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育休義務化だけではないパパが変わるヒトコト

「義務化されたら取りたいんですけど、なかなかですねー」

生まれたばかりの赤ちゃんの写真を笑顔でながめながら、後輩は、私の質問に答えてくれました。「パパ育休はとらないの?」という質問に対する答え。

第1子の出産は陣痛から出産までが長かったようで、2日間かけてようやく生まれたらしい。出産までのあいだ、ママの腰を擦りながら病院で過ごし、途中寝落ちしてしまった。ようやく産まれたときは、出産の喜びと付き添いの疲れが一遍にきた、というママ思いの新人パパさんの話でした。

これからもママと子どもを大切にしそうだなぁ、と微笑ましく思ったのですが、「育休」となるとハードルが高く感じるようです。そんなパパは、かなり多いなと感じます。

そこにあるのは、育児はしたけど、「職場や上司」の顔色をうかがう、普通の一般的なパパの姿です。

迷えるパパは何に背中を押されるのか

育休を3回もとった私も、毎回絶対取ってやる!というような意気込みだったわけではありません。

2人目の出産を控えた当時、異動したばかりであまり在籍年数がたっておらず、かなり忙しい部署でした。ルーティーン業務よりも調整ごとが多く、関係者も多い。今回は育休を取るのをあきらめようと思っていました。

ある日の残業終わりに、上司と何気なく、そんな話をすると

「なぜ取らないんだ!これからの若手のお手本になれ!」

と言われ、育休取得を上司から勧めてくれたのでした。

「えぇ!?仕事回らなくなりますよ!」と答えながら、内心は、上司の言葉に驚き、感動し、声が震えていたのを覚えています。

部下に育休を勧める、いわゆる「イクボス」の鏡。その上司は育児に限らず、個人の生活を大切にしてくれました。よく言われたのは「これからの組織を担うのは、あなたたち世代だ」ということ。組織を、社会を、想いを、我々次の世代、そして我々の子どもたちの世代に、つなげようとする姿勢を常に持っておられました。

上司の言葉のおかげで、2回目の育休を取った私は、1回目とはまた違う新たな経験ができ、復帰前や復帰後の仕事のモチベーションがグンとあがったことは言うまでもありません。

少しのきっかけで変わるかもしれない

「育休義務化では変わらない」とか「大臣が育休なんてパフォーマンスだ」という人もいます。義務化「だけ」で変わったり、大臣「だけ」が育休をとったりしたら、日本の子育ての現状が劇的に変わるものでもない。だいたい、社会ってそんな簡単に変わらないものです。

でも。私が巡り合った上司のように、パパにヒトコト勇気をくれる人が職場にいたら。もちろん、それ「だけ」で変わるとも思わないですけれど、少しは、何かが変わるのかもなとは思っています。

だから、私も「育休とってみたら?」というヒトコトを静かに、これからも伝えていこうと思うのです。

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