- 運営しているクリエイター
2021年5月の記事一覧
神影鎧装レツオウガ 第百三十九話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter15 死線 07
◆ ◆ ◆
イギリス、某所。
サトウは、大きく息をついた。
「アメン、シャドー、Ⅱ」
一語、一語。噛み締めるように、その名を呼んだ。
「ハワード・ブラウン。トゥト・アンク・アメン。まだ生きてたんですね」
彼は今、アフリカのRフィールド内の状況を俯瞰している。だが奇妙な事に、その手に通信端末の類は無い。立体映像モニ
神影鎧装レツオウガ 第百三十八話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter15 死線 06
その、少し前。
「GYAAAAOOOOOOOッ!」
「たぶん。初恋ってヤツだったんだろうな」
呟きながら、辰巳は構える。見据える。正面。迫り来るディノファングの顎牙。眉一つ動かさず、辰巳は告げる。
「セット。クラッシュパイル」
『Roger ClashPileBunker Etherealize』
応える電子音声。ギ
神影鎧装レツオウガ 第百三十七話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter15 死線 05
さて。今までの戦況は概ねファントム・ユニット側が優勢で進んで来たが、そうでない場所も無論ある。
「おひょヒョー! 撃っても撃ってもキリがありませんぞなもし!」
それは拠点コンテナ。利英がいつもの奇声を上げながら無人機群を指揮し、どうにか防衛陣地を築いている。だが悲しいかな、多勢に無勢の上、そもそも利英は技術屋だ。いかな
神影鎧装レツオウガ 第百三十六話
戻る 総合目次 | マガジン | 進む
Chapter15 死線 04
「う、る、ア!」
グレンの拳が飛ぶ。直線の、有無を言わさぬ初撃。辰巳は難なくこれを弾くが、しかし歯噛みする。オウガの操縦のため、左腕をコンソールから外すわけにはいかない。これでは手枷と同義だ。
「まだまだァ!!」
そして当然、グレンの攻め手は始まったばかりだ。鋭い三連続のジャブ。流れるような回し蹴り。意表を突く裏拳。打