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#一次創作
神影鎧装レツオウガ 第四十五話
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Chapter06 冥王 09
「霊力の、確保、ですって?」
一語一句を区切りながら、サトウは怪盗魔術師の言葉を繰り返す。
「そんなものを、いつ、どうやって……」
と、そこでサトウは気付いた。怪盗魔術師の輪郭が、陽炎のように揺らいでいる。立体映像モニタの不調、ではない。
では理由は何か。疑問符と同時に、鳴り響く携帯端末。取り出す。画面に表示された名前は、
神影鎧装レツオウガ 第三十五話
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Chapter05 重力 05 日乃栄高校翠明《すいめい》寮、男子棟三○一号室。
土曜日、まだまだ静かな午前六時三十分。今日も規則正しく鳴る目覚まし時計を、辰巳《たつみ》はいつものように三度目で止めた。
「くぁ、ぁ」
あくび、背伸び、それぞれ一回。しかる後ジャージに着替え、部屋を出る。日課のジョギングの時間だ。
後ろ手に扉を閉めると、蝶番が酷く廊下
神影鎧装レツオウガ 第三十三話
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Chapter05 重力 03 すたすたと、天来号の通路を歩いて行く風葉と巌《いわお》。目指す先は転移室である。
細身ながら、まったく芯がぶれない背中。相当な鍛錬を詰んでいるのだろう巌の背を見ながら、風葉は口を開いた。
「あの、前から疑問に思ってたことが幾つかあるんですけど、聞いても良いですか?」
「んー? なんだい?」
ちらと振り返る巌。細い眼差し