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#ロボット
神影鎧装レツオウガ 第四十五話
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Chapter06 冥王 09
「霊力の、確保、ですって?」
一語一句を区切りながら、サトウは怪盗魔術師の言葉を繰り返す。
「そんなものを、いつ、どうやって……」
と、そこでサトウは気付いた。怪盗魔術師の輪郭が、陽炎のように揺らいでいる。立体映像モニタの不調、ではない。
では理由は何か。疑問符と同時に、鳴り響く携帯端末。取り出す。画面に表示された名前は、
神影鎧装レツオウガ 第三十二話
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Chapter05 重力 02 きんこんと鳴るチャイム。よいしょと教卓を降りる温井先生。わやわや騒ぎ出すクラスメイト達。
いつもの風景、いつもの日常。眠ってしまいそうなくらい平和な眺めだ。
「はふ」
あくびを噛み殺しながら、風葉《かざは》は小さく背を逸らした。おしりが少し痛い。
「座りっぱなしだからなぁ」
教科書類をしまった後、風葉は辰巳《たつみ》
神影鎧装レツオウガ 第二十一話
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Chapter03 魔狼 12 陣羽織を着込んだ鎧武者。
それが、最も端的にレツオウガを表せる言葉だろう。
当然ながら、素体であるオウガの形は一切変わっていない。しかして機体各所――すなわち肩、手首、胸、背中、膝、足首のEマテリアル上へ展開された霊力装甲により、その姿は群青と灰銀の二色に塗り分けられていた。
鋼の身体を覆う、光の鎧。それだけでも相当
神影鎧装レツオウガ 第十九話
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Chapter03 魔狼 10 そうして、風葉は利英《りえい》の研究室に帰還した。
「――、む」
頭がぼうっとする。たっぷり寝たのにまだ足りない、日曜の昼過ぎみたいな感覚。
気を抜いたらまたくっついてしまいそうな目を擦り、風葉は目の焦点を合わせる。
最初に見えたのは、すぐ正面にいる冥《メイ》。抱き合う一歩手前くらいの距離に立つ冥は、風葉の意識が戻っ
神影鎧装レツオウガ 第十七話
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Chapter03 魔狼 08 オーディンが、動いた。
陸上選手もかくやと身体を沈め、一気に解き放つ。クラウチングスタートに似た体勢から繰り出される突貫は、さながらロケットだ。
リバウンダーに匹敵する撃力の塊となったグングニルが、オウガ目がけて唸りを上げる。
「オオッ!!」
斬。
真っ向からの薙ぎ払い。フェイントも何もない、愚直なまでの大振り。だが早い。恐ろしく。
「セッ
神影鎧装レツオウガ 第十六話
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Chapter03 魔狼 07 圧倒的。
それ以外に、この状況を表す言葉はなかった。
「ツ、ア、アッ!」
裂帛の気合いとともに、辰巳はあらゆる攻撃を繰り出す、繰り出す、繰り出す。
左腕コネクタからの操作に従い、ボロボロのオウガが間接を軋ませながらも、オーディン・シャドーへ攻撃を仕掛ける。
クナイの連続投擲。ガトリングガンとミサイルランチャーの同時掃射。リバウンダーによる高
神影鎧装レツオウガ 第十五話
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Chapter03 魔狼 06 所変わって天来号、酒月利英の研究室。
「ふほ、ほ」
部屋の主である利英は、ぐったりと机に突っ伏していた。まぁ特注品である冥《メイ》の転移術式を、この短時間でRフィールド用に調整したのだ。無理はない。
「実際大したもんだよ、酒月」
「なぁーに、こんなこともあろうかと、ってヤツでござる」
震えながらサムズアップする利英。何のかんのでまだ余裕はあるよ
神影鎧装レツオウガ 第十四話
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Chapter03 魔狼 05 巨大な、強大なワイヤーフレームが組み上がる。
基点となるは死霊術師ギノアと、蜘蛛の巣にも似た巨大術式――神影鎧装の術式陣だ。
上へ、下へ。何かの骨組みを形作りながら、拡張し続けるワイヤーフレーム。恐らくオウガのコクピット周りを保護する霊力装甲と同じたぐいなのだろう。使われている霊力量は段違いだが。
編み目のように、血管のように。光