、5マナ域のカードの代用になるので、少なめでも良いかもしれません。
上記のカードの中から、3~6枚程度採用すると良いでしょう。

以上で、
・3コスト以下のマナを増やすカード
・デッキ内のドラゴンではないカード
・5マナでマナを増やす(もしくはコストを軽減する)カード
が決まりました。
合計枚数が12~16枚程度ではないかと思います。内訳はメモして(覚えて)おきましょう

5.守るためのカードと、攻めるためのカードを決めよう

マナを増やすカードを決めたら、次に守るためのカードを決めていきます
(ここで言う「守るためのカード」とはマナが少なくても使う機会があるカードのことです。大体5マナ以下くらいを想定しています。)
『モルトNEXT』は少ないマナで戦えるデッキではないので、0枚だと良くないです。4~12枚程入れると良いと思います。

候補は、
・《轟牙忍 ハヤブサリュウ》
・《爆裂遺跡シシオー・カイザー》
・《ボルシャック・ドギラゴン》
・《熱血龍 バトクロス・バトル》
・《メガ・マグマ・ドラゴン》
・《熱血龍 メッタギルス》
辺りになるかと思います。

(あとから微調整するので)直感に従って、入れるカードと枚数を決めちゃいましょう
決まったら、攻めるためのカードを決めていきます

《超戦龍覇 モルトNEXT》4枚は確定として、残りの候補は、
・《次元龍覇 グレンモルト「覇」》
・《二刀龍覇 グレンモルト「王」》
・《蒼き団長 ドギラゴン剣》※殿堂入り
・《龍の極限ドギラゴールデン》
・《メガ・マナロック・ドラゴン》※殿堂入り
・《リュウセイ・ジ・アース》
・《永遠のリュウセイ・カイザー》
・《伝説のレジェンド ドギラゴン》
・《リュウセイ・天下五剣・カイザー》
・《偽りの王 ナンバーナイン》
・《偽りの王 モーツァルト》
などなど……。挙げるとキリがなくなるので、この辺で。

それを含めて16~22枚程度になるでしょう。ここも直感に従って、合計40枚になるように入れるカードを決めましょう

6.文明のバランスと、多色カードの枚数を確認しよう

ここまで実は、肝心な文明の話をしてきませんでした。
というのも『モルトNEXT』は似た役割のカードが多く、文明バランスを後からいじることができるためです。

ここで大事なことは3点
・自然文明の枚数
・多色カードの枚数
・火のドラゴンの枚数

です。

まず、自然文明の枚数です。2ターン目に安定して《メンデルスゾーン》を唱えるには、自然文明が何枚あると安定するかを知るために、確率を求めていきます。(ややこしくなるので、多色カードのタップインは考慮に入れていません。)

[2ターン目に自然文明を2枚以上引く確率]

自然文明の枚数(《メンデルスゾーン》4枚を含む)
・16枚の場合
先攻:78.8%  後攻:86.6%

・17枚の場合
先攻:82.5%  後攻:89.5%
平均差分:3.3%

・18枚の場合
先攻:85.7%  後攻:91.9%
平均差分:2.8%

・19枚の場合
先攻:88.5%  後攻:93.8%
平均差分:2.35%

・20枚の場合
先攻:90.9%  後攻:95.4%
平均差分:2%

・21枚の場合
先攻:92.9%  後攻:96.7%
平均差分:1.65%

・22枚の場合
先攻:94.6%  後攻:97.6%
平均差分:1.3%

19枚の場合、だいたい9割くらいで引けることがわかります。
差分から見ると、18枚の場合まで2.5%を超えていて効率が良いことが伺えます。
ここで、先ほど選んだ40枚の中に自然文明の枚数が何枚あるか、数えてみましょう。あまりに少なければ、マナを増やすカードを自然文明に変更したりするなど工夫して、自分が必要だと思う自然文明の枚数になるようにしましょう

次に、多色カードの枚数を見てみましょう。
こちらは多すぎたり少なすぎたりすると明確に何かができなくなる構成要素ではありませんので、確率計算はしません。どうしても感覚的な話になってしまいますが、あまりに多色カードが多すぎると《超戦龍覇 モルトNEXT》をマナに置かないといけなくなってしまうことが頻発します。
個人的には20枚以上だと多いので、それ以下で、できるだけ少なくできれば良いでしょう。
ここは自分で試してみて、自分に合った枚数を決めると良いと思います。
ここでも、先ほど選んだ40枚の多色カードの枚数を数え、多色カードが多すぎないよう調整しましょう

最後に、火のドラゴンの枚数を見てみましょう。
これが少なすぎれば、《超戦龍覇 モルトNEXT》のマナ武装の発動が危うくなります。しかし、《スクランブル・チェンジ》や《フェアリー・ギフト》を入れなければ、比較的、他のカードを入れることができるでしょう。
ここでも、先ほど選んだ40枚の火のドラゴンの枚数を数え、火のドラゴンが少なすぎないよう調整しましょう

7.最終調整をしよう

ここまでデッキを組んでみましたが、最初はなかなか各項目のバランスがうまく取れないと思います。

しかし、これまで挙げた項目の内、
・3コスト以下のマナを増やすカードの枚数
・ドラゴンではないカードの枚数

・自然文明の枚数
・多色カードの枚数
・火のドラゴンの枚数
5項目が『モルトNEXT』の安定性に大きく影響しています。個人的には、採用カードよりもこの項目の枚数の方が勝率に影響していると考えています。自分の中で、絶対必要だと思っていたカードを一旦抜いてみる勇気も必要です。まず安定性を取ってから、後の調整で攻めるカードを付け足していった方がうまくいくことが多いです。

一般的なデッキリストにはこれらの5項目のどれかが十分でないものも多く見られます。せっかく良い案があるのに、安定性を損なっているせいで上手くいかないのは、すごくもったいないです。原因の1つに、欲しいカードを入れるためにこのバランスを考えず、だんだん不安定なデッキになってしまう所を見ることも多いので、デッキリストを少し変える度、これらの項目の枚数を意識することが大切です。

また、上記5項目とは対照的に、『モルトNEXT』の守るカードや攻めるカードは環境に合わせて入れ替えることが大切です。それにより、ある程度どんな環境でも順応することができるので、比較的どんな環境でも使いやすいデッキだと思います。
この点を意識して各バランスを調整しながら、自分の納得のいく40枚を決めたらデッキは完成です!

構築については以上です。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
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これより下は、私が構築したデッキリストとその解説になっています。有料になりますが、このリストは強さはもちろん、『モルトNEXT』では見たことのないような革新的なデッキになっています!
ぜひこの後もお付き合いいただければと思います。

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